2018年2月1日木曜日

2018年1月 4週目

1月22日
大雪の予報に戦々恐々としながら出社。
家出るときパラついている程度だったけど、
午後には吹雪状態になっていた。
粛々と仕事をしていたんだけど16時ごろに
帰っても良いことになったので帰宅の途へ。
猛吹雪の中、傘をさしてゆっくりと踏みしめながら歩く。
途中、いつもは通らないマークシティの方へ行き、
雪を回避しながらなんとか地下までたどり着いた。
副都心線のホームに向かうまでのあいだ、
半蔵門線/田園都市線の改札が入場規制なのか、
想像を絶する行列になっていてゾッとした。
満員電車だったけど比較的すぐに帰れた。
帰ってテレビつけたら地獄絵図が展開されてて間一髪。
早く帰れたので家事を諸々こなしつつダラダラしつつ。
NETFLIXで「震える舌」を鑑賞。



破傷風にかかった子どもを巡る医療サスペンスなんだけど

監督が野村芳太郎なので独特のタッチ。
ほぼホラーのような仕上がりで、ほぼ悪魔憑きの話だった。
子ども病状が悪化していくにつれて、
主演の渡瀬恒彦、十朱幸代がマッドになっていく過程が圧巻。
とくに破傷風が自分に感染するんじゃないかと恐れる姿は、
子どもが何よりも大事とは言うものの、
結局自分の命を一番大事にしてしまう
人間の悲しい性が表現されていたと思う。

1月23日

昨日の雪はとんでもない量で、めちゃくちゃ積もってた。
家の前、そこそこ車が通るのにあんまり溶けてないし、
靴は普通にスニーカーだからコケないようにゆっくり歩く。
家出たらOLっぽい人が歩きながら
積もっている雪の様子をスマホで撮影してて
目の前にある非日常的な光景が少し愛しく思えた。
電車は当然遅れていたけど
運良く早い段階で座れたので爆睡。
余裕で遅刻して仕事に取り掛かるも全くやる気がでない。
18時に定時ダッシュしてJOEY  BADA$$のライブへ。
その前に腹ごしえということで、とりかつチキンで夕食。
とりかつ&ハムカツを食べて美味しかった。
けどそれよりも何よりもアンダーグラウンドな店の立地と、
まるでそこにお客がいないかのごとく、
繰り広げられる大将とおかみさんの
軽快なトークが最高すぎた。世間がここにある。
会場のTSUTAYA O-EASTに行くと
B-BOYだらけで面食らった。そして皆若い!
あーもうおじさんなのかなとか思いながら
中盤より少し前で見ることに。
もともとバンドセットのはずがDJセットに変わったせいなのか、
フロントアクトとして5lackが登場。
超久々にライブ見たけど、とてもかっこよかった。
(後ろを固めるのはPUNPEE!)
Silent Poets「東京」から始まり、
5Oの新曲、Aaron Chouraiとの曲、
weeken、最後はNEXTで締め。
ビートメイカーとのコラボレーションじゃなくて、
今の5lackが作るアルバムがとても聞いてみたい。
次はPro EraのNyck Caution
彼のショーが始まる前にDJがMigosかけたりして、
観客のウォームアップ(?)をしていてフレッシュだった。
今回のライブで一番驚いたのはトラップの盛り上がり方。
50〜70くらいのBPM遅い曲にたいして、
倍で乗る文化がないんだ日本には!みたいな意見を見たり聞いたり、
僕も確かにそうだなーと思っていたけど、
そんな時代はとうに終わっていて
バウンスして盛り上がるのがデフォルトになっていた。
(外国のお客さんが多かったのもあると思うけど)
サビ前に1、2、1、2、3!とカウントして、
その結果、モッシュのような状態が発生する。
それは僕にとってHIPHOPに対する価値観を揺さぶられる光景だった。
そして真打が満を持して登場。
ジャケットにも使われていた国旗を模したペイズリー柄が
でーんと飾られていてかっこよかったし、
DJセットでどうなのかな、と少し疑問に思っていた
自分が恥ずかしくなるくらいライブが素晴らしかった!!
とくに「AMERIKKKAN BADA$$」収録曲の
数々のパワーたるや。バックDJも単なるポン出しじゃないし、
終盤に向けてライブの構成が練り上げられていたと思う。
(スタンドマイクもシビれた!)
ヘッドホンで爆音で聞きながら
余韻に浸り渋谷の街を闊歩して帰宅。

1月24日

月曜日の雪は全く溶ける気配がなく、
さらに路面が凍結してデンジャラスな状態の我が家周辺。
wiredの記事をインターネットサーフィン中に見かけて、
そのうちの1つの連載がとてもオモシロかった。

「GDPR:データとインターネット〜EUが描く未来」


EUで問題となっているプライバシーとデータ所有権の話。

世界史的なマクロな視点と
実際の運用を行き来する論旨の展開がスリリングで、
単純なファクトの話だけではないのでどんどん読まされる。
まとめて本にしてほしいな。
ネットで注文したエスニック系料理の作り置き本が届いたのだけど、
ほとんどがナンプラーによる味付けで、
「そういうことちゃうねん!」と大きな声で言った。

1月25日

午前打ち合わせ。
この最中にYahooニュースでECDの逝去を知ってしまい涙ぐむ。
少し前までTwitterで見かけたりしていたので、
ガンということは理解しながらも唐突な出来事だった。
僕がECDのことをチェックするようになったのは
ここ数年の話で、音楽というよりも著書をたくさん読んでいた。
また奥さんである植本一子の著書の数々を読んだこともあり、
彼の実像は他のラッパーよりも具体的なものだった。
ゆえに彼が亡くなったことはとても辛い。
口だけじゃなくて自分の信念を行動で示す、
かっこいい大人だったと思う。
彼の残した音楽や著書を噛み締めていきたい。
(MOMENTの一連のポストにもぐっときた)
一旦家に帰って服を着替えて再度出社し全体会議に出席。
ずっと座って話聞くことができない体になっていることを痛感した。
終了後、長崎飯店でちゃんぽんキメてThe Internetのライブへ。
今週2度目のTSUTAYA O-EAST。
各自のソロも披露してくれたし、
バンドが生み出す最高のグルーブと
Sydのボーカルのコンビネーションが素晴らしかった。
しっかりしたリズム隊の上で
ギターのSteve Lacy、キーボードのMatt Martians、
ボーカルのSydが躍動するという編成が珍しい。
バンドメンバー皆のキュートな感じ、
演奏を楽しんでいる空気がビシビシ伝わってきた。
Sydのボーカルをどう見るかは人によって意見が別れる気がする。
というのも、いわゆるR&Bの歌い上げ系ではないから。
ポイントポイントではボリューミーな歌声だったので、
あえてヨレたボーカルで歌っているのかな。
(声質の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい!)
Kojoeの最近のインタビューとか思い出した。
上手ければオールOK!という訳ではないってこと。
今日もヘッドホンで爆音で聞きながら
余韻に浸り渋谷の街を闊歩して帰宅。

1月26日

今週ラスト。
金曜日はストリーミングで新譜の配信が始まる日。
そして、今日はMigos「Culture2」が
配信されて残業中ずっと聞いてた。
前半の「Narco」「BBO」の流れがめちゃくちゃ好き。
100分超えという超特大作にも関わらず、
全く隙がなくどの曲も高い打点なのでお腹いっぱいになった。
僕は前作の「Culture」よりも圧倒的に本作が好き。

1月27日

午前中に髪切りにいく。
冬なので伸ばしていても何とかなるんだけど、さっぱりとした。
横にいたおばさんが若い男性の美容師に前世の話をしていて、
「私は鳥型の前世なの」
「どうしてですか?」
「だって夢を見ると、いつも上から見下ろしてるから」
夢×前世というオモシロくない話題のコンビネーションが炸裂。
これに応対する美容師さんの仕事にマキシマムリスペクト。
昼過ぎから中目黒、代官山を散策するものの、
あまりの寒さにカフェに逃げ込む。
スペシャリティコーヒー系で、コロンビアの中煎りを飲んだ。
代官山の蔦屋書店で前から探していた本と
ジャケで選んだ本を買った。
最近ネットで狙い撃ちで買うことが多かったけど、
本屋で知る情報の多さを検索で得ようと思うと、
そこは戦えない実店舗の良さがあると感じた。
そして、代官山UNITでのKid Fresinoのバンドセットでのライブへ。
別記事で書いたので読んでみて。
→ KID FRESINO BAND SET ONEMAN LIVE
帰りに中目黒に再度戻って京都系居酒屋でしっぽり飲んで帰った。

1月28日
わりと早起きして録画のTVを消化。
anoneがとにかくオモシロ過ぎて。。
小林聡美×田中裕子のコンビネーションがたまらなかった。
あの空気がドラマから伝わるってすごいことだと思う。
スニッカーズを昼飯として TOHOシネマズ新宿で「デトロイト」




キャスリン・ビグロー監督だったので、
覚悟はしていたんだけど重かった。。。
過去作はアフガンやイラクといった
近代戦争を描いていた彼女なんだけど、
ここにきて1960年代のデトロイトの暴動を題材に。
今、なぜ?ってなれば、それは当然未だに同じような事態、
つまり白人警官が丸腰のアフリカ系アメリカンを
殺めてしまうことが発生してるから。
143分とかなり長い上に、ビグロー映画独特の
狭いショットの連なりが閉塞感を生み、
それが差別に対する嫌悪感に通じる仕掛けになっていた。
(見るのしんどい→差別辛い、みたいな)
冒頭こそ、各キャラクターの紹介も兼ねて、
野外での暴動シーンを描いていくんだけど、
ほとんどがAlgiers Motelという事件が起こった
モーテル内のシーンで、この舞台設定も閉塞感を生んでいた。
とにかく白人警官による目に余る陰惨な暴力がひたすら続くし、
解決の糸口が全く見えないので辛かった…
60年代デトロイトということもあり、
音楽がモータウンサウンドを中心とした
ソウルミュージックなのが唯一の救いのように映る。
そして流麗なメロディに社会を憂う歌詞が乗る、
といったソウルミュージックが持つ構造を
映画自身がなぞっているところも興味深かった。
(そしてこの事件にドラマティクスの
初期メンバーが巻き込まれてるところもすごい)
実話