2013年8月4日日曜日

かぞくのくに



キネマ旬報昨年度1位の作品。
おもしろいというか、とても哀しい話でした…
在日コリアンの家族の話で、父親が朝鮮総連の偉いさんで
その息子が25年ぶりに北朝鮮から
病気の治療のため、日本に戻ってきた話。
はっきり言ってしまえば、これだけなんですが
物語が進むにつれ、息子だけなぜ北朝鮮に連れていかれたか?
および北朝鮮と日本の関係性が分かっていくので、興味が持続する。
最近はレイシスト問題等で、色々目にしたり、耳にしたりしますが
はっきり言って、詳しいことは何も知りません。
どういう経緯で日本にいるとか。
本作で描かれるのは、在日コリアンにとって
北朝鮮が理想郷とされた時代が産んだ悲劇とも言うべき状況。
圧倒的にどうしようもない現実を前にしたとき
人間はひれ伏すしかないということが辛い。
この帰ってきた息子の引き受け具合たるや。。。
終始達観してる彼ですが
1シーンだけ感情が露になるシーンがあって、それが圧巻。
あとで、彼が北朝鮮に渡ったときの気持ちが分かることで辛さ倍増。
大人の都合で事を運ぶと、どういう結果になるか。がよく分かる映画。
そして、日本にいる在日コリアンの気持ちを代弁するのが安藤サクラ。
この日本に住んでて、北朝鮮のほうがいいってなるのは無いよなー
と頭の中では分かっていたけど、それを具現化したようなもの。
すぐに問題を単純化しちゃうけど、そんな簡単な話じゃないと
改めて気づかされた。(遅いのかもしれないけど…)
日本で生きてると、この環境が当然のように思えるけど
息子が北朝鮮へ帰る前日に放つ言葉。
これは誰にとっても、今考えるべきことだと思いました。
考えることを放棄しちゃダメだぜ。
最後のキャリーに象徴される希望は少し救われたけど。

まー見てみて、色々考えてくださいよ。

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