2015年7月31日金曜日

リアル鬼ごっこ


園子温監督がリアル鬼ごっこをReboot!!
という情報のみを頼りに見てきました。
元の小説や映画のリアル鬼ごっこは
全国の佐藤が狙われるという設定に対して、
園さんオリジナル脚本の本作はターゲットがJK
園子温節は最近リリースされた作品の中で最も濃厚で、
超自由に作っているんですが、その自由が行きすぎた結果、
お話としての出来は散らかりすぎでちょっと…
ビジュアル的に好きな部分は多いので、
映画館で見て良かったとは思います。
主人公はトリンドル玲奈演じるJKのミツ子
彼女が修学旅行でバス移動中に周りの女の子が皆殺しとなり、
そこから得体のしれないものから逃げ続けるものの…という話。
冒頭キャッキャしてる様子から、
すでに何かが起こる予感はするんだけど、
それを遥かに超えた事態が発生し、
フォ~!と叫びたくなる出だし。
全編に渡ってバイオレンス描写炸裂しまくりで
安定の園印と言えると思います。
(あとはパンチラ&そのパンツが全部白とか)
ただ、本作で園監督らしいなと思ったのは、
ひたすらJKが走っているということ。
物語の半分以上は走っている。
鬼ごっこという設定は最後まで明らかにされない、
それゆえの演出だとは思うんですが、
得体のしれない恐怖からの脱出表現として
「走り続ける」というのは面白い。
女の子を走らせる描写は園監督が得意なところ。
本作ではドローン撮影が多用されていて、
俯瞰ショットや森の中での躍動感あるショット等、
効果的だったと思います。
また前半にあるJK4人による森の池でのシーンも印象的。
物語のテーマやメッセージを登場人物に言わせる
演出は基本的にダサいと思います。
しかし、そのメッセージ自体が抽象的で、
「シュールに負けるな!」というもの。
すぐに分かるようなものではないがゆえに、
くどくないし、映画見終わっあとに意味がよく分かる。
つまり、かっこつけてないでバカなことをやろうぜ!
っていう大ボケのスタンス。
トリンドル玲奈が主人公なんだけど、物語が進むにつれて、
中身は同じだけど見た目が変わるという展開があり、
そこで出てくるのが篠田麻里子と真野恵里奈。
中身は同じ人間という設定に無理が出てしまうくらいに
素人目に見ても演技レベルに差が…
とくに麻里子様はキツくてアクションで映えるのは分かるけど、
残る2人と比べてしまうと厳しかったです。。
逆にトリンドルは本当に素晴らしかった!
ハーフの見た目も伴ってアメリカのB級映画みたいに、
かわいい女の子が理不尽な目に合うっていうのは好きだし、
なにより怖がり方と走り方が良かったな~
本作には徹底して女性しか出てこないんですが、
ラストにマチズモの象徴として斎藤工が出てくるのは笑いました。
けれど物語の収束のさせ方がスムーズじゃないんだよなぁ。
風呂敷を広げまくった挙句グチャグチャに畳まれると、
今まで見たものはなんだったんだ!というガッカリ感が否めない。
現在自主映画を製作中らしいので、そちらに期待!

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