2013年7月22日月曜日

台風クラブ



昨年の名作、「桐島、部活やめるってよ」や
「おおかみこどもの雨と雪」にも影響を与えたという本作。
ずっと見ようと思っていましたが、やっと見ました。
1985年公開なんですが、このアバンギャルド…
自主規制もクソもなかった時代なんだろうなと思いました。
とんでもないものを見てしまったぜ。

主人公は中学生。
冒頭から汚い夜のプールでの事件から始まる。
夜のプールって綺麗なイメージがなんとなくあるんですが
緑色で汚いんですね。起こる事件も含めて、この時点で不穏。
ここで主要な登場人物がほとんど出てくる。
台風がやってくるまでは基本的には
淡々と人物紹介をふまえた中学生ライフが描かれる。
淡々というのは内容のことで、その撮り方が普通じゃない。
やたらと引きの固定ショットが多いし
その手前に障害物があって、それ越しのショットとか。
まぁ内容も三浦友和の彼女のおばさんのくだりとかも
クレイジーなんだけどねw
そして、タイトルにもあるように「台風」がやってくる。
ここからが本映画のアヴァンギャルド全開。
私は80年代後半を自分の目で見た訳ではないので
何とも言えないですが、ここまで突っ込んでるのは
やっぱすげえなと単純に思いました。しかも、面白い。

大きく分けて、3つで構成される訳ですが
① レイプ未遂
② 工藤由貴の家出
③ 学校での乱痴気

①は前半で少し前ふりあったんですが
「ただいま、おかえり」のフレーズが
こんなに怖く聞こえることあるんかよ!って。
詳しくは自分の目で見てほしいっす。
②はこの中で一番ソフトかも。
彼女が家出を決心するシーンが秀逸。哀しいシーンです。
③が最もクレイジーです。
you tubeで少し探せば該当シーンが出てくるので
興味ある人は見てみれば良いよ。
わらべの「もしも明日が」の使い方が…
これからは絶対作れないシーンです。

どれも親、もっと言えば母性を求める子どもの話だと思えました。
色んな子どもが出てくるし、彼らの家も映画内で映るけど
親の姿は一切映らないし。

終始すげーな!と思いながら楽しんで見ていたけど
最後が「あぁ…」というエンディング。
その後、物理的な光に満ちあふれてるんだけどさ。。
個人的には三上君に感情移入してたからショックでした。

桐島好きな人は見てみればいいと思います。
(上のyoutubeはフル尺でアップロードされてます。)

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