2020年1月2日木曜日

2019年12月 第4週

12月23日
ZION IV/9th wonderで出社。



1分くらいのが山ほど入っているタイプのbeat tape。
雑なサンプルの組み方のものもあれば、
うおーっ!となる曲もあったりで玉石混交。
シンガーのSmittyが参加しているCan’t breathがめっちゃ好き。
夜、納会的なものが社内で開催されたので一応参加した。
立食でめっちゃ面倒な感じだったので、
食べるだけ食べ、飲めるだけ飲んでそそくさと退散。
帰宅してアイス食べながら、
Rhythm+Flowを見ていたところで
選考過程としてラップバトルがあった。
日本のようにフリースタイルではなく
曲にして互いにディスしあうバトル。
参加者たちの多くがバトルを嫌がっているのが印象的だった。
USでも当然バトルの文化は存在するけれど、
それといわゆるHIPHOPシーンは分断していて、
USにおけるHIPHOPの価値観は
アートにかなり近接した自己表現の1つなんだなと思った。
日本だと当たり前やけど同じクルー同士とか尊敬している相手なのに、
悪口言って戦わないといけないのは相当しんどいよなと思う。
しかも今回はcompetitionでお互いライバルという、
比較的イージーな状況でもこの感じなのは意外だった。
バトルして負けた方が落ちるというシステムだったので、
良いラッパーなのに落ちてしまったり、
たいして光るものないのに残っている
ラッパーがいたりで残念な感じだった。
あとTIPと麻生太郎、顔似てる。

12月24日
クリスマスなので自由が丘のレストランで食事した。
毎年家でモスチキンを食べる生活だったけど、
今年はレストラン行きますかーとなってイタリアンを食した。
こじんまりした街のイタリアンだったけど、
とてもおいしかった。また行きたい。

12月25日
息吹(Exhalation)/Ted Chiang を読了。
息吹
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テッド・チャン
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年末駆け込み読書としてはマジで最高の体験だった。
短編集作家でこれが2作目という寡作っぷりなんだけど、
リリースされるものは抜群にオモシロい。
事実の不確かさ、忘却といったテーマが全作品に通底していて、
時代とマッチしつつ、少し先のテクノロジーが合わさることで
読み応えがある素晴らしい作品となっていた。
表題作品の息吹がぶっちぎりに好きだ。
こんなに短い小説でこれだけ心が動かされるようなことがあるだなんて、
本を読む喜びここにあり、と思わされた。
exhalationに「息吹」と意訳したの天才かよ!最高!
動的平衡を早々に読みたくなるような、
すべてフロウしているという話が最高にスリリング。
全体的に題材としているテクノロジー自体は
特別フレッシュではないけど、
どの短編もテクノロジーと人間の関係について、
新鮮な視点の提示がある。
今回はその点が圧巻だなと思う。
冒頭の「商人と錬金術師の門」とかまさにそれ。
あと過去は変えられない、という強い意志も感じる。
SFだと変えてしまったことで
云々みたいな話が多いと思うけど、
彼の中ではかたくなに過去は変えられない。
それが一番顕著なのは「偽りのない事実、偽りのない気持ち」で、
お父さんの過去の認識のずれの件とかめっちゃ辛かったな…
今年の初めにあなたの人生の物語を読んでから、
SFを積極的に読む年として
今年は積極的に古典から新刊まで読んだけど、
これまでと異なる読書体験が多くあったので楽しかった。
来年はどこまで何を読めるだろうか。
帰り道、東京駅周辺で開催されている
イルミネーション行事に遭遇。
光にまとわりつく蛾のごとく、
あまりの人の多さに頭がくらくらする。
丸善で滝口悠生の新刊をゲットして帰宅。

12月26日
年末のにおいしかしなかった。

12月27日
午前中テレワーク。昨日届いた16FLIPのミックスを聞きながら。
良い意味で「らしくない」選曲の連べ打ちで新鮮だった。
てかこの辺も抑えているのかーと思うと興味深い。
最近PUNPEEのラジオに出演した際に発言していたことが
めちゃくちゃオモシロくて、
Boon bap至上主義でもなんでもないと言って、
スネアの音色1つ取ってもトラップの影響を
受けていないとはいえないと。
書き起こしあるので是非読んで見てほしい。

