2012年9月30日日曜日

夢売る2人


西川美和監督ということで見ました。

「ゆれる」「ディアドクター」ともに邦画の中で、
かなり好きな作品なので期待フルスロットルで見ましたが、
ボクは過去2作のほうが好きだったかも。という印象です。
見た後の感じは園子温監督の「恋の罪」に似たような気持ちでした。

予告編から分かるように阿部サダヲと松たか子が夫婦役で
自分の店が火事でなくなってしまって
あることをきっかけに結婚詐欺を始めてしまう。
といったあらすじです。
前半はオモシロくて、後半になればなるほどシリアスさが増していく。
そんな中で主役2人の演技はとても良かったです。

阿部サダヲがやってることは最低だし、こいつに同情したくないけど
冒頭はかなりコミカルに描いてるし、さすがの阿部サダヲ!でした。
なんといっても松たか子がスゴかった。。。
演技もスゴいのは当然のこと、そこまでやるんすか!っていうぐらい
体を張った演技には本当にビックリしたし、良かったです。
とくに先ほど言った前半→後半の場面の転調は彼女の演技無しには
絶対成立してなかったように思います。

んで、なぜ今回グッとあんまり来なかったというかと
尺が長すぎたのが1つの要因かと思います。
色んなタイプの女性に結婚詐欺をしかけていくんですけど
ちょっとクドいというか。
それぞれクローズアップされてる女性はストーリーを進める上では
重要な役目を担っているのも分かるんですけど。
騙してカネを奪うっていう構造は同じだから飽きちゃう。
この点については人によっては分かれるかと思います。
でも、ウエイトリフティングの女性の話は
社会では大声で言われないことをハッキリ形にしたという意味では
勇気あるなーと思ったし、このシーケンスはかなり好きでした。

ラストは…うーん。。。松たか子のところは良かったけど
阿部サダヲのところは蛇足感が否めなかったかな。。
彼のその事件に対する対応とかその後の末路とかは
キャラがぶれてなくて良かった。

色々言いましたが、人の原作を使って映画を作るのが主流である
最近の流れに対して、原作を一から自分で作って監督までやるという
意気込みがホント素晴らしいと思います。
冒頭のシーンしかりですけど、映像の魅力もふんだんに盛り込まれてますので
是非に劇場で見て欲しい作品です。

帰りの電車で、かなりFATな女性とガリガリ男性のカップルを見たときに
一瞬色々勘ぐった私を許してください。


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