2019年1月1日火曜日

2018年12月 第4週

12月24日
メリークリスマス、ミスターロレンス。
起きてすぐに「バスターのバラード」



コーエン兄弟最新作。
6話の短編で構成されるオムニバス形式の映画で
前作はアイロニックモードが
あまりに強すぎて引いてしまったけど、
本作は映画的カタルシスをある程度伴ったアイロニーで、
割と楽しんで見ることができた。
とにかく景気よく人が死んでいく。
人生の訓話のようなエピソードが多いので、
死ぬこと自体も自然の1つでしかないという、
達観した視点が何とも言えない味わいを残す。
単なるアイロニーではなく動的なところが好き。
とはいえ「ノーカントリー」や「トゥルー・グリット」
「インサイド・ルーウィン・デービス」
といった傑作に比べると物足りない。
次くらい傑作が飛び出そうな気配はする。
外出するために最寄駅まで行くと、
駅前の子ども病院が大混雑していて、
外まで診察待ちで人が溢れかえっていた。
クリスマスなのにサンタが持ってきたのは、
病原菌だったのですか。
メリークリスマス、ミスターロレンス。
川崎まで移動してご飯食べた後、
チネチッタ川崎で「ボヘミアン・ラプソディー」



チネチッタではLIVE ZOUNDという
音響をチューミングアップしたスクリーンがあって
たまたまそこで見ることができたので、
相当素晴らしい映画体験だった。
おそらく家で見ると一般的な自伝音楽映画にしか
見えないかもしれないけど鳴っている音楽の強さを
とにかく大事にしている作り手の意思が伝わってきた。
クイーンって洋楽ロック聞くときの入り口になるくらい、
王道なのにやっていることが
めっちゃトリッキーなことに気づいたり
代表曲の作られる過程が知れてオモシロかった。
フレディ・マーキューリーって
偉大な存在なんだろうけど
どこが偉大なのかよく理解していなかった。
クライマックスに用意されている
ライブエイドの映像が圧巻でフレディの偉大さは
語らずともこの映像一発で肌感覚で理解できた。
クイーンという大ベタなバンドが2018年に伝記映画作られて
日本で記録的なヒットになるなんて、
誰も想像していなかった世界な気がする。
世の中はツッコミ社会で有象無象の逆張りが跋扈する中で、
何も考えずに味が濃くて脳にダイレクトに響くものが流行る。
いいことなのか、悪いことなのか。
映画終わりにスタバでコーヒー頼んだら、
男性の店員にドヤ顔で
「クリスマスブレンドでご用意させていただいています」
と言われて自分のテンションとの乖離に
この感情をどこに向ければいいか分からなかった。
帰りにケーキとチキンを買って帰り、
家でワインとともに楽しんだ。クリスマス。
クリスマスプレゼントかのごとく、
発注していたMoment JoonのEPが届いていた。
当たり前だけどめちゃくちゃかっこいい。
嘘がないラップ。飾りのHIPHOP的な言葉ではなく、
自分の言葉を持っているのがありありと分かる。
トラップとの相性がいいなーと思うけど、
一番好きだったのは四つ打ちチューンの
「Hold Me Tighter rev」
アルバムはどうなるのか、とても楽しみ。
僕が大学でHIPHOPな仲間を
何とかして集めていたときに出会ったのが彼で、
まさかSKY-HIとコラボして、
仙人掌のライブにゲストで呼ばれるような
ラッパーになるとは想像していなかった。
彼と一緒に大学でやっていた頃の思い出は
どれも鮮烈で少しでも一緒の時間を過ごせて良かったと思うし
最近「be independent」ってことをよく考える中で、
この曲のことめちゃくちゃ思い出す。
やってるか民主主義?
(ノスタルジーに浸っていると怒られそうだけど)