PUNPEEとISSUGI ラップスタイルの変遷を語る

仕事をひっそりと納めて、午後からRhythm+Flowを見終えた。
めちゃくちゃ良かった…HIPHOPは最高の音楽。
オーディションの過程がHIPHOPゲームで
必要な要素が散りばめられているのが肝で、
出場者たちがオーディションが終わったあと、
この番組に関係なく勝ち上がっていく姿が想像できる。
年齢、人種、性別に関係なくかっこよければ、
すべて良しな姿勢もHIPHOPの大事な要素だなと思った。
あとHIPHOPは完全に自己を表現するための、
アートの1つなんですよ、ということを痛感した。
バトルもあったし当然好きだしオモシロいと思うけど、
やっぱりアート、カルチャーとしてのHIPHOPが好き。
HIPHOPがグローバルに拡大した21世紀、
最初に始まったアメリカでの競争は
信じられないくらい厳しいことが
オーディションを見ているとよく分かる。
同じような内容が日本で開催されたときに、
決勝の4人が魅せたようなパフォーマンスが見れるのか。
まだまだそこには開きがあるというか、
get richな気持ちだけではもはや勝てない世界になっている。
出場者の皆が一様に家族を思う気持ちを
正直に吐露しているのがカルチャーギャップとして印象的。
個人的には一番好きだったD Smokeが優勝して嬉しかった。
なかでもサンプリングを使うステージで披露した、
When The Kids Pull upが好きすぎて、、、
めちゃくちゃ泣いてしまった…
音楽的素養が高くてアイデアマンだから、
Kendrickなポジションまで行くかもしれない。
余韻があまりにも強烈だったので、
決勝出場者をApple music で検索すると、
皆しっかりアルバムリリースして、その辺の抜かりなさも
皆が真剣に音楽と向き合っている証拠だなーと感心した。
アルバムで聞くと、Troyman、Flawless Realtalkが良きだった。
前職の会社の人と年末恒例の飲み会。
音楽とか映画とか色んな話をできるのが楽しい。
金の蔵でさっくり飲んだ後に、
ミッケラン→tangleとハシゴして喧騒まみれの渋谷を渡り歩いた。

12月28日
午後、新幹線で移動。B席に大きな豚がいると思ったら、
それは人間だった。A席で圧力を感じつつ、
ノイズキャンセルヘッドホンのおかげで名古屋手前まで爆睡。
寝起きスッキリで、猫のあしあと/町田康を読了。


猫のあしあと (講談社文庫)
町田 康
講談社 (2012-12-14)
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町田康を色々と読んでいこうモードで読んでみた。
保護猫を迎えて暮らしていく生活に関するエッセイで、
猫日記とも言える内容でオモシロかった。
自治体に殺処分されるかもしれない猫を
次々に引き受けていき、彼ら彼女らを病院に連れていって、
何とか命を紡いでいく過程が本当に尊い。
猫たちが怯えるのは人間たちにひどい目にあったからで、
その警戒心を日々の生活で解いていく。
オモシロいのは猫たちにセリフを当てているところで、
本作はそこで町田節が発揮されていた。
猫に大阪弁当てるのオモシロい。
最後の方でゲンゾーという猫の話が出てくるのだけど、
そこは泣いてしまった。
命を預かっているという自覚を持たないで
生き物の命に安易に干渉することだけは
絶対に避けなければならない。
ペットというのは決して下僕ではないのである。
そういったことがひしひしと伝わってくるエンディングで、
あとがきも含めてグッときた。
これを読んでいたときに聞いていたのは
Ancestral Recall/Christian Scott aTunde Adjuah



昨日の飲み会で教えてもらって早速聞いてみた。良き。
10年代のジャズを代表するトランペッターのアルバム。
ヘッドホンで聞くとトランペットの
空間的な鳴りをしっかりと味わえる。
こういうジャズ系は作業するときのBGMにはぴったり。
帰宅後、ポッドキャストを収録。実家でポッドキャスト。
今年の本の話をした。本の話をすると本を読みたくなる。

12月29日
昨日収録したポッドキャストの編集したり、
本を読んだりを行ったり来たり。
収録翌日即アップロードスタイル。
夜、久々に先輩と天満で飲んだ。
仕事の話とかエンタメの話とか積もる話を
延々としていたら4時間くらい飲みあげていた。
その後、また別のパイセンの家にお邪魔して、
オールザッツを見るという、
いつかの年末を思い出すような夜だった。
その後、タクシーで大阪の街を走り抜けて泥酔で帰宅。

12月30日
墓参りとおばあちゃんの家に訪問。
毎年恒例の行事だけど今年は奥さんがいるので、
不思議な感覚だった。
おばあちゃんがとても喜んでいるようだったので、
それを見ると天邪鬼な僕でもグッとくることがあった。
気をきかせて幼い頃の写真を用意してくれていて、
それを見るとなぜこんな無邪気な子どもが
ここまでヒネくれた人間になってしまったのか…
と自分で思う不憫さがあった。来年のテーマは素直かな。

12月31日
東京に帰るのは夜の新幹線にしていたので、
奥さんが大阪で行きたいところをブラリすることに。
昼食で食べたのは人類みな麺類というラーメン屋。
死ぬほど寒い中、2時間並んで死ぬかと思った…美味しかったけど。
梅田の阪急とか北浜とか色々行くものの、
人が死ぬほど多いか何も営業していないかのどちらかだった。
最後に予約していたレストランに行くものの、
二人とも疲労困憊で早急に退散。
新幹線の時間を早めて帰京。
大晦日の新幹線はめっちゃ空いていて快適だった。
帰宅後はRIZIN。どの試合も見所だらけで最高だった。
バンタム級戦線はとくにカオス。
ケイプvs扇久保が最優先カードなのか。
朝倉海と堀口の再戦はどうなるのか。
石渡、元谷は好きだから何とか1勝してカムバックして欲しい。
なんとなくチャンネルをザッピングしていたら、
なんとなく2019年が終わっていた。
今年1年、少しでも読んでいただいた
皆様ありがとうございました。
2020年はこの形では更新しないと思いますが、
なんらか書いて、生きたい所存です。
気が向いたら読んでください。

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