2015年7月12日日曜日

ハッピーエンドが書けるまで



きっと、星のせいじゃないと同じ監督である
ジョシュ・ブーンということで見てきました。
本作がデビュー作で、アメリカでは2012年の公開。
きっと〜と同様、アメリカティーン恋愛ものなんですが、
断然こっちが好みでした!
本好きの僕にとっては物語の中心が本ってこと、
大人の目線が含まれていて良かったです。
原題はStuck In Love.(邦題も好きです)
主人公はある家族で、構成は 父、姉、弟の3人。
小説家の父は離婚して2年近く経つものの、
奥さんのことが忘れられず、
近所にセフレはいるもの、前に進めないでいる。
姉は作家志望の大学生。
作家としての経験を積むためなのか、
男性と深い仲になろうとはせず、
一夜のアバンチュールを楽しむb*tch気質の女の子。
そんな中で同じ作家志望の同級生と恋に落ちていく。
弟は高校生でいわゆるNERD(マリファナ吸いまくりだけど)
クラスに好きな女の子はいるものの、
彼女にはジョックスの彼氏がいる。
こういった3人の恋愛模様を描きつつ、
家族の再生も並行で描かれていきます。
冒頭3人の人となりをざっと紹介していくんですが、
父の情けなさ、姉のインテリb*tchっぷり、
弟の素直な恋と三者三様でツカミはOK
感謝祭から物語は始まり、
父と息子(弟)で料理するシーンがあるんですが、
美味しそうだし、料理、食事の過程で家族が見えてくる。
ここで父は妻の席を設ける未練タラタラっぷり。
情けない男ではあるけれど、2人の父であり、
作家としてのメンターでもあるので、
自分のことを棚に上げて2人には威厳をもって接する。
とくに息子に対して放つセリフが面白くて、
「作家として必要な経験は20歳までに得る」
と言い放ち、彼に積極的に学園生活を楽しめ!
と指南するのが笑えました。
姉、弟の恋物語は王道な話でした。
とくに弟の方がベタ
個人的には姉のエピソードが好きで、
しかも恋する相手は傑作ウォールフラワー
一躍有名となったローガン・ラーマンなんだから言うことなし!
はじめラーマンからアプローチするんですが、
自らの作家としての人生経験を優先し、
他人に心を許さず生きてきた彼女は戸惑う。
ダイナーでの好きな本のくだりとか膝を打ちつつ、
甘酸〜と思いながらニヤニヤしてました。
あと彼女は父を捨てた母を憎んでるんですが、
安易に仲良くならないのも好感大。
出版記念パーティーで、
彼女の母に対する他人行儀な態度とか、
今となっては母側に感情移入する年頃なので、
見ていて辛かったです。。。
(ただ母が娘と不和な理由を自分以外にあると
父に問いただすシーンは、あん?って思った)
弟はあることがキッカケで彼女をゲトるんですが、
童貞喪失シーンが甘酸というかエロくてですね。
彼女はジャンキーでヤリ手な訳ですが、
彼にとっての童貞喪失の思い出と
同じくらい忘れられない体験にしたいということで、
クローゼットでのSEXを提案っていう…エローい!!
そして父のエピソードなんですが、
正直大人である彼が一番情けない展開になってました。
途中で一歩を踏み出すんだけど、
ひたすら未練タラタラで、奥さんを取り戻すための、
具体的な行動はとくに取らないんですよね。
過去の経緯から待ってるという言い分も
分からんでもないけれど、それにしてもなぁ。
でも結局皆ハッピーなエンディングだったから、
まーいっか!とは思いました。
冒頭の感謝祭シークエンスとの円環構造と、
微妙に役割が変わっているのがナイス!
そして、劇中で印象的に使われていた、
スティーブン・キングの電話出演のオマケも
それまでに種まきまくりだったので、
ノイズにならず自然にウォイ!と乗れました。
あとバードマンの中心に据えられていた、
レイモンド・カーヴァーの、
愛について語るときに我々の語ることが
本作でもfeatureされていました。
(いい加減に読まなきゃいけない…)
甘酸要素求めてる人にはオススメです。

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