2023年7月12日水曜日

2023年7月 第1週

 今週も色々あったけど、なんといってもMACCHOとKREVAの邂逅が日本のヒップホップを長年聞いてきた身からすると本当にアガった。ZORNがひたすらKREVAに対して平身低頭を貫いてきたのは、この日のためだったのでは?と思わざるえないくらい完璧なインサイドワークで感動した。(KREVAへのマキシマムリスペクトは当然として)肝心の曲自体もスタイルウォーズかましまくり。己を貫くMACCHOとMACCHOの土俵に入り込む余裕さえ見せるKREVA。まあ端的にいって最高最高。そして、この邂逅を直前に的中させていていたポッドキャストがありますので、未聴の方は未来人の気持ちで是非聞いてみてください。ちなみに曲名までニアミスしてます。

YUHNWAY by YUHNWAY

 AP Alchemyの傘下となったWEDAPLUGG RecordsのYUHNWAYが久しぶりのアルバムリリース。セルフタイトル付けるのはかなり大上段な構えだなと思ったけど、ダンスミュージックを大いに取り入れた快作だった。ラップもできるし、ガッツリ歌もいけるので、ビートに合わせて最適解を引き出している感じだった。トラップ、ジャージークラブ、ドラムン、ネオソウルまで色んな要素を盛り込みつつ、それぞれのビートのクオリティが死ぬほど高い。featはラッパーのみでBlack nutの2人とKid Milliというガチっぷりからして信用できる。今年の隠れた名作だと思う。好きな曲はムードによって変わるけど、どストレートなメロウソング”Ibiza”

NOWITZKI by Beenzino

 韓国ヒップホップ界のレジェンダリーなMCの1人Beenzioがついにアルバムをリリース。往年のバスケ選手の名前をタイトルに掲げた作品はもう完全にAOTY級。いや2020年代を代表する1枚だと思うくらい最高だった。何か新しい雰囲気やサウンドとか特にないのだけど、何回も聞いてしまう…いくら練習しても身につかないセンスが炸裂しまくり!近年のTyler the creatorを思わせるサウンドの豊かさを感じた。分かりにくいけど、こういうのもヒップホップマジックが起きていると言えるような。彼なりの審美眼が明確にあり、それは有名、無名問わないfeatやproducerの招集からも分かる。後半のメロウな展開が特に堪らなく好きだった。中でもSlomがproduceした”Sandman”が好きな曲。

RED GROOVE by KOREANGROOVE

 KOREANGROOVEのGROOVE三部作?の完結編。三作の中で完成度一番高くて2000-2010年代のヒップホップを想起させつつアップデートした現代のラップのスタイルで新鮮に聞こえた。赤色だからか過去二作に比べてフロアライクなサウンドなのが良いし、かなりファレル味強いところも個人的にアガった。好きな曲はマリンバの音とフックが気持ちいい”MJ SLIDE”

ISSUES by CYBER RUI

 CYBER RUIのEP。コンスタントにまとまった作品をリリースしていてクオリティも落ちないのですごいと思う。サウンドのクールネスはこれまでどおり一貫して保ちつつリリックが熱を帯びている、このギャップがオモシロい。Pop Yoursのフィメールマイクリレーに呼ばれていないどうのこうのあるけど、彼女の世界観が明確にあり既存のヒップホップの枠を拡張する1人だと思っているので、このまま自分のやりたいことを貫いてほしい。グローバルな形で全員捲ってくるかもと思う。好きな曲はそんな気持ちも透けて見える”Monologue” くだらないもん baby suck it up!!

Blowout by John Carroll Kirby

 Stones Throwからハイペースで作品をリリースしているキーボーディストのJohn Carroll Kirbyの新作。日本では水原希子のボーイフレンドというのが話題先行するかもしれないけど、毎回作風が違って楽しいし今回は80sっぽさありつつパーカッションの多用が気持ちいい。特にヒップホップ聞いていると808疲れするので、こういう生楽器の音のハーモニーに癒される。好きな曲は”Gecko Sound”

Tony Allen JID018

 Adrian YoungeとAli Shaheed MuhammadによるJAZZ IS DEADシリーズの18作目。もう18作も出ているのか!という驚き。聞けてないのたくさんあるので聞いていきたい。それはさておき18作目はドラマーのTony Allenをフィーチャー。2020年に亡くなっているがその前に録音していた音源らしい。Fela Kutiとのコンビネーションが有名なアフロビートの元祖だけども、本作ではヒップホップのネタになりそうな刻みまくりのドラムブレイクをひたすらに叩きまくっていてめちゃくちゃ好き。ファンキーなドラムは無限に聞いてられるし、こういうディレクションできるJAZZ IS DEADはオモシロいプロジェクトだなとあらためて感じた。好きな曲は”Don’t Believe the Dancers”

Swells by K-LONE

Living Like There's No Tomorrow, But Killing Yourself In The Process by Laurence Guy

 まだまだ個人的な四つ打ちブームは過ぎておらず、その中でよかった2枚。いずれもUKのプロデューサーでアルバムになるとハウスだけではなく他のテイストの曲も入っているのでビギナーでも聞きやすい。特にLaurence GuyはInterludeを挟んで大きく二つの構成になっていて、後半はラッパーを迎えた曲になっているのでかなり好きだった。イントロとアウトロも凝っているし繰り返し聞いていた。

STILL PRETTY by Eem Triplin

 DJ Dahiのインスタのストーリーで知った。ペンシルベニア出身で最初はビートメイキングからキャリアをスタートし、$NOTとの楽曲制作で一気に名が知られたラッパー。声が特徴的でかっこいいしビートもメロウさがあって聞きやすい。先行シングルの”TELL ME IM RIGHT”のアウトロにスクラッチ入っててめっちゃアガった。この手のラッパーでスクラッチをこんなにフィーチャーしてる人あんまいないと思う。Dahi含めたヘルプありつつも全曲セルフプロデュースらしく分かってるなーと思う。好きな曲は”WASTED TIMES” 同じギターのフレーズをどこかで聞いたけど思い出せない…最近こんなんばっかり。

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