2014年5月14日水曜日

Book (April 2014 )




暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌

高橋ヨシキ氏という映画ライターの仕事をまとめたもの。
自身を悪魔主義者と呼んでいますが、
それよりも帯に書かれている「知のウォーリアー」
という言葉がピッタリだと思います。
今の時代、ある程度のことはネットで調べれば
分かる時代の中で、知識が身体化しているのがかっこいい。
それは毎週やってる水道橋博士との番組からも
ビシビシ伝わってきます。
本著はタイトルどおり残酷、暴力系映画が体系的に
まとめられていて、かなり勉強になりましたし、
まだまだ見れてないのたくさんあるなーと思いました。
こういう本読んでると、綺麗なものばっか見てたら、
頭がアホになっていくんだなと。
残酷なものや暴力的なものを見ないと、
他人の痛みに鈍感になっていくと思うので、
これをガイド本にして映画を見れば良いと思います。



悪と仮面のルール

小説は1人の作家が好きになったら、
とことん読み倒すようになったんですが、
そのきっかけになったのが中村文則氏。
本作もその一環なんですが、小説というより
中村さんのエッセイのような印象も受けました。
勿論フィクションなんですが、
これまでの作品で登場してきた
悪、死に関する考察が何回も出てくる。
ある種、集大成のような論考なので、
興味のある人は「何もかも憂鬱な夜に」から読んでみてください。



モノを売らずに気分を売る―映画宣伝手法を分析

映画のマーケティングに関する本。
仕事でマーケティング的なことをやり始めたので、
取り急ぎ、自分の興味あるものから読んでみました。
読み終わったあとは複雑な気持ちになりました…
主に日本で映画を上映する際に行う、
意味不明な邦題、映画に出てないタレントによる記者会見、
一般人のコメントによるCMなどのカラクリを教えてくれます。
それ目から鱗な内容だったんですが、
なんかねぇ…って感じでした。
映画産業が斜陽の中、劇場に人を呼ぶための方法がこれかと。
そんな上辺のことじゃなくて、
こんだけ情報が溢れている中では本質を捕らえたものや
本格的なものが大切なんじゃないかなと思ってたんですが、
大きなパイはそれではgetできないってことは理解しました。
2時間くらいでサクッと読めるので、
前述の疑問を解消したい方にはオススメです。



ラップのことば2

日本語ラップは昔ほど熱を入れて聞いてないんですが、
1も読んでて、むちゃくちゃオモシロかったので読みました。
そしたら案の定むちゃくちゃオモシロかったです。
1はどちらかというとベテランが多かったんですが、
本作は比較的若手が多め。
それぞれのラッパーでリリックの書き方や書きたい内容が
全然異なるのは改めて興味深いなと思いました。
書き方、内容の話もそうなんですが、
それぞれのラッパーの背景や考え方まで知れるので、
読み終わったあとに曲を聴くと、
また違った聞こえ方するのは新鮮でした。
AKLOのインターネット論、泉まくらのオリジナリティ論、
VERBALのKANYE WESTすべらない話が個人的なハイライト。
ラップ好きな人じゃなくて、
これきっかけでラップ好きになるくらいの傑作だと思います。

2 件のコメント:

L さんのコメント...

中村文則すきなんだー
アフロくんの本の趣味知らなかったけど
くっらいのすきだねー 
でも引き込まれて読んじゃうよねー
ぐふぐふ

afro108 さんのコメント...

何もかも憂鬱な夜を友達に教えてもらってからすね〜ほとんど読んだかな?暗いというか「悪」と「自意識」っていう好きな要素しかないっていう。
また会ったときには本の話もしましょう!