2021年3月1日月曜日

2021年2月 第5週

2月22日
 有給休暇。朝から川崎で映画を見る。「すばらしき世界」西川美和監督最新作。メイキングエッセイを読んで準備万端で見たのだけど、めちゃくちゃオモシロかった。コロナの影響で映画館へ行くの超久しぶりだったけど、久しぶりに見る映画がこの作品で本当に良かったと心底思えた。元ヤクザで殺人罪で服役していた男が十数年ぶりにシャバに出てきたとき世界とどう対峙して生きていくか?という話。普段ニュース、ネット、人との会話などで何となく認識ししている今の日本社会の残酷さをデフォルメして描いているところがとても興味深い。人と違うことが足枷になってしまう場面を何度も見せられて正直ウッとなってしまうのだけど、そこを乗り越えていく主人公の三上の真っ直ぐすぎる姿に心打たれる。特に夕焼けのグラウンドでまるで祈るようなシーンは泣いてしまった。日本社会で「上手く生きること」が何なのか?を目の前に突きつけられている。じぶんが不幸なときに弱者に対してそのストレスを発散するのはどう考えてもおかしい。そんな光景のつるべ打ちに辛い気持ちになると同時にやっぱりおかしいことをおかしいと言う人生でありたいと思う。そこ我慢して生きる人生に価値があるのか?と問われている気がした。あとは寛容さ。どこまで許せるのか?


 スタバ寄って映画の余韻に浸りつつ最寄駅から歩いて帰る。道中、WREPを再生したらZEEBRAの番組にweek dudusが出演してた。何度も出自(家族のこと)を質問するジブさんにちょっと抵抗あったし聞くこともっとあるやろ…と思ってしまった。このインタビューもアーカイブされていかないから、その場で流れて終わりなのは勿体ない。(week dudusが姫路にきたジブさんにフリースタイル仕掛けたとか)と小言ばかりになってしまったけど気軽にヒップホップ中心の生番組聞けるようになったWREPの功績は超偉大だと思います。
 一旦家に帰ってから本を返却するため図書館へ。帰り道のパン屋でお昼ご飯買って家で食べた。チキンタツタサンドといちごクリームパン。血糖値が一気に上がりすぎて強烈に眠くなるけど何とか堪えてSMTM8準決勝が英訳されたので見た。EKとBig Naughtyが圧巻のステージングだった。featの力もあるかもしれないけど残りのラッパーとは別格だった。それだけにEKの結果が納得できず…一方でTakuwaが勝ったのは韓国におけるHIPHOPリテラシーの高さを感じる。日本なら絶対JJANGYOUが勝っていたと思う。決勝の翻訳を気長に待ちたい。
 夜ご飯はあんかけ焼きそば。野菜たくさん取れるし固い麺があんで柔らかくなる感じがとても好き。今週分の日記からNotionで書いている。横にあるカラム分けでかなり視認性が良くなってるし入力もツルツルで良い。Paperの場合、長時間入力していると「オフラインになりました」と出ることがあり、すぐにオンライン復帰ボタンを押していたけど知らずのうちにストレスになっていたことに気づいた。

2月23日
 朝起きたらDaft Punk解散のニュース。One more timeが一番有名だと思うけど、ディスコ/ブギーの復権を高らかに打ち立てたRandom Access Memoriesが一番好き。久しぶりにCDで聞くと懐かしくて新しい当時の感覚が蘇った。彼らは1つのジャンルに閉じているというより、彼らが今どんな音楽に興味を持っているか?が1つの好きなポイントだったので解散は本当に残念。でも再結成しそう。
 奥さんの買い物に同行して外出。久しぶりの店でカツカレーを食べた。その店でテレビが流れていて菅首相の息子と総務省官僚の接待の話が延々と。クソニュースだなと思うけど、息子が元キマグレンのメンバーとバンドを組んでいたという香ばしい情報が好きだった。
 Takeoneのアルバムが出るらしいという話を友人から聞いて楽しみやなーと言っていたら夜にdingo freestyleに登場。かっこいいとは思っていたけど、今回のでまた印象が変わったというか、めちゃくちゃかっこいいな!言語化しにくいのだけど一緒にレーベルやってるLil boiに近くて何でもできて安定感抜群って感じかな?この流れでGreen Idiologyという昔のアルバムを聞いたのだけど、それまた素晴らしく、色んなタイプのビートを余裕で乗りこなしている。2016年リリースだけど全く古びていない。

2月24日
 4連休明け。まったく仕事に対してモチベーションがない。以前に友人とポッドキャストで話したけど仕事に何を求めるのか?を真剣に考えないといけないなーと思う。来年度は組織も変わるようなので、そこで心機一転できればいいのだけど。
 All The Light/GRAPEVINEのアナログが届く。奥さんが好きで教えてもらったGRAPEVINEをすっかり自分も好きになっていて特にこの最新アルバムは好きな一枚なのでアナログを買った。アナログは音の迫力が違うな~という知ったか顔で聞きながら仕事していた。
 寝る前に幸福な監視国家・中国を読了。中国のITレベルと監視の関係性、さらに思想に至るまで網羅的にしれて勉強になった。

