2023年5月18日木曜日

2023年5月 第2週

 土曜日にGroovyRoomが主催しているレーベルであるAR AREAの公演を見に行ってきた。倍の料金のVIP席が一杯で一般席が空いていることにKpopファン勢の経済ぶん回すパワーを感じつつ約2時間の公演を楽しんだ。目当てはMiraniとBlase。ここ数年SMTM入りで韓国ヒップホップにハマり始めた身としては、この2人を生で見れたことは感慨深かった…Miraniはアルバムリリースしたばかりなので、アルバム曲中心の構成で聞けて良かったし、やはり”Achoo”, ”VVS”の2曲はブチ上がった。Blaseは本当にラップの鬼で超タイト。声入りのオケでライブしていたけど、ピッタリすぎてすごかった。。”Peace out” → ”Poppin’”の流れが最高のハイライト。コロナ明けたし日本は近いので、他のアーティストもガンガンきてほしい。

The Drift by MIRANI

 Miraniの2ndアルバム。 pH-1との先行シングルからしてクール、ソリッドなテイストになっていることは曲、ビジュアルから感じていたけど、アルバム全体も同じ方向に舵を切ってきた。ビートもGroovyRoomではなくKwacaが全曲担当している。トーンを落としたラップと音数少ない四つ打ち、ジャージードリル、トラップはかっこいい。ただライブは盛り上がりにくかった印象。でインタールード挟んだ後半はシンギンスタイル。こっちはかなり温度上がってきてメロウネスを持つ曲で構成されており、こっちの方が彼女には合っているように思った。ただ同じことずっとやっていたもしょうがないので、新しいことをトライしていく彼女をこれからも追っていきたい。好きな曲はブギー四つ打ち”Test me”

Kick Off (Solabeam Remix Compilation)

 AOMGのサイドレーベル?みたいな感じでSOLA BEAM RECORDSがローンチされ、そのメンバーによる既存AOMG曲のREMIX集。メンバーはAOMG mixで活躍するDJ陣のSpray、L-like、DJ co.krの3人。元の楽曲を思いっきり裏切る形のREMIXが多くてめっちゃ楽しい。1曲目の”MOMMAE”とか攻めまくりで笑った。DJカルチャーへの配慮が行き届いているあたりにAOMGのヒップホップレーベルとしての完成度の高さを感じる。持っている資本をこういう再投資する点が本当に素晴らしいと思う。好きな曲は最近ますます個人的に信頼度が増しているSprayによるREMIXの”H.S.K.T” サックスが気持ち良すぎ!

AP Alchemy : Side P by AP Alchemy

 Swingsが錬金術として各レーベルを再構成したAP Alchemyのコンピ第二弾。16曲1時間強の特大ボリュームなんだけども、どの曲もクオリティが死ぬほど高くてビビった。それが名の知れたタレントだったら分かるのだけど、結構ディグっているつもりの自分でも知らないラッパーだらけ。韓国ヒップホップの底の厚さを改めて感じるアルバムとなっている。それに加えて抱えているハウスプロデューサーのビートの数々のクオリティが異常に高いのもビビる。上手いラップとかっこいいビートの組み合わせが全てに勝ることを腕力で証明していた。好きな曲は”CRIMSON RED”、”Sunshower”の2曲。あとYoung B が久しぶりにまともにスピットしている”Me”もマストリッスン!

UNDER SEONGSU BRIDGE II by UNDER SEONGSU BRIDGE

 365lit,toigoのSMTMでの活躍で知名度上昇中のUNDER SEONGSU BRIDGEというクルーの2ndアルバム。このアルバムもAP Alchemyと全く同じで上手いラップとかっこいいビートの組み合わせが全てに勝ることを腕力で証明していた。このクルーのいいところは軽薄さでそれを担うのは365lit,toigoの2人。スキルも大切な要素ではあるが、ノリの良さも同じくらいヒップホップでは大切であり同じフレーズをリフレインしてグルーヴを作っていくのが本当にうまいと思う。好きな曲選ぶの難しいのだけど、ノリという観点では”Rock Chanel”

Chrome Season 1.5 by Bleecker Chrome

 Bleecker ChromeがEPを肉付けした形でアルバムをリリース。日本のヒップホップで今年のAOTY候補なのは間違いない。m-floの”Come Again” をサンプリングしたドリル曲にSik-Kをfeatで呼んでいるのだけど、他の曲も韓国ヒップホップをリファレンスにしているだろうなと感じるものが多い。つまりそれは「俺が待っていたのはこういうことよ!」という曲の連発で超最高。一番感動したのは”IGNITE”のExtend verとしてYoung Cocoをfeatした曲。家のスピーカーでデカい音で聞いたらあまりの音の美しさに鳥肌立ちまくった…Young Cocoはキャリアハイの最高のバース。。。録音スキル高すぎ。

T.U.R.N. by EASTA & NAOtheLAIZA

前回のラップスタア誕生で決勝進出したEASTAの最新アルバムはNAOtheLAIZAとのタッグでのリリース。全体にめっちゃ器用だなと思う。ラップはリリックのオモシロさを担保しつつフロウもタイトでスピットもいける。シンギンスタイルも無理なくできているし。NAOtheLAIZAコネクションと思われるFeat陣は2010年代の日本のヒップホップを彷彿とさせるメンバーでそれもアガる。特に今聞くEmi Mariaのフレッシュさが本当にハンパなかったし、Jaggla&NORIKIYOとの漢らしい曲も最高。そして最後はラップスタアの決勝メンバー全員で大団円。アルバムらしいアルバム。

Road to CASABLANCO. by Armani White

 全然知らなかったのだけどDenzel Curry との”GOATED” で知ったArmani White。その曲よりも”Billie Eilish” でハネたらしく確かに中東っぽい上音とバウンスビートがめっちゃ中毒性高くていい曲。”GOATED” という資格が十分あるほどにラップが死ぬほどかっこいい。どの曲もビートが派手なんだけど、それに負けないラップのデリバリーの豊かさと強い発声がある。最後に”Billie Eilish” のREMIXでLudacris, Busta, N.O.R.E.という最高すぎる組み合わせを実現しており、おじさんたちは皆ニヤニヤしてしまうでしょう。好きな曲はゴスペルスティーロな”PROUD OF ME.”

Soul, PRESENT by Q

 1曲目からド直球のPrinceオマージュで、そのままアルバムを駆け抜けていく。今となっては80sオマージュはトレンドではない中で、本人が好きなんだろうなという愛が伝わってきて嬉しくなった。シンセ炸裂しまくりで、どの音も心地よいし曲がバラエティーに富んでいるので飽きずに聞ける。好きな曲は”INCAPABLE HEART”

So Many Other Realities Exist Simultaneously by Atmosphere

 DUSTY HUSKYのdisk Unionディグ動画(本当に最高のヘッズ動画だった)でRhymesayersというレーベルを知ってすぐに見つけたRhymesayersrリリースの最新作。全然知らなかったのだけど、キャリア20年越えのベテランでラッパーとDJ&プロデューサーのUSミネアポリスベースのデュオ。サンプリングベースのオーセンティックなスタイル、つまりは安定感バッチリ。ドープなものとメロウなもののバランスが良くて結構聞いてた。20曲1時間超えなのもトレンドガン無視でいい感じ。好きな曲はレゲエビートの””Holding My Breath”

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