2023年12月5日火曜日

2023年11月 第5週

48 Hours by Ryder & Skepta

 SNSで流れてきてなんとなく聞いたらぶっ飛ばされたEP。SkeptaはUKのベテランMCで、そんな彼がRyderという19歳の若手プロデューサーと48時間で作成したらしい。もともとRyderがサンクラでSkeptaの曲のREMIXをアップロード、それを聞いたSkeptaがアプローチして実現。久しぶりに聞くサンクラドリームな一枚となっている。(そのREMIX自体はEPの最後に収録されている#skeptacoreシリーズ)エモーショナルとしか言いようがないビートの上で弾けるSkeptaのフロウが本当にかっこよくてずっと聞いてしまう。客演のDre Sixの歌も素晴らしくて、これをきっかけにグイグイきそう。好きな曲は”For You” めっちゃリリカルで以下のラインが今を反映している感じで好きだった。

Time is money and life is a movie, so don't forget to follow and subscribe Judge in the courtroom throwin' out years, while the pavement soakin' up tears Look around see everybody's head down, if it don't affect you then who the fuck cares? It's crazy

REVENGE by ShowyVICTOR

 2023年のRAPSTAR誕生の王者、ShowyVICTORのアルバムがリリース。RAPSTAR誕生で披露された曲が2曲収録されており、さすが王者!という内容でかっこよかった。RenzoとのShowy名義も含めて一番好き。とにかくビートのクオリティが高くてLil Yukichi, Puckafall, PULP K, dubby bunny, Zot On The Wave, MET as MTHA2など。特に意外だったのはPULP KのビートにKzyboostのボーコーダーが乗っている点。しかもFeatにSeedaで、そのバースも最近のSeedaのバースの中でもめちゃくちゃアツい系で滾った。VITORがリリックで繰り返し唱えているように正直誰も彼が優勝することは想像してなかった。しかし現実は彼が優勝したことで言葉が説得力を持ち、彼のことを信じるしかない!という構図になった点がかっこいい。”GENZAI”や”REVENGE”といった既発曲と新曲でしっかりアルバムとして構成されている点もヒップホップ愛を感じた。好きな曲はドリルの”This is the one” RENZOのfeatとしての存在感は最高。

ICON by Kaneee

 オーディション審査の段階で落ちてしまったけど、YZERRやZOTが才能を高く評価、そして彼が使用したビートのプロデューサーであるSTUTSからのアプローチで”Canvas”が完成、大ヒット!という一連の流れから、ついにEPがリリース。ワンヒットワンダーで満足せず、アーティストとしてキャリア積んでいこうとしている点が良い。STUTS, ZOTがビート提供している時点で彼の才能は保証されたようなもの。実際、”Canvas”のウェルメイドなビートとKaneeeのアプローチのケミストリーはたまらないものがある。フローとメロディは抜群の才能があるのは間違いない。英詞多めなので雰囲気は抜群にあるし。(”Demon”をNSW YOONがInstagramのストーリーでシェアしててグローバルを考えれば英詞の意味はあるよな〜と思った。)あとはリリックの練度が増せば。。。好きな曲は”Young Boy” 歌詞にRIZINの選手の名前あるの初めてかも?

7 by 7 & ZOT on the WAVE

 もう「正直ZOT、お腹いっぱいっすわ。」と言いたくなるほどのハードワーキングっぷりだが、どのビートも異様にクオリティーが高く市場を独占しているのがよく分かる1週間。いっときのBACHLOGICくらいの勢いになっている。今回の7のアルバムに対しては全曲ビート提供で彼の期待も窺い知れる。最近は7と同郷のHomunculu$がZOTと共作するケースが増えており、今回も全曲にHomunculu$が参加している。全7曲から構成されており彼女のカラーがよく伝わってきた優れた1枚目だと思う。Singing Styleな曲は”ねぇ”のみで、あとはラップにフォーカスしている点もトレンドにフォーカスしているいう印象。ただ彼女のSinging Styleの完成度はかなり高いので、正直もう1曲くらいは見たかった。あと方言を積極的に採用しているところが好きだった。和歌山弁のオモシロさがふんだんに楽しめる”WAKA”, “ゆーてるまに”の流れが特に最高だった。女性のラッパーが関西弁をリリックで使うのがとても新鮮で、たとえば「振れやん」とか。好きな曲は方言を含めワードプレイがたくさん楽しめる”ゆーてるまに”

Revive by Leisu,山田ギャル神宮 & izolma

 このジャケットで聞くのだいぶ抵抗あったけど聞いてみると、自分が若い頃聴いていたロックが再解釈されたヒップホップになっていてとてもよかった。音楽のトレンドには周期性があるけど自分の青春がこうやって若い子に再解釈されていくのは不思議な気持ちになる。山田ギャル神宮は声色がTohjiに似ているので、Tohjiが世界観を極めようとせずポップフィールドでステイしていたら?という世界線を毎度妄想してしまう。それくらいに山田ギャル神宮の完成度は高いと思う。APSTARにもエントリーしていたけど、ああいった既存の価値観で測られない良さが他の2人も含めてこのEPからは感じられた。そして若い子たちがこういうの好きになるということは時代は変わっていないのだなと思うし、こういったJの発露は本当に歓迎したいので、青春映画のテーマソングとか彼らが担う時代になればいいな。好きな曲は”Xchain”

#freekitsyojii by kitsyojii

 kitsyojiiが引退を発表してリリースしたアルバム。客演が豪華でJUSTHIS, lIlBOIのスキルMC二大巨頭が参加しているのに驚いたしRakon, ROH YUNHA, Street Babyという若手の勢いあるメンツを呼んできている。(今年のStreet Babyの客演仕事量エグすぎ!)ビートは直前のプロデューサーシリーズでも共演してたHDB4ACKとAlive Funkが手がけている。材料は揃っているけれど、引退をかけたアルバムとしての完成度はどうなのか?と言われると物足りなさがある。類型的なトラップサウンドばっかりなのがオモシロくない理由なのか、なんにせよどの曲もケミストリーがなく良い意味でも悪い意味でも80点くらいな曲が並んでいる、みたいな。インスタの投稿を見ると、曲へのレスポンスがなくて辛いと書いてあったけど、こうやって日本で聞いてレスポンスしている人もいるので、まだまだ活動を続けて欲しい。好きな曲は”Oh My Bonnie”

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