2013年1月20日日曜日

HANA-BI


クラシックを見ていこう。
ということで、ソナチネで完全にファンになった北野武監督。
今更そんなこといってんのか。と失笑されるかもしれないけど
人間そんなもんです。笑

ベネチア映画祭で金獅子賞をとった本作品。
あきらかにソナチネが下敷きになっているように見えました。
一言でいえば、叙情的な暴力とその切なさ。
叙情的といえば、久石譲の音楽。
この作品では音楽監督で
劇中で使われる音はすべて久石氏製トラック。
この時点で叙情性はびんびん。
北野映画の何が好きかというと、冷たい暴力。
映画に対して、暴力性を求める場合
ある程度のカタルシスを伴うことを
前提としてることが多いと思うんですよね。
でも、初期北野映画の暴力は突然で、理不尽で、無機質。
そこにドラマ性を見い出すことはほとんどない。
まさに実社会で遭遇しえる暴力。これが好きなんです。

本作はビートたけしが刑事で、その奥さんが岸本加世子。
彼女の命が残り短くて…というお話。
刑事だから、彼女との生活をなおざりにしてきたと。
それの埋め合わせを始める。
と同時に刑事時代に周りで犠牲になった後輩たちの面倒もみている。
もう無茶苦茶に強いんですよ、ビートたけし。
なぜか借金してるんですけど、借金取りに対する暴力が最高。
中盤ぐらいまでは、これに加えて大杉蓮のストーリーとか
画期的な銀行強盗など、クライム要素が強いんですよね。
そして何といっても後半。
夫婦が言葉を交わすことなく埋め合わせる時間の尊さに
どんどんフォーカスしていく。
ここが相当沁みました。映像にしかできない微妙な塩梅が絶妙。
最後の最後もね…まぁ分かってたけど。。
世の中はきれいごとばかりじゃないよ、やっぱり。
全部見たい。TAKESHI KITANO 

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