2014年4月10日木曜日

Book (March 2014)

天才 勝新太郎
「あかんやつら」の炎はまだ消えてへんで!
ということで、同著者の春日太一さんの著作。
タイトルとおり、勝新太郎の俳優、
さらには演出家としての側面にフォーカスした本です。
春日さんの本の素晴らしさは、史実なんだけど、
文体が物語的なので読みやすいし、グイグイ引き込まれる。
今まで中村玉緒の旦那、コカインをパンツに隠してた人。
といった印象でしたし、そういった人は多いんじゃないですか?
ホントさーせん!ってコレ読んで思いました。
俳優としての経歴や豪傑伝説も凄まじいんだけど、
監督、脚本、演出の話が衝撃過ぎた。。。
座頭市シリーズ見てみたいなぁと思います。

Tokyo Wonderland―And Other Essays on Life in America and Japan

近所の古書店で購入。初めて洋書を読みました。
(中学生レベルの非常にeasyな英語です)
いわゆるカルチャーギャップもので、
アメリカ人から見た日本という話は当然のことながら、
それを踏まえたアメリカ論もオモシロかったです。
表紙がかわいいのでオススメです。

ディア・ドクター×西川美和

ブックオフにて救出。
西川美和さんは映画監督で、
ディア・ドクタディア・ドクター×西川美和ーという作品のガイド本。
インタビューや画コンテ、脚本を収録。
監督のインタビューでは、
本作の話だけではなく、
彼女の映画作り全般に関する話もあって楽しかったです。
なんといっても主演の笑福亭鶴瓶のロングインタビュー
これがもう凄まじくオモシロい!
とんでもない人間力に溢れている人だと
改めて認識したし、「家族に乾杯」を見る目が変わりましたw
本読んでから、映画見直すと新たに思うところあったり。
映画見た人には超オススメ。

フェルマーの最終定理
友人に薦められて、クラシックシリーズ。
数学のおもしろさ、ロマンに満ちた名著でした。
僕が専攻していた化学や物理は
自然現象を実験を繰り返すことで、
この事象は概ね以下の数式で説明されるだろうという論法。
それに対して、数学の厳密性たるや。
高校のときは数学が一番得意だったから、
血湧き肉踊る思いで読み進めてました。
フェルマーの最終定理は一見easyなんだけど、
解が「無い」 ことの証明だから難しい。
(「有る」ことの証明は1つ見つければよい)
しかも、歴代の数学者たちの残してきた
数々の足跡をいかし、証明までたどりつく過程は
サンプリングベースのHIPHOP的な考え方なのもアガる!
点と点が線になっていくところも丁寧に書かれているのも
良かったな〜過去の数学者のパンチラインぶりにも脱帽。
相当平易な文章で書かれてるので、数学分からなくても、
騙されたと思って読んでみて欲しいです。

仁義なき日本沈没: 東宝VS.東映の戦後サバイバル
これも春日太一さんの本。
タイトルとおり、「仁義なき戦い」に至るまでの東映と
「日本沈没」に至るまでの東宝の話。
東映の方は「あかんやつら」のダイジェスト版。
東宝の方は初めて知ることばかりでオモシロかったです。
同じ日本の映画会社でも全く性質が違うことが知れる
史実本として素晴らしいので、
「あかんやつら」を躊躇している人にオススメ。

殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件
新潮45シリーズとは別ですが、
新潮社から出ている実録犯罪もの。
冤罪で有名となった足利事件を含む、
連続幼女誘拐殺人の真犯人を探す話。
本当に恐ろしい話しか載ってなくて、
日本の警察、司法の酷い面がよく分かる。
先日死刑が撤回された袴田事件も証拠ねつ造が
問題になってましたが、 ある筋書きに合わせるかの如く、
裁判、取り調べが進行していくのは
誰もが冤罪被害になり得る可能性があることを指し示している。
読み進めていくうちに真実が見えてくる快感は
不謹慎かもしれませんが、やみつきになる。

未刊行小説集
いとうせいこう氏の著作読もうキャンペーン。
過去に点在していた短編を集めたものです。
それぞれのストーリーに色があって楽しいし、
現在出ている著作の下敷きになったんだろうなという話も多く、
分量は多いものの、すいすい読めました。
自我のなさそうな映画の主人公が、
繊細で、もし内面の葛藤があったらシリーズが超好き。
例えばインディ・ジョーンズ、13日の金曜日など。
ベンジーという犬映画の短編では、
犬の自我を描いていて、これが本当に最高でした。
また、長編の「歌を忘れてカナリアに」は
もろに「ワールズ・エンド・ガーデン」な仕上がりなのと、
スペインのカナリア島が舞台だったので、旅行に行きたくなったよ!

0 件のコメント: