2018年11月19日月曜日

2018年11月 第3週

11月12日
通勤中に「アックスマンのジャズ」読了。

アックスマンのジャズ (ハヤカワ・ミステリ)
早川書房 (2016-05-13)
売り上げランキング: 222,425

服部緑地の古本屋でゲトった
ハヤカワ文庫のハードボイルド。
今年読んだ「IQ」以来だけど、
このタイプの本は読んでいて
ページが止まらなくて楽しい。
二段組で400ページあったけど、
それにしてはかなりさっくり読めた。
実在の事件を題材にして、
私立探偵、警察、マフィアの手先の
3つの群像劇でシリアルキラーを追う様を
スリリングに描いていく。
1910年代のニューオリンズが舞台で、
タイトルにあるジャズがフィーチャーされていたり、
人種問題がフィーチャーされていたり。
とくに人種問題のくだりは今の時代でも
十分通用するような内容でとくに以下のラインには
かなり心うたれた。

同じものをーなんてことないものをー見ても、
人によって見え方が異なる。
頭の奥底で決めつけていた答えを
現実の答えとして見つけるだけだ。
恐怖が作り上げた空想を。

ハードボイルドな探偵ものだと、
物語を追うことばかりを楽しんで、
とくに何も残らないこと多いのだけど、
この本は重みのあるシーンが多く読み応えがあった。
推理ものはそればっかり読んでいると飽きちゃうけど、
たまに読むと、そのドライブ感が楽しい。

11月13日
夜の予定が込み入っているので午後休。
早く家に帰ることができることの尊さよ。
蒲田駅前を歩いていたら、
片手に500mlのウーロンハイ、
片手にタバコをもった寝間着のおじさんを見かけた。
世の中はとても多様だと知ることできる
素晴らしい街だといつも思う。
DJの準備をさくっと終えて、
「高い城の男」シーズン2をひたすら見ていた。
渋谷まで出て軽くご飯食べようと思って、
駅前の地下にあるはなまるうどんで
きつねうどんを食べた。
何気に人生初はなまるうどんだったのだけど、
もう行かないかな、っていうくらいのまずさだった。
目の前に座った人がかけうどんに
大量の天かすを入れて、
それが膨張してもはやそれは食事ではなく
餌ですよね、というレベルのものになっていた。
サイバーパンク渋谷。
前の会社の人とDJしながら酒を飲むという、
楽しいイベントへ参加した。
久々に会う人もいたり初めましての人もいたりで、
大いに飲んで大いに楽しんだ。
超久々に人前でDJしたけど、
人と自分の好きな曲を共有できるのは愉快なことだし、
大きな音で聴きたいレコードを中心に選んだから、
それもまた愉快なことだった。
帰りの電車で明日仕事ということを思い出して、
とても憂鬱な気持ちで帰った。

11月14日
昨日の疲れが残っていて、
超遅れている電車で寝ていた。
まだ水曜日だなんて到底信じられない。
会社について、これは気持ちを切り替えなければ
と思いレッドブルをキメて仕事し始めた。
Rebuild.fmでhakさん出演回を中心に
過去のアーカイブを聞いていて、
最初にレッドブルを飲む儀式がとても好きで、
その影響下にないとは言い切れない。
午後になって少しずつギアを取り戻し、
定時で退社して英会話へ。
疲労困憊でどこまでできるのか不安だったけど、
新しい先生でこちらのブロークンな英語を
汲み取ってくれるタイプで何とか乗り切った。
量としてはたくさん話したので達成感はあったけど、
その質はどうだったのかと言われると
なんだかなぁな気持ちになる。
とはいえ読む、書く、話す、聞く、
いずれにおいても量をこなさなければ。

11月15日
Smino「NOIR」を聞きながら出勤。



どっかで名前見たことあるなと思っていたら、
Nonameのアルバムに参加しているので
知ったんだと気づく。
サウンド、ラップ、歌唱法の幅が
いずれも広いので音楽の色彩がとても豊か。
Chance The Rapper想起しちゃうライン。
「MF GROOVE」というRavyn Lenaeを
featに迎えた曲で顔の表情を
見られないようにすることを
「MF DOOMED」という動詞で
表現しているのがオモシロかった。
Office365およびBoxの導入の
説明会に午前中参加していた。
この導入に伴う仕事の変化は相当大きそうで、
かなり効率化される予感しかなく、
仕事に対するモチベーションが相当高まった。
IBMのクソシステムになんで人間側が
わざわざ寄せなきゃいけないのか、
そしてそのシステムを使いこなせないと
仕事がまともに回らないなんてこと自体が
おかしいのだということが証明された気がした。
他部署との仕事の進め方を考えることになったので、
何とかして楽になるようにしたい。
多和田葉子の「献灯使」が「全米図書賞」の
翻訳文学部門を受賞したことを
友人が教えてくれて、やはりこれは読むしかない。
と思うものの、このタイミングでは買えないくらい
自意識をこじらせているのでAmazonで見ると
文庫本はすでに1~3週間待ちだった。
今、読んでいる本がなかなかしっくり来ず、
やはり小説が読みたいモードであるため、
Kindleで購入した。あっという間に手に入った。

11月16日
初めてKindleを通勤中に使ってみた。
手元が軽いのが何よりもよい。
本に顔を埋めるようにして周りを
シャットダウンして今まで読んでいたから、
読書独特の没入感がない気がする。
Anderson Paak.「Oxnard」を仕事終わりに聞く。



1曲目のどファンク感にぶったまげ、
流れるように鬼クオリティの曲が立て続けにかかり、
先行シングル2曲がアルバムの軸を
担っていることがよく分かる。
過去2作のアルバムと同様、
グッドミュージック meets ヒップホップで、
どちらにも偏りすぎない絶妙なバランスを
キープしているのがAnderson Paak.の
音楽が抜きん出て素晴らしいところ。
「Malibu」からの跳躍具合はその点ハンパなき。
客演陣も同郷ウエストコーストの
Kendrick Lamar、ドレ、スヌープと
抑えるところを抑えつつ、
Q-TIP、J.Cole、PUSHA Tという
この信頼できる客演のチョイスも最高。
トラックメーカーも本人だけではなく、
ドレ、9th wonder、クリス・デイブなど。
(一番驚いたのは先行シングル「Tints」に
Sa-RaのOm’Mas Keithが参加していたこと。)
こういうアルバム聞くと本当にヒップホップ好きで
よかったといつも思う。
ヴァイナルマスト案件なのでアンテナ張っとかないと。
「ヴェノム」をTOHOシネマズ川崎で鑑賞。



MCUのパラレルワールドにある
SONY系マーベルのスパイダーマン以来、久々な作品。
アメコミに詳しくないので知らなかったけど、
トム・ハーディー主演なんだから
見ないわけにはいかない。作りが相当雑なのだけど、
そこが嫌な感じではないというか
雑味成分が物語を豊かにしているような作品。
ツッコミしろを残していて、
観客側が「しょうがねぇなぁ」と言いたくなるような感じ。
これを成立させているのは
トム・ハーディーの茶目っ気のある演技だと思う。
今まで見たトム・ハーディーの中で、
一番リラックスしていてユルい空気を
映画にもたらしてくれている。
最恐のヴィランという触れ込みを
鮮やかに裏切るコメディシーンがいくつもあった。
(侵入したビルからエレベーターで降りるシーンが好き)
ヴェノムが利他的行動をとる、
つまり地球側に肩入れする理由の部分を
しっかり描いてくれたら相当良くなったと思う。
アクションシーンがかなりガチャついていて、
DCコミックの映画みたいな感じ。
(MCUシリーズの見せ方のうまさを逆説的に理解)
MCUを尻目にSONYはSONYで
新たなユニバースを作ろうとしていることが
エンドロールの2つの展開から想起され、
新しいメディアミックスの手法としても楽しみ。

11月17日
午後から前々職の人たちとの勉強会。
復帰してちょうど半年経ったくらいで、
やっとリハビリできてきたなと思っているけど、
まだまだ実務のところで足りない部分が多いから、
そこをフォローアップしていかねば。
夜は飲み会でそれぞれの職場の話や、
キャリアパスの作り方について話していて、
結構勉強になった。頑張らねば。
帰ってから友人とPodcastのようなものを
テスト的に実施してみた。
色々問題がクリアになった気がする。
来年からPodcastやりたいなと
ぼんやり思っているのだけど、
それぞれ録音してマージするダブルエンダーしかないか。
終わったあと自分のところだけ少し聞いてみると、
自分の声の違和感と早口すぎて少し引いた。

11月18日
髪の毛ぼさぼさになったので美容院へ。
引っ越してから色々行ったけど、
あまり干渉して来なくて安いところが
見つかってよかった。
「スタイリング剤つけますか?」と言われ、
「はい」と答えつつ
「家で何使っているんですか?」と言われて
「何もしていません。」と答えて
美容師さんと2人で笑ってしまった。
一体何故つけるんだと。
お昼に今ハマっている天ぷら屋でランチ。
目の前で揚げてくれる天ぷら食べれて1000円。
このコストパフォーマンスの高さに震える。
適当に買い物したのちに家に帰り、
「高い城の男」シーズン2を見終えた。



SFっぽい要素が多少芽生えつつも、
全体としては戦争の仕組みの話でオモシロかった。
歴史のダイナミズムとでもいうべきか、
あのときこうしたから、今こうしているから、
といった瞬間の判断の集積により、
世界は成り立っていることを痛感させられる。
日本とドイツ、どちらもどうしようもない国で
それをレジスタンスが打ち崩そうとする中で、
すれ違う人間関係もオモシロくて
感情移入するサイドがコロコロ変わる感覚。
それによって、各自の立場に立って
物事を考えることができるので
単純に勧善懲悪にならず物語が豊かになっていた。
ここからシーズン3が始まっていく。
原作小説はいつ読むのが正しいのか、
年末年始フィリップ・K・ディック読みまくりたい。
夜ご飯は塩辛と野菜を炒めた海賊焼きなるものを食し、
格闘代理戦争、 RISE129の那須川天心の試合(強すぎ)という
格闘技成分を充実させてから寝た。

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