2019年10月14日月曜日

2019年10月 第2週

10月7日
急に寒くなって驚いている。
昨日録音しておいたKREVA出演の
Sound Creators Fileを聞きながら出勤。
前半でキャリアの振り返り、
後半はBefore Aftermixtapeという企画。
全体的に面白かったけど特に後半は
パラデータを流しながら、
1つ1つどんなこだわりを持って選んだり、
演奏しているかを語るという変態企画で最高だった。
あとは全曲バンドで撮り直した
成長の記録に関する言及も興味深くて、
リリースされたときは全然聞く気しなかったけど、
こだわりポイントを聞いてから聞くのは楽しい。
「基準」のバンドアレンジ、
両方の耳で鳴っているギターの音が違うらしく、
片方はバンドメンバーの演奏、
もう1つはOASYSのギターシンセを
MPCにチョップして入れて演奏しているらしい。
今月は毎週あるそうなのでしばらく楽しめそう。
あと今日寒かったから満を持して
誕生日プレゼントでもらったヘッドホンで通勤したら、
ノイズキャンセルで周りの雑音消えて、
超ハイクオリティな音楽流れて無敵といった感じ。
電車では本を読みながらRobert Glasperのmixtape聞いた。



ラッパーの人選が今ならこのメンツ!

という個人的な好みがモロ被りで最高最高。
MIXTAPEでざっくばらんに色々詰め合わせなことを
まとまりがないと言うのか、
色んな味を楽しめていいじゃん!と思えるのか。
昼休みにへらへら坊ちゃん/町田康を読了。


へらへらぼっちゃん (講談社文庫)
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大学の頃に先輩からレコメンされて、
告白を借りて読んだような気がすると思って、
昔つけてたbooklog見たら、
2011年4月9日に読み終わってた。
こういうの見るとマメにログ取っておくの便利だなと思うが、
この日記はログ確認としてどれだけ機能するのだろうか。
とにかく、その当時はまだまだ理解できてなかったであろう、
町田康の言語感覚の鋭さに完全に虜になった。
この超関西弁というか、真似したくなる口調と
ワードセンス、句読点の位置とか全部が合わさって、
この人にしかあり得ない文体になっている。
あと冷蔵庫大きなやつ買うのは人生を狭めているという、
屁理屈に近い論理がオモシロくて、
あらかじめ決まった材料でしか料理が作れない、
食べることができる料理の選択肢を減らしている、
つまり人生が狭くなっているという。
これ1つ取っても信頼できるなぁと思える。
膨大な量の著作があるので、しばらく困ったら
彼の作品を片っ端から読んでいきたい。

10月8日

KREVAのSound Creators Fileがオモシロかったので、
他に誰出てるんかなと思ったら、
Grapevineが出てたので朝聞いていた。
めっちゃオモシロい。
奥さんが好きで前から好きだったんだけど、
キャリアがかなり長いので、
グループの全体像を掴みきれてなかった。
こんな感じでバンドメンバーが
長いキャリアのサウンドを解説してくれるの
めっちゃ助かるなーといった感じ。
Over it/Summer Walkerで通勤。



個人的に6LACKがfeatで参加している、

R&Bシンガーはハズレなしという法則があり、
今回もそれに該当している内容だった。
EPも調子良かったし、今回はがっつりR&Bという感。
お昼、文庫本もないので会社周りを散歩していた。
都会なのに空が広い、稀有な場所だなと改めて。
散歩のBGMはWilcoでオーソッドクスなロックが、
今朝のGrapevineの影響もありグッとかっこ良く聞こえる。



変わらないために変わらなければならない。

というキャッチコピーはどこで見たのか。
この辺りの音楽って区別つかない。
帰りにアンガーコントロールの本を図書館で借りた。
通勤中に読もうと思っていたのに、
まさかの大判だったので家で読むしかない。
自己啓発本を読んでいる人を散々バカにしていたけど、
人間追い込まれると手段を選ばないんだなと思う。
もしくは大人になったということなのか。
帰りにケンタッキー買って帰宅。コールスローは自作。
Primeビデオで、突入せよ!あさま山荘事件を鑑賞。
GYAOで11月中旬まで無料で見れる、
一体どんな時代 …→リンク
安定安心の原田眞人監督作品。
山本直樹のレッドという漫画を読んで、
連合赤軍周りの話の理解が深まった中で、
あさま山荘事件をダイナミックに
表現していてオモシロかった。
日本のいちばん長い日でも同様の手法だったけど、
日本の官僚システムの矛盾を滑稽に描いている。
目の前に危機的な事象があるにも関わらず、
どこまでもプロトコルやメンツを大事にして、
最適解に到達できないもどかしさ。
それを打破していくのは個人の強い意思ですね、
ということを確認するような映画だった。