12月25日
仕事中に上司から別の人の案件の進捗を聞かれて、
それは自分の担当ではないし、
てめえがその人と関係悪いからってオレを駒にして
間接的にコンタクト取ろうとしてんちゃうぞ!
と喉元まで出かかったけど大人だから堪えた。
髪の毛切ってもらった結果、
前髪を短くされ過ぎたのでワックスでアップして
会社に行ったら話す人皆から髪型について
ツッコミ、疑問を直接言われてこれが社会かと思う。
「えっ、パーマ当ててんですか?」と言われると、
「よく言われるんですけど天パなんすよねぇ」
ヘラヘラ答えている自分がいて、
もっと天パとして誇りを持った回答をしたいのだけど、
なかなか思いつかなくて31年経った。

12月26日
大阪帰る新幹線を取らないと思って、
会社着いてから探すものの、まったく空いていない!
毎年こんな感じだったっけ?と思うくらい。
本当は4日くらい滞在するだけのつもりだったのに、
結構長い間、大阪にいることになってしまった。
午後に4月からの異動通知があった。
自分自身はやることほとんど変わらず、
とくに何もなかったのだけど合併に伴って
知ってる人の環境が激変しているの見ると明日は我が身で怖い。
環境に依存するのではなく気持ちは
常に「be independent」でありたい。
そうして本年の仕事終了。
納会を華麗にスルーして英会話最後の授業
最後の授業なのに新しい先生。南アフリカからきた女性。
親切な人で会話中の間違っている文法を拾ってくれる。
過去レッスンのレビューだったので、
英語を話す時の悩み相談に終始していた。
毎週1回90分を半年くらい続けた結果、
英語を話すハードルは前よりも低くなったけど、
ビジネスでがっつり使えますか?と言われると難しい。
結局は日々の鍛錬がすべてなのだけど、
自分に甘く妥協してしまう。
となるとKPI用意したりタスク化したりして、
目に見えて「こなす」ような仕組みを自分で作らないと、
時間さえあれば映画とかドラマ見ちゃうから
これ以上の成長は望めない気がする。結局自分次第。

12月27日
今日から冬休み。11連休。
なんにもする気がしないからソファに寝転がって、
Youtube見たり「有田と週刊プロレスと」を
ダラダラ見るしかなくて怠惰の極み。
このままではダメだ!と思い立って、
実家へのおみや及び年末に読む用の本を買いに出かける。
SFモードなのでフィリップ・K・ディックなど。
ついでにTSUTAYA寄って「クリード」ないかなと見ると、
全部レンタルされていて悲しい。
帰宅後、完全に見るモードになっていたので
プライムビデオでレンタルして「クリード」見た。



一度見ているのだけどロッキーシリーズを全部見てから見る、
クリードはまた味わい深かった。
ロッキーが最初アドニスを指導しようとしないのだけど、
その背景に過去シリーズのこと知っているか知らないかで
意味合いが全く異なってくる。過去の経緯を踏まえるの大事。
ただ一番ぶち上がるのは前見たときと同様に
クリードがフィラデルフィアのヤンキーたちのバイクと
共に走るシーン。ミーク・ミルがめちゃくちゃ染みる。
これで来年公開の続編見る準備万端。整った。
気づいたらもう外は暗くなっていた。
なんか見たいのあるかなーと徘徊しているとプライムビデオで
「My Life Directed by Nicolas Winding Refn」を見つけて鑑賞。



「オンリー・ゴッド」製作時のビハインドシーン集。
奥さんがカメラを回してレフンのプライベートに密着している。
「ドライヴ」が世界中を席巻したのちの作品ということで、
彼が製作時にかなり悩み苦しんでいる様子が克明に記録されていて、
あーレフンも人間なんやなと思った。
「オンリー・ゴッド」はとても分かりにくい作品で、
公開当時見に行ったけど、全然オモシロいと思えなかった。
でもこの作品を見ると、彼がとにかく同じことをしないように
何か別の世界を描こうとトライしているのが分かる。
(そのトライが好きかどうかはまた別の話だけど)
ホドロフスキーがタロットでレフン、奥さんそれぞれを占って、
どれもいい結果が出てなくて笑えた。
あと奥さんが子育てに忙殺されて
自分のクリエイティビティを発揮できないと訴えるシーンは
子育てと人生を考える上で興味深いと思う。
夫の才能、偉大さは理解しているけど、
そのせいで自分の人生を生きれないなんておかしい。
至極もっともだけど日本だとそうでもないかもしれない。
一番オモシロかったのはレフンとゴズリングで
地元の映画祭で「ドライヴ」上映会にゲスト出演して、
そのギャラをゲンナマで受け取っているところ。
あとゴズリングのいい人っぷりがめちゃくちゃ伝わってくる、
レフンの子供たちと遊んでいるのもハイライト。
1日中、映像を見ていたので頭が腐りそうになりながら就寝。