2月25日
 久しぶりに天下一品でお昼。半年に1回くらいでちょうどいい。その後シェアオフィスで初めて仕事してみた。椅子とか机とかモニターとかしょうもなさ過ぎて、あんまり良くなかった。でも立地がいいので数時間単位で集中するのであれば使えそう。
 仕事終わりに「花束みたいな恋をした」を鑑賞。お話自体はなんてことない恋愛物語だけど、日本/海外問わずにカルチャーの固有名詞がつるべ打ちされていい意味でも悪い意味でも死ぬかと思った。2015年から2020年にかけては自分自身も積極的にカルチャーを摂取していたこともあり出てくる固有名詞の多くに見覚えがあったから。多くの映画では登場人物の接するものは背景でしかないゆえに架空のものが作られるわけだけど本作はすべてが実在している。それはカルチャーに限らず地名もスーパードライもLINEも。映画における嘘の要素を限りなく排除して固有名詞を配置するだけでこんなに生々しい話になるのは1つの発明だと思う。あとは坂元裕二の言い回しが連発しまくりなので、それだけで楽しい。「オリンピックは広告代理店じゃなくて選手がやるんだよ」とか。冒頭のイヤホンの話はアナロジーとしてもオモシロいし恋愛映画の定石をいきなり崩す宣言になっているようにも感じた。あとはカルチャーを愛すること、社会で生きていくことを二項対立にしているのが怖かった。この2つが成立しないような見え方がするし、パズドラとショーシャンクの使い方は悪意に満ちていて、有村架純と菅田将暉目当てでこれを見に来た人たちはどう思うのだろうか。帰り道、奥さんと合流して寿司を買ってビール飲んで巨人芸人を見てから就寝。

2月26日
 基本的にメールでしかやりとりしてないので少しでも手を抜くと仏頂面なメールになってしまう難しさを最近感じている。かといって年齢は一番下なので変に馴れ馴れしいとナメてる感でるし未だにちょうどいい塩梅が分からない。
 昨日から聞いているBig Naughtyの新譜がめちゃくちゃかっこいい。シンギンラップは世に跋扈しているけど独特のメロディとフロウがクセになる。(Achoo REMIXのときも「そのアプローチなに?!」って感じだった)先行シングルのWonsteinとの曲はファンキー系だったけど、やはりメロウ路線に弱いので「Frank Ocean」が好き。GrayがProduceした「Bravo」もよかったけどFeatのCoogieとGrayのコンビネーションが無敵すぎて…Dingo Freestyleも鬼な仕上がりでライブとは思えない安定感。いわゆる今っぽいラップのフロウも披露しているけど、あくまでそれは「こういうのもできますけどね」みたいなかましで、アートとしていい曲作りたいのだなと今回のEPを聞いて感じた。


2月27日
 今日は埼玉まで内見。ペット飼えて綺麗目な感じ。写真で見るよりも広くて最近見た中では一番よかった。周辺は何もないけど少し歩くとターミナル駅あるし不便はしなそう。しばらく悩むことになりそう。引っ越しするとなると、その手間/コストを乗り越えるような物件が必要なんだけど今住んでるところにある程度満足しているので難しいと感じている。とはいえほとんど会社行かないし都会いる意味とは?となっているのも事実なので真面目に考えたい。
 Lil BoiのSMTM9優勝で得た新レーベルが始動して、Lil Boi×Wonsteinでシングルをリリース。Produceはslom。MVは映画オマージュてんこ盛りって非の打ち所がない!と友人と盛り上がっていた。Bruno MarsとAnderson Paak.のコラボが話題になっていたけど、彼らもそういう価値観でヒップホップやっていて本当にかっこいいなと思う。

 Toro y MoiのUnderneath the Pineがリリースされてから10年経ったらしく記念にインスト版がリリースされていた。彼のボーカルが入っていないと全く別の音楽に聞こえるのが新鮮。そして10年前とはとても思えない。これは普遍性を持っているということなのか、時代が一回りしているのか。インストだから作業BGMとしてもおすすめ。

2月28日
 前からプレイしたかったSwitchのゼルダを購入してついに始めた。(花束の影響大)FORTNITEと多少操作が違うけどその辺はすぐ慣れそう。自由度の高さは冒頭から感じていて、広大なフィールドに放り出されて何でもできるのは驚き。ロールプレイングゲームを最後までクリアしたの記憶にないくらいの素人なのでゆっくり楽しみたい。あっという間に時間溶けていく系なので気をつけたい。(どこでもセーブできるのが救い)
 夜ポッドキャストの収録。2週に1回が無理ないペースなのかも。今回は映画の話中心だけど見た人は楽しめるかと。寝付けなかったので軽く日記書いてから寝た。

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