10月9日

朝から華麗に電車寝過ごした。
フレックスで遅刻という概念がないから、
行く時間が4月からどんどん遅くなっている。
もう9時半出社にしたい。
久々に海外の人と打ち合わせに参加。
末席で傍聴みたいな感じでコンテクストが
理解できてないにせよ、
このままだと良くないなーと思った。
と同時に可及的速やかに英会話が必要とされないので
勉強への意欲が湧かない。
もう何年も悩んでいる。
帰り、遠きにありて/西川美和を読了。



遠きにありて
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西川 美和
文藝春秋
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Numberに連載されていたコラムのまとめ本。
広島出身で広島カープに対する複雑な愛情や
野球に限らない色んなスポーツとの距離感の話を
余すことなく書いていてオモシロよね。かった。
当然映画も好きなんだけど、
西川さんの文章もめっちゃ好きで心打たれまくった。
歳を取ったからかウルルポイントをバシバシ刺激された。
スポーツは勝者と敗者が明確に存在するがゆえに、
それぞれが重い物語を背負っていることを痛感する。
普段の仕事がファジーなので、
その残酷性に興奮するし感銘を受ける。
同じ事象を見ていたとしても西川さんの切り口があって、
スポーツ好きにはオススメしたいエッセイ。
一旦、家に帰ってからTジョイPRINCE 品川で、
宮本から君へを鑑賞。


友人の後輩に漫画を借りて、
そのオモシロさに衝撃を受けて、
ドラマ版も楽しんで満を持しての映画版。
日本映画史上最高カロリーの映画だった。
あまりにもカロリー高過ぎてレイトショーで見て、
24時前の電車で帰りながら、駅から家まで歩きながら、
もう眼がギンギンで超興奮状態で帰ってからも
なかなか寝付けなかった。そのぐらいのエネルギーがあった。
とにかく主演2人の演技がぶっちぎり過ぎて、
シリーズを追いかけなかったとしても、
その演技相撲を見るだけでも十分価値がある。
かなりウェット方面なので苦手な人がいるのは分かるけれども、
そのウェットさこそが宮本から君への魅力。
理屈を超えた先にある本能が、
映画に刻印されていることに感動した。
ドラマ版が陽だとすれば映画版は陰。
鬱屈な世界が延々と展開されて、
本当に絶望するしかない、世界に救いなんてない。
そう思ったとき宮本だけはあきらめてない。
それこそ「いききっている」
なんでもすぐに調べて相対化できる社会において、
宮本の絶対性が例えバカに見えたとしても、
異常なまでに愛おしく思える。
ひたすらに暗いトーンで物語が進んでいく中で、
最後の戦いの場面は漫画史に残る唯一無二のシーンなんだけど、
ディストラクション・ベイビーの真利子監督ゆえに
原作に相当肉薄していたと思う。
誰もが負けられない戦いは人生に一度や二度必ずあるはず、
そのとき宮本のことを思い出して奮い立つことができる。
ドラマシリーズで使われていた、
MOROHAの革命にあるこの歌詞が映画を象徴していた。

馬鹿にされないくらい馬鹿になりたいよ

10月10日
昨日夜遅かったのでテレワーク。
1ヶ月遅れで橋本徹のミックスをチェックしていた。
知らない新譜てんこ盛りだったな〜


お昼にUber eatsで月見バーガーを食べた。
誰にも邪魔されないから、仕事の密度も上がるし充実していた。
仕事を終えたから、「まだ、結婚できない男」を見た。
結局、結婚できたけどメンタル的には変わっていないので、
主人公の言うこと分かるわーという気持ちだった。
適当に冷蔵庫の残り物のご飯食べたあと美容院で髪切った。
ラジオの効果でGrapevineにのめり込む。
最近アルバム出るたびには聞いていたんだけど、
結局背景食いできるかどうかが
自分が好きになるバロメーターの1つなんだなと思う。
あとヘッドホンで聞いていると分かる、
大人だからこその音の豊かさがとにかく痺れる。

10月11日
丸の内ピカデリーのドルビーシネマでJOKER


ドルビーシネマ、音も当然素晴らしいけど、
黒の表現力が最高だった。
あれだけ真っ暗な状況で映画を見る機会は貴重な気がする。
映画自体は孤独を深めた男の行き着く先が描かれていて、
まー好きになるしかないですよねといった感じ。
エリート主義の跋扈が社会を腐敗させ、
そいつらを消せば自分の生きやすい社会になるのだと。
正論を唱えるのであれば彼は間違っているのかもしれない。
でも彼が辿っていく運命、
社会とのドアが1つ1つ閉まっていく過程を見せつけられると、
果たして何が正義なのでしょうか?と疑問を持ってしまう。
こういった社会に対してアンビバレントな感情を持ち、
悪のサイドへ向かっていくのを体現する、
Joaquin Phoenixの演技がもう…本作のすべて。
彼じゃなかったら、というのが全く想像つかない。
演者でいえば Robert Deniroが出演していて、
 NYを模したゴッサムシティの話であることを考えると
Taxi Driverを想起するようになっている。
(日記を書いている、鏡に語りかける、
シミュレーションするシーンなどなど)
Travisも同じような誇大妄想家だったけど、
その鬱屈した感情がどこに向くのか?
TravisもJOKERも社会を浄化するという価値観を持っているけど、
JOKERは自分を捨てた側の人間へ復讐する
という方向に流れていってしまった。
ダークヒーローの誕生の瞬間を目撃した!
という満足感があったし、
終盤のRIOTシーンのカタルシスも半端なき。
バットマンシリーズをここから仕切り直すとすれば、
それは楽しみ。ダークナイトもういっちょ!
一緒に見にいった友人と銀座のkawara cafeへいくと、
周りほぼ全員合コンをしていた。
その中で仕事のことなど諸々話し飲みあげて帰宅。

10月12日
台風が来る日なので、その動向を見つつ
1日中延々ダラダラしていた。
特に家から多摩川が比較的近くて、
ライブカメラで見てたらみるみる水位が上がっていき、
「えっ、もしかして水位上がって氾濫する系?」
避難場所は遠いし3階だから大丈夫かなと思い、
戦々恐々としつつ自宅待機。
何もしてないと落ち着かないので、
冷凍したままだと食べれない肉系をあらかた調理した。
RIZINで朝倉海がさくっと勝ってしまって、
ポッドキャストで話していたことは幻想で、
朝倉海、完全にめちゃ強いんやなということに気付かされた。

10月13日
台風一過。快晴。
朝から延々と格闘技のOneの日本大会をAbemaTVで見ていた。
無料で見せてくれるの助かるな〜と思いつつ、
Oneの判定ルールに戸惑ったりした。
格闘代理戦争で優勝した2人には特に思い入れがあって、
両方とも綺麗に1本勝ちしたのは嬉しかった。
クライマックスシリーズの巨人vs阪神を付き添いで観戦。
序盤阪神が勝っていたけど、最終的に巨人が逆転して
日本シリーズが目の前で決まり胴上げも見た。
とはいえ試合結果とかに興味なくて、
ビール飲みながら球場のフード食べて、
人間観察するのが僕なりの野球の楽しみ方になっている。
野球というコンテンツは信じられないくらい、
多様な人々を惹きつけている。
それぞれの温度感で野球を見に来ていて、
応援する雰囲気から滲み出る人間味を見ていると飽きない。



試合終わって帰宅後、NETFLIXで愛なき森で叫べを鑑賞。


園子温監督×実在の猟奇的事件という鉄板の組み合わせ。
ゆえに期待が高まりすぎた結果、正直ちょっと…という感じだった。
映画を作る青年という園監督本人に寄せた登場人物を
事件に混ぜ込んで映画作りと殺人事件を重ね合わせるのは
確かにオモシロイなーと思ったんだけど、
全体的に少し冗長だった。冗長なのが園子温監督の持ち味で、
それがマックスで生きたのは愛のむき出しだと思っているんだけど、
あの体感を忘れられないから物足りなく思ってしまう。
とはいえ本作の椎名桔平は間違いなくキャリアハイ。
弁の立つ気持ち悪さを体現していてグッときた。
園子温監督とNETFLIXの相性は間違いなく良いと思うので、
これからもガシガシ作って欲しいなと思う。
深い時間に見たので頭クラクラしたまま就寝。

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