2019年3月4日月曜日

2019年3月 第1週

3月1日
大阪出張。午後から打ち合わせだったので午前中移動。
移動中に海辺の生と死をNETFLIXで鑑賞。



来週奄美大島に行くので、
それっぽいやつ見ようと思って見てみた。
濃厚に生と死が刻印されている映画だった。
戦時中の特攻兵隊長と女性の先生との恋。
ワンショットでとても大胆な間の取り方をするので、
映画館で見ないとなかなか集中が持続しなくて、
寝たり起きたりして見ていた。
逆に映画館で見ていたら
もっと迫真さを感じれたのかもしれない。
とはいえ本作の満島ひかりが完全に別次元というか、
彼女以外にこの役を誰ができるのか?そう思えた。
午後はがっつり打ち合わせ。コンプラとビジネスのバランス。
大阪の片田舎から京橋にライドンして久々の友人とモツ鍋。
しばらく会ってなかったから積もる話もあり、
4時間くらい飲んでベロベロになりながらも
何とか無事に家に辿り着いて即就寝。

3月2日
とりあえず映画見たい気持ちで
必見案件が色々公開されているのでスケジューリング。
まず1作目はGreen BookをTOHOシネマズ梅田で鑑賞。



アカデミーで作品賞を受賞したからか
一番デカイいTCXで見ることができた。
異端者同士が旅を通じてお互いを理解する、
既視感ありありの設定でこれだけwell madeな
作品になっていてオモシロかった。
人種問題が今よりもシビアな頃に
お金ではなく自分のプライドのために
ストラグルしようとしたピアニストの心意気と
それと相反する自分のアイデンティティの分裂。
人種のステレオタイプを使ったギャグを通じて
互いの理解が深まっていくという描き方は良しとして、
現実社会ではセンシティブな問題だから、
その辺りのバランスが難しいなと思ったり。
とはいえ無理解だった者同士が互いを理解し
尊重するようになるという意味では良かったと思う。
十把一からげに「〇〇人」という物言いで
何かを規定する意味がないことを高らかに宣言しているから。
次の映画まで時間があったので散歩。
扇町公園あたりまで歩いた。
移動中の耳元はWhen I Get Home/Solange



前作の続きといっても過言ではない、
新しい音楽像で春っぽい今日の陽気とぴったり。
PopsでもあるしR&BでもあるしSOULでもあるし
HIPHOPでもあるし。
インスタントではないかっこいい音楽だと思う。
こういう音楽が聞けるからこそ
新譜をチェックし続けることに意味があると思っている。
公園近くの目当てにしていたカレー屋で
美味しいカレーを食べた後、
ステーションシティシネマで
If Beale Street Could Talkを鑑賞。



それでも人生は続いていく。と言いたくなるし、
James Baldwinの小説を下敷きにしているからこそ、
極めて文学的な映画でめちゃくちゃ好きだった。
Green bookを見た後だからか本作の生々しさが余計に響いた。
つまり人種の話は美談になるようなものではないということ。
とにかくスクリーンから伝わってくる、
世界の美しさ、その逆の残酷さ含めて全てが雄弁。
今回は人物の正面からのショットがとても印象的で
まるでこちらに語りかけられているような気持ちになり
当事者意識が芽生える作りになっていた。
あと印象的だったのはダニエルとのトーク。
Atlantaのイメージがあったし彼の陽気な雰囲気から、
一転した超重い雰囲気になり、
あるきっかけで一気に緊張から解放される瞬間が
映画のめり込んでるなーとゾクゾクした。
物語を通じて描かれるのはクソとしか言いようがない、
世知辛い現実なんだけど、
世界はそれでも美しいと思えてしまう、
このアンビバレントさが人生なのかと。
Moon Lightと同タイミングで脚本は書かれたようで、
次のフェーズはどんな作品を見せてくれるか楽しみ。
新しい店舗になったAlffo Recordsでレコードチェック。
前から欲しかったApricot Princess/Rex Orange Countyと
Lemonade/Beyoncé をゲットした。
このLemonadeが破格でmp3/VideoのDLコードついて
180gの2LPで3000円。
まだ持っていない人は間違いなく買った方がいい→リンク
あとそこで教えてもらった
Wicca Phase Springs Eternalがバリバリかっこよかった。



インディーロックとヒップホップの素敵なマリアージュ。
哀愁感あるギターと退廃的な歌詞、サブベースがあれば
今は何でも好きになってしまうかもしれない。
いわゆるエモ系に最近めっぽう弱くて刹那的な魅力に惹かれる。
ビールも飲めるようになっているので飲んで色々ダベって帰宅。

3月3日
華麗にグリーン車で帰京。I'm a 出張貴族。
新幹線で82年生まれ、キム・ジヨン読了。

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)
チョ・ナムジュ
筑摩書房
売り上げランキング: 98

超話題の一冊で楽しみにしていたけど、
完全にアップデートされた新しい小説だった。
タイトルどおり82年韓国生まれの女性が主人公で
彼女がどういった人生を生きてきたのか?という話。
この物語の何が画期的かといえば、
具体的なのに普遍性を持つということ。
つまり、ある1人の女性が経験した韓国の男性偏重社会を
描きだすことで強烈な普遍性を生み出している。
今の時代っぽいというか個人の経験が
ダイレクトに伝わりやすい時代だからこその表現。
小説という形にはなっているけど、
描いている背景自体はすべて実際の話となっている。
韓国の話だからと他人事に全くならなくて
日本にもがっつり当てはまる女性に対する、
ある種のステレオタイプな見方を打破する言葉が
逐一かっこいい。なるべくミソジニーな
ポジション取らないように、
自分としては努力しているつもりでも
やっぱり男性として無意識に思ってしまうことを
ズバリ言い当ててくるから背筋が伸びる思いだった。
性差別的な言説は友達とか近い年齢の人からは
ほとんど聞かないけど会社の年配の男性とか
躊躇なく話したりするの聞くから、
そういうアンポンタンに
この本を煎じて吐くまで飲ませたいし、
男性は特に読んだ方がいいと思う。
帰ってから料理する気も起きなかったので、
近所のホルモン屋でジュージュー焼いた。

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