2012年12月8日土曜日

Hick ルリ13歳の旅


キック・アスで一躍有名となり
BRUTUSの女優神7に選ばれ、しかもセンターを射止めた
クロエ・グレース・モレッツ初の単独主演作。
予告のときは楽しそうなロードムービーかなーって思ってたら
思いのほか、物語全体のトーンは暗めでした。
わりかし好きでした。

タイトルのHickは田舎者という意味でクロエ扮するルリは
文字通りアメリカの田舎に住んでいる。
両親ともに飲んだくれでアメリカ映画に出てくる典型的なダメな家で
育った彼女は、その運命に逆らうこと無く惰性的に生きていたところ
誕生日の翌日に父は出て行き、母は恋人とどこかへ行ってしまう。
そのタイミングで、TVで見かけた夢に溢れるラスベガスに行こう!
と決心し、ヒッチハイクで向かう道中で、様々なことに巻き込まれて…
といったストーリーです。

序盤はストーリーは伏線を張るための流れなんだけど
クロエのかわいさがスクリーン全開に展開されることで
映画としてのルックは抜群。
特に誕生日にもらった拳銃を持って、
鏡の前でポーズをとるシーンはMurderer感ビンビン。
家を出たときには、夢を持ち、
1人でなんでもできると思っていた彼女が
数々の出来事を経て、人に助けてもらうことは単純ではない。
つまり、「give & take」が伴うことを学ぶ姿は
見ていてオモシロかった。 (結果的は悲劇を生むけど…)

あと、この映画はラストシーンがかなり好き。
ここからはネタばれを含むボクなりの解釈なので
これから見る人はスルーしてね。
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最後、これまで行動をともにしてきた男に
監禁されてしまうんだけど、そこへ監禁先である別荘の管理人が訪ねてくる。
ここで、助けを求めればいいのに、ルリは助けを求めない。
その代わり、別荘においてあるパンフレットの中身について尋ねる。
そのパンフレットには「How to kill your own chicken」の文字が。
中身は鶏のさばき方なんだけど、ここはダブルミーニングだと考えました。
己のチキンハートをkillする方法。ではないかと。
最初は何でもできると思っていた自分が
結局自分では何も打開できないチキン野郎と
旅を通じて痛感しているように思えました。
だから、女性が助けに来たときも最初は拒む。
その後、銃を巡って一悶着あり、ルリは男を銃で殺してしまう。
ある種チキン野郎を卒業したとも言える。

別荘の管理人に助けられ、家に帰ろうとするけど
父はいないままで、母は家を売り払い、再婚することを知る。
帰ったところで何も変わらないことを分かりながら
帰りのバスに乗る。その道中である画を見たことで
バスを降りて、靴を脱ぎ、来た道を自分の足で逆走する。
(このシーンが綺麗でスゴい好き) 
そして、LA行きのバスへ乗り、希望に満ちたエンディングで終わる。
人に頼っているという点では
何も成長してないって言う人がいるかもしれないけど
今度こそ、彼女はあらゆることを踏まえて自分で選んだのである。
あきらかに最初のラスベガス行きとは表情も異なる。
ここまで説明したことは死ぬほどベタかもしんないけど
そのベタ感込みで好きだなぁと思いました。
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クロエタソが死ぬほど見れるから劇場で見た方がいいよ。

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