2023年3月28日火曜日

2023年3月 第4週

Can I Not ? by Cosmic Boy

 今週前半はKorean R&Bをまとめて聞いていた。そのうちの1枚でCosmic Boyというプロデューサーのアルバム。ど直球な韓国スタイルのR&Bもしくはkポップのバラードという感じ。個人的にはもうちょいレイドバックなノリが好きかも。ベストトラックは盟友OLNLを招いた“Life is good”

UNSTEADY by TRADE L

 Big Naughtyの後を担うh1ghr musicの若手筆頭株のTRADE LによるEP。昨年のアルバムもかっこよかったが、今回は特にメロディの美しさ、しっとり感といえばいいのか、R&Bにかなり寄せているように思う。”Die Tonight”みたいなラップと歌のバランスが個人的にはベストだと思う。(最近のBig Naughtyにあんまりノレないので、同じ方向には進まずヒップホップ性を残しておいて欲しい)好きな曲はRad Museumがパイセンとしてかましている”Body Language” Twerk!

MADE IN SEOUL by DON MALIK

 SMTM11で一部でプロップスを急激に失ってしまったDON MALIK のアルバム。すべてを取り返そうとするかのような原点回帰のアルバムであり、SMTM11で見たものはすべて夢だったのか…彼がポップサウンド、EDMサウンドでラップしたから嫌だったわけではなくシンプルにださい曲としか言いようがなかったわけだが、今作にはそんな駄曲はもちろん1曲も入っていない。レーベルのボスであるThe QuiettがHookを歌う”MADE IN SEOUL” のいなたい音と彼のラップからは覚悟を感じた。SMTM11で披露した鬼の60秒バースこと”Less Friends”は改めて聞いても2020年代の韓国ヒップホップの最高到達点だと思う。SMTM11が単なるファン層の拡大という意味だったと、ある種証明されたような形なので次の作品も楽しみにしたい。好きな曲は”Zeel2”

AP Alchemy : Side A

 Swingsが既存のレーベルをまとめあげたAP Alchemyがついにコンピをリリース。まさに錬金術というかいろんな才能が転がっていて、それらを組み合わせて新たな側面を見せてくれるいいコンピだった。ビートがいろんなパターンがありながら、それぞれちゃんとドープなのが並のコンピとは違う点。ヒット狙いに見える安パイみたいな曲が1曲もない。 それを象徴するのがMVもリリースされた”No One Likes Us” このスケールでDopeなことをやれている点がSwingsのビジネスマンとしての素晴らしいところ!もちろんこの曲がNo.1 favorite.

SCARING THE HOES by JPEGMAFIA & Danny Brown

 聞いててクラクラするとんでもない情報量で最高だった。これこそヒップホップマジックが炸裂している作品だと思う。ビートはJPEGMAFIAがSP404のみで作り上げたらしくサンプリングソースは日本のCMとかゲームとかまでごった煮になっていて、そこに重たいドラム。イカれたビートに叩きつけるような2人のラップがめちゃくちゃかっこいい。グチャグチャなことは誰でもできるかもしれないが、それを音楽としてカッコよく仕上がっているかどうか、それはもうセンスでありスキルで何かカバーできることはない。誰かの模倣ではルールは変えられないことを心底感じる作品。好きな曲は同名ゲームサンプリングの”Kinddom Heart Key”

Since I Have A Lover by 6LACK

 6LACKの新しいアルバム。サウンドのモードが明らかに変わっておりアコギを多用しているからなのか抜けのいい曲が多くて昔の作品よりも本作の方が好き。夜聞くR&Bってイメージだったけど本作は比較的シチュエーション選ばずに聞けると思う。好きな曲はドリルなドラムパターンのノリと上音のアトモスフィアが最高に気持ちいい“Talk”

Ways of Knowing by Navy Blue

 Navy BlueがDef Jamからアルバムをリリース。総合プロデューサーにBudgie Beats、一部楽曲にはOm’Mas Keithがプロデュースしているからか、ビートが以前よりも比較的ポップで聞きやすくて好きだった。朴訥なラップでレイドバックしているフロウを聞くと、結局こういうのが好きなんだよなと納得した。改名を予定しているらしく次はまた別の側面を見せてくれそうでオモシロそう。好きな曲はレゲエトラックで愛を歌う”To Fall In Love”

To See A Sunset by Kota the Friend & Statik Selektah

 今週大量のリリースがあった中、友人とも意見が一致したハイライトはこれ。何も新しいことはないかもしれないのだけど、Kota the Friend & Statik Selektahはマジックをこのアルバムで完全に起こしていると思う。手垢つきまくりの「ブームバップ」だとしてもラップとサウンドのアレンジでこれだけ新鮮に聞かせられるのは本当にすごいと思う。好ききな曲はサックスが印象的な”Elevator”

SURF OR DROWN by Hit-Boy

 先行曲でハレーションを起こしたのちにアルバムリリース。マーケティングだったのか?と勘ぐりますが内容はもちろん最高。ビートはもちろんのこと彼はラップもしていてそれも結構好きだった。NASとのアルバムでもドリルをチラ見せしていたけど本作ではさらにドリルビートは増えている。トラップよりも音の刻みが細かいからビートメイカーがドラムパターンやベースの置く位置で色を出しやすいと思っている。だからHit-Boyのドリルだなという感じがする。とはいえ好きな曲はやはりサンプリングど真ん中でドリーミーなムードが最高の”Tony Fontana III”

Exodus the North Star by Yaya Bey

 前のアルバムのアウトテイク集かと思うくらいジャケがそっくりなYaya Bey新しいEP。いわゆるネオソウルの枠に入ると思うけど、本作は最初の極上ラバーズR&Bな2曲で勝負あり。超メロウで何回も聞いていている。特に朝これ聴きながら準備するのが春の陽気もあいまって最高に気持ちよいと思う。甲乙つけがたいけどタイトル曲の”Exodus the North Star”が一番好き。

Noir Or Never by Che Noir & Big Ghost Ltd

 ラップを語る切り口として「フィメール」があるが、もう不要なのでは?とこういうアーティストの曲を聞くと感じる。NYバッファロー出身のMCでサンプリングベースのDOPEなビートでスピットしまくりでめちゃくちゃかっこいい。
 イントロ経ての実質1曲目”Resilient”の冒頭”Look, I could never slave in a office So I had to take a risk, only pressure made for the bosses” からして最高。最近聞き始めたポッドキャスト番組OVER THE SUNでResilientを「負けへんで」と意訳されてたのとリンクしててアガった。

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