2012年12月4日火曜日

ふがいない僕は空を見た


山内マリコさんの「ここは退屈 迎えに来て」を読んで最高!となり
女による女のためのR-18文学賞の存在を知り
そこから窪美澄さんの存在を知りました。
映画化かーとか思いながら文庫読んで
ついでに映画も見ちゃいました。

映画もおもしろかったです。ちょっと長いけど…
基本的に原作と同じ内容で、セリフも一緒。
ところどころ抜粋したり、ちょっと見せ方変えたり。
原作は短編集で、それぞれ繋がっている形なんですけど
映画はその短編の順番をところどころ入れ替えてます。

じゃあ、肝心のあらすじはというと
高校生が主人公で、あることをきっかけに
コスプレセックスに興じるようになる。
しかも、その相手は人妻で…
この話に加えて
団地住まいの友人、主人公の母親のストーリーがあるという作りです。

この映画はR-18でこれでもか!っていうくらいSEX描写がある。
そんな巷の映画やドラマのレベルではない。
しっかりと、しつこく。
そして、主人公のお母さんの仕事が助産婦。
簡単に言えば、この映画は「性」と「生」についての映画なんですね。
普段生活している中で「性」の話ってあんまり直接しないですよね。
とくに人前で、その話をしようものなら
「下品」と言われることだってあるでしょう。
でも今、生きている人全員、SEXの産物です。
あの日、あのときのSEXがなければ、ここにいません。
という日常では、ある種タブーとされているようなことに
よりツッコんで話が展開しているところが好きでした。
映画になって、ストーリー構成を入れ替えたことで
それが一層際立っている。究極的に象徴しているのがラスト。
ここでの画は今年見た中で一番美しかったかも。
セリフは原作のままなんですが、文庫についている
重松清さんの解説が秀逸なので、興味のあるかたは要チェック。

「性」と「生」の結びつきの話もおもしろかったけど
ボクは団地暮らしの友人のストーリーがかなり好きでした。
Anarchyっていう京都のラッパーがいて、彼を何度も連想しました。
誰が日本にゲトーはないと言った?っていう感じで
生活が物凄く厳しくて、食べることさえままならないような状況で
サバイブする状況が淡々と描かれていく。
原作よりも嫌な奴っていう描写が多い分、
そのカウンターの強度が上がってて良かったです。
この彼が「生きる」ということに対して能動的になり、自分で人生を選ぶ。 
これ見れただけで、ホントよかった。

映画としての作りが桐島に似てる分、比較されることも多いと思います。
映画の出来で言えば負けてるかもしれませんが
桐島とは別ベクトルのリアルが盛り込まれている点では
もっと評価されていいと思います。

タイトルで辟易している人もいると思いますが
それはもったいない。
田畑智子のおっぱいも見れるし、是非。

2 件のコメント:

rakawa さんのコメント...

退屈、超よかった

afro108 さんのコメント...

その話、超したいです!
滋賀目線での論考を期待しています。
あと、ふがいないは映画のほうが断然好きです。