天才 勝新太郎
「あかんやつら」の炎はまだ消えてへんで!
ということで、同著者の春日太一さんの著作。
タイトルとおり、勝新太郎の俳優、
さらには演出家としての側面にフォーカスした本です。
春日さんの本の素晴らしさは、史実なんだけど、
文体が物語的なので読みやすいし、グイグイ引き込まれる。
今まで中村玉緒の旦那、コカインをパンツに隠してた人。
といった印象でしたし、そういった人は多いんじゃないですか?
ホントさーせん!ってコレ読んで思いました。
俳優としての経歴や豪傑伝説も凄まじいんだけど、
監督、脚本、演出の話が衝撃過ぎた。。。
座頭市シリーズ見てみたいなぁと思います。
Tokyo Wonderland―And Other Essays on Life in America and Japan
近所の古書店で購入。初めて洋書を読みました。
(中学生レベルの非常にeasyな英語です)
いわゆるカルチャーギャップもので、
アメリカ人から見た日本という話は当然のことながら、
それを踏まえたアメリカ論もオモシロかったです。
表紙がかわいいのでオススメです。
ディア・ドクター×西川美和
ブックオフにて救出。
西川美和さんは映画監督で、
ディア・ドクタディア・ドクター×西川美和ーという作品のガイド本。
インタビューや画コンテ、脚本を収録。
監督のインタビューでは、
本作の話だけではなく、
彼女の映画作り全般に関する話もあって楽しかったです。
なんといっても主演の笑福亭鶴瓶のロングインタビュー
これがもう凄まじくオモシロい!
とんでもない人間力に溢れている人だと
改めて認識したし、「家族に乾杯」を見る目が変わりましたw
本読んでから、映画見直すと新たに思うところあったり。
映画見た人には超オススメ。
フェルマーの最終定理
友人に薦められて、クラシックシリーズ。
数学のおもしろさ、ロマンに満ちた名著でした。
僕が専攻していた化学や物理は
自然現象を実験を繰り返すことで、
この事象は概ね以下の数式で説明されるだろうという論法。
それに対して、数学の厳密性たるや。
高校のときは数学が一番得意だったから、
血湧き肉踊る思いで読み進めてました。
フェルマーの最終定理は一見easyなんだけど、
解が「無い」 ことの証明だから難しい。
(「有る」ことの証明は1つ見つければよい)
しかも、歴代の数学者たちの残してきた
数々の足跡をいかし、証明までたどりつく過程は
サンプリングベースのHIPHOP的な考え方なのもアガる!
点と点が線になっていくところも丁寧に書かれているのも
良かったな〜過去の数学者のパンチラインぶりにも脱帽。
相当平易な文章で書かれてるので、数学分からなくても、
騙されたと思って読んでみて欲しいです。
仁義なき日本沈没: 東宝VS.東映の戦後サバイバル
これも春日太一さんの本。
タイトルとおり、「仁義なき戦い」に至るまでの東映と
「日本沈没」に至るまでの東宝の話。
東映の方は「あかんやつら」のダイジェスト版。
東宝の方は初めて知ることばかりでオモシロかったです。
同じ日本の映画会社でも全く性質が違うことが知れる
史実本として素晴らしいので、
「あかんやつら」を躊躇している人にオススメ。
殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件
新潮45シリーズとは別ですが、
新潮社から出ている実録犯罪もの。
冤罪で有名となった足利事件を含む、
連続幼女誘拐殺人の真犯人を探す話。
本当に恐ろしい話しか載ってなくて、
日本の警察、司法の酷い面がよく分かる。
先日死刑が撤回された袴田事件も証拠ねつ造が
問題になってましたが、 ある筋書きに合わせるかの如く、
裁判、取り調べが進行していくのは
誰もが冤罪被害になり得る可能性があることを指し示している。
読み進めていくうちに真実が見えてくる快感は
不謹慎かもしれませんが、やみつきになる。
未刊行小説集
いとうせいこう氏の著作読もうキャンペーン。
過去に点在していた短編を集めたものです。
それぞれのストーリーに色があって楽しいし、
現在出ている著作の下敷きになったんだろうなという話も多く、
分量は多いものの、すいすい読めました。
自我のなさそうな映画の主人公が、
繊細で、もし内面の葛藤があったらシリーズが超好き。
例えばインディ・ジョーンズ、13日の金曜日など。
ベンジーという犬映画の短編では、
犬の自我を描いていて、これが本当に最高でした。
また、長編の「歌を忘れてカナリアに」は
もろに「ワールズ・エンド・ガーデン」な仕上がりなのと、
スペインのカナリア島が舞台だったので、旅行に行きたくなったよ!
2014年4月10日木曜日
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