12月28日
休み2日目。予定より早く大阪に移動する。
その前に蒲田にある食べログ3.8のとんかつ屋へ。
お店が狭くて回転率が悪いので30分くらい並んで
やっとお店に入れて上ロースとんかつを食す。
寒い中、待ったこともあり一口目の感動がすごかった。
ただ年をとったのか、豚の脂身が徐々に効いてきて、
食べ終わる頃には胸焼け気味になっていた。加齢。
リセットするためコーヒー飲んでから品川へ。
思ったより駅自体は混雑していなかったけど、
新幹線の車内は満員。満腹感から気づいたら
1時間半くらい寝ていた。
一度家に荷物を置いてから梅田へ。
ワンモアコーヒーをスタバで飲みつつ日記を書いている。
時間になったのでシネリーブル梅田で「KINGS」
(「マイ・サンシャイン」というゴミ邦題を言いたくない。)



「裸足の季節」のデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督が
LA暴動を描いた作品。
前作に比べると新鮮さがないというか、
バジェット大きめのミニシアター系といった佇まいだった。
ただ1つ超絶素晴らしいシーンがあって、
セリフとか特にないのだけど画だけで泣いてしまった。
身寄りのない子どもを育てる女性と
その前に住む白人男性が遭遇したLA暴動。
史実として知っていたけど、
子どもたちの視点で描いているのが新鮮で
それぞれ楽しい時間があったのに
天変地異のような出来事が起こって
価値観がひっくり返って些細な憎悪が
文字どおり暴発しちゃう。切なすぎる。
アフリカ系アメリカンへの過度な迫害が
すべての原因な訳でそこに感情移入する仕掛けとしての
オープニング映像の出来が特によかった。
(起こっている自体は最悪だったんだけど)
友人と飲みに行こうとしたけどタイミング合わず帰宅。

12月29日
実家に帰っても特にやることもないので、
ひたすらKindleで本を読んでいた。
BGMとして橋本徹のdublabのmixcloud を聞く。



このmixで知った音楽が自分の今年の音楽を
形成してると言っても過言ではなく、
とくに今年一番ホットだったサウスロンドン周りは
基本橋本徹の受け売りだった。
自分ではdigしてるつもりでも大したことない、
井の中の蛙なんだなということを思い知った。
時間になったので家を出てタバコを買いに
近所のFM行ったらお酒の年齢認証の画面を
叩き割るくらいの勢いで叩いているおじいさんを見て、
あぁめっちゃ大阪。と思い知った。
そんなこともありながら最寄駅に着いて、
三宮まで移動して友人宅でご飯をご馳走になる。
友人、奥さんを踏まえて色々な話できて楽しい。
1年経つと子どもの成長っぷりは目を見張るものがあり、
同じ1年でも子どもにとっての1年は
密度が全然違うんやなという当たり前の事実がそこにあった。
場所を移して今年の本何が良かったかの会。
もう何年続けているのだろう。
今年は計46冊読んで、その中のトップ10。
自分の本能のまま好きなもの読むというよりも、
本のジャンルの幅を広げようとしていた1年だった。
というか海外文学中心になっているなぁって感じ。
友人と話しているとそんな本があるんやとか、
自分で話していてこの本のどういうところがオモシロイのか、
言語する作業はとても大切と改めて。
映画、ドラマのランキング面倒やなと思っていたけど
年明けまでに形にしたいなと思った。
今年はrebuild.fmの影響もありSciIFi元年だったので、
来年はSciFi積極的に読みたいなと思っている。

