2023年5月24日水曜日

2023年5月 第3週

 友人と飲むために久しぶりに渋谷へ行き、その前にdisk Unionクラブミュージックショップへ。ヒップホップLPの値段の高騰にめちゃくちゃビックリした…円安の影響で新譜が高くなっているのは知っていたけど、中古もエグい値段の連発でビビった。なので最近ハマっているmixCDへ切り替えてディグ、さすがの品揃えで色々買えて嬉しかった。なかでもblast監修、DJ JINによるPrestige Records というレーベル縛りのmixが特に最高でよく聞いている。

KAYTRAMINÉ by Aminé & KAYTRANADA

 ビートメイカーのKaytranadaとラッパーAmineのジョイントアルバムが今週一番ブチ上がった。今年のAOTY候補の1枚。2人の相性がこんないいなんて…ヒップホップビートの定型の外側に余裕ではみ出していくKaytranadaのビートが本当にどれも最高。得意な踊れる系はもちろんのこと、彼なりのヒップホップスタイルもあって、どれもがオリジナリティに溢れている。やっぱり彼のドラムは独特の音色があって、重いキックに硬いスネアはいくらでも聞いてられる。Amineの鼻声がかった独特の声色との相性も抜群だしラップと歌をうまく使い分けてビートを乗りこなしている。好きな曲はたくさんあって、大ネタ使いの”Rebuke”、Pharellとの”4EVA”のいずれも今年の夏聞きまくると思う。あと渋いのはPharrell 以外の唯一の共同プロデュースがKarriem Rigginsってところ。やっぱドラムが大切。

Good Lies by Overmono

 ドーベルマンのジャケが印象的なEPの『Cash Romatic』で知ったOvermonoのの1stアルバム。珍しく日本語のインタビューが2本も出ていてオモシロく読んだ。自分自身ハウスに疎いにも関わらず情報が届く感じはDisclosureが出てきたときに近いものを感じる。Disclosureはもっとポップだったけど彼らはUKのバイブスを大前提にしたままという印象がある。それは世界的にUKの音楽があらゆるジャンルでテイクオーバーしまくっているのも影響していると思う。ボーカルサンプルの妙とヘビーなキックが中毒性高くて何度も聞いている。好きな曲は”So U Kno”

I Hope You Can Forgive Me by Madison McFerrin

 前作の”You+I”で好きになったMadison McFerrinのデビューアルバム。Solange以降のサウンドというか、一つ一つの音色にこだわったサウンドであり、簡単にジャンルへ回収されない新しい音楽への探求を感じるアルバムだった。今回アルバムに参加しているから知ったのだけど、父親のBobby Mcferrinは超絶ポピュラーソング”Don't Worry Be Happy” の人で、弟はTaylor Mcferrinというハイパー音楽一家なのであった。前半はエレクトロニックなムードかつ音に空間がある感じで、後半は比較的オーガニックなムードとなっていた。噛み締めるように何回も聞いてじわじわと好きになった。好きな曲は”Stay Away (From Me)”

GLOW by Wesley Joseph

 Baby Roseというシンガーが”Through and Through”というアルバムをSecretly Canadianというレーベルからリリース。それを聞いていたらなんとなくレーベルが気になってApple musicで見てたらジャケにピンときて聞いたら大当たり。ストリーミング時代ならではのセレンディピティだった。ロンドンに拠点を置いていて、もともとは映画監督志望だったけど音楽にキャリアを切り替えたらしい。ラップを中心に歌も歌えるし、自分でビートも作れる。直近だとLoyle Carnerのアルバムの”Blood on My Nikes”にHookで参加していた。それはともかく何よりも驚いたのは韓国のシンガーであるDEANが参加していること。”SUGAR DIVE”という曲でインディポップテイストながらもラップと歌はブラックミュージックベースという最近のトレンドが高い次元で達成されている。一方で他の曲はDopeなものが多くメリハリがあってオモシロかった。

Tarde no Walkiria by Ítallo

 TLで見かけて聞いてみたらめちゃくちゃ良かった。今のブラジリアンミュージックてこんな感じなのか?という衝撃があったし、こんなに素晴らしい音楽なのに世界的には無名っぽいのを見ると、数字で何かを分かった気になるのも良くないなとも思わせてくれた。基本的にギター中心のフォーキーなサウンドなんだけど、タイトル曲のエレクトロフォークみたいなノリが今の気分に合った。とりあえず休日に流してみてほしい。好きな曲は” Terra de Clarice”

Naughty by DeVita

 AOMGのDevitaのアルバムがリリース。英詞が多く海外のマーケットを狙っているのかなという感じ。ほとんどの曲をGRAYがプロデュースしているので、ビート的には余裕でUS,UKと張り合えるし、Devitaのボーカルも言わずもがな。好きな曲はCoogieをFeatに呼んだドリルR&Bの”Deserve”

MakeABreakAHoliC by FRAME & Jazzadocument

 ディスクユニオンでディグったときに知った。2015年のリリースでストリーミングの狭間にあるアルバムでリリース自体に気づいてなかったと思う。この中に収録されている”Rolling Stone”って曲がとても良くて感動した…FeatにBACHLOGICが参加していて、この狙ったかのような綺麗なピアノループのビート。日本人が好きなものが全部収まっていると思う。FRME名義で最近出たアルバムも良かったし、やっぱりUnderratedなラッパーだなと改めて感じた。

0 件のコメント: