2012年12月9日日曜日

ドッグヴィル



peko君にオススメされたもの、第2弾。
ずっと「ドッグウィル」と勘違いしてて
レンタルで検索かけても出てこないなーと思っていたら
タイトルを聞き間違いしてたというねw
以前は韓国映画のoasisで、なかなかの作品でしたが
こちらの作品も鬼ぶっとんでました。

監督はラース・フォン・トリアー。
ダンサー・イン・ザ・ダークで有名ですね。
最近だとアンチクライストも。(未見です)
この人の映画は、
世の中は救いのないものという映画が多いから
好き嫌い激しいけど
この世界、人間というもののある種の残酷さを
いつも見せてくれるので結構好きです。

この作品の何がぶっ飛んでるって、まずは物語が展開される場所ですよね。
どういうことかと言えば、ある広い空間(倉庫みたいな)があって、
そこが一つの街なんですよね。
んで、白線で街の作りが描かれていて、セットも最低限しかない。
舞台みたいな感じで、そこに映画カメラが入って
映画的な手法で見せてくれるという作り。
最初はなかなか入っていきづらいんだけど
徐々に自分の脳内で補填するようになって
いつのまにか物語に没頭してました。

ストーリーとしては、ある小さな村にニコール・キッドマンが逃げてきて
そこで彼女が果たす役割を巡ってのお話。
彼女はギャング、警察に終われている身で、これまで働いたことがない。
村の人々の日々の生活を助けることで身をかくまってもらうが
徐々に軋轢が生まれ…
という非常に抽象的な表現になったけど、まーキツいんですよ。
彼女が街に来るまでは、このドッグヴィルという村は
外の世界からは完全に孤立している。
そこへ彼女が来たことで、人の欲望が露になる。
最初は異物として取り扱うんだけど、
人が持つほんの少しの欲望を満たす存在として彼女を利用する。
彼女は働いたこともないから、労働の喜びを初めて知るし
街の人からすれば、これまで行き届いてなかったことが満たされるようになる。
まさにWin-Winの関係だから、非常にうまくいく。
でも、人間の欲望というのは際限がない。
あることが満たされると、次は…って感じでドンドン出てくる。
しかも、それを満たしてくれる人間の弱みをこちらが握っている。
こうなると、もうunstoppable.
ここまでの流れをジワーっと長い時間かけて、
人間の嫌なところを含めながら物語が進むと。
善悪の区別がグラグラさせられる映画で、
エンディングをどうとるかっていうのは議論の余地があると思います。
僕は彼女が最後の最後に取る行動に対して、
「き、き、鬼畜!」と思いましたが、見終わって
しばらく考えると鬼畜なのはお互い様で
どちらかと言えば、ドッグヴィルの住人のほうがたちが悪いのかも。
なぜなら、その鬼畜さに対して無意識だから。
ニコール・キッドマンは一旦acceptした訳だし。
あと村人の中ではトムって男が一番嫌いでした。
自分はこの街を相対化して見ていると思い込んでいるけど
結局は自分の欲望に負けてしまう。
あげく、それを彼女に指摘されて、彼女を排除しようとする。
性根腐っているで!こんなやつ世の中にいっぱいおるけど。

暗いけど、映画見て色々考えたい人にはオススメ。

2 件のコメント:

rakawa さんのコメント...

これ衝撃やったわ。。
アンチクライストも必見やで。
(怖いから昼間見た方がいい)

afro108 さんのコメント...

監督一緒って知らなかったんですけど、偶然一緒に借りてたんですよね。ラース・フォン・トリアーの呪い。