12月30日
昼過ぎに起床。
起きてすぐに格闘代理戦争の決勝をチェック。
意外というか順当というかあっけない幕切れで、
ガチンコの格闘技ってそういうものか。と思った。
女子選手は階級が謎だからよく分かってないけど
平田のRIZIN参戦は誰も望むことだろうし、
カンナとの試合を切に願う。
そのままダラダラYoutubeサーフィンしてしまい、
金属バットの漫才をしこたま見たりしてたら、
いつの間にか時間が経ってしまっていた。
急いで心斎橋に向かい先輩のレコ屋で
取り置きしていたレコードを引き取りに行く。
お店が移転するらしくかなりスケールアップしていて、
自分の今のテーマである「be independent」 な形で
仕事をしていてすごいなーというリスペクトの気持ち。
店舗の引越し手伝ったりして、
お店がどんどんできていく感があり楽しかった。
然るべきオーディオセッティングで
レコードを鳴らすと音の良さすごいな、
という至極当たり前の事実も体験できてよかった。
そのあと後輩夫妻と心斎橋で飲んだ。
アメ村ど真ん中の串カツ田中。
大阪で串カツ田中で飲むというのは
中国で日本の和食チェーンで飯食うくらいのことだけど、
味は保証されていて美味しい。
もう1軒行くかとなり久方ぶりの味穂で
たこ焼きとかどて焼き食べてfeel 大阪だった。
帰りに前に心斎橋きたときに寄った、
Lilo Coffeeで豆を買いドリップをテイクアウトで。
コーヒー色々飲んでいるけど、ここのは相当美味しい。
酔っ払って帰ってきたら後輩のmixがuploadされてた。



去年は一緒にやってたけど今年は結局間に合わず。。
このmixは今年のまとめとして抜群で、
今はプレイリスト文化だけど
mixされる瞬間の良さが詰まっているから
日本のヒップホップ好きなら聞いてほしい。
(近年あまりに細分化されているから、
なんでこれ入ってないの?はあるかもだけど)
ミックス聞きつつ日記を書いたり
今年の映画と本のベストをアップロードして就寝。

12月31日
今日はおばあちゃんの家へ。
昨日後輩と飲んでいるときに
年末に挨拶的なの行くの異例やし
墓参り行くのも謎という話になって
それぞれの年末年始の過ごし方があるのですねとなった。
おばあちゃんの家ついてから、
おじいちゃんの日記が出てきた話、
近所に出た詐欺師の話などしつつ、
晩ご飯はフグを美味しくいただいた。
今年は格闘技リブート元年なのでRIZIN14を見ていた。
途中までザッピングながらウォッチだったけど
生放送の試合になってからは集中して観戦。
堀口の試合があまりにもかっこよくて、
身長の高さに苦戦していてもうダメか。。
と皆が思ったその刹那フロントチョークで
締め上げて逆転KOでしびれまくり。
陳腐な言葉で最後まで諦めたらダメ!とかよく言うけど、
それを地でやっているの見せられると、
こんなにもぶち上がるのか、格闘技見ていて良かった。
メインの那須川天心vsメイウェザーは
想像以上に力の差があって
ほとんど公開処刑状態なのが見ていて心苦しかった。
Confessionでの帝拳ジムのコーチの弁明が
結果的に一番を的を得ていた。
これが格闘技と言われればそれまでなのだけど、
試合始まる前まで幻想を抱き過ぎていた。
戦い終わった瞬間に20歳の男の子になっている瞬間があって、
それに乗っかるたくさんの大人という構図は
どこか違和感を感じてしまう(もちろん結果論)
来年はK-1との対抗戦、開始してほしい。
試合終わって家に帰る途中に2019年が訪れ、
車のラジオから流れてきた最初の曲はこれ。



こんばんわ、2019年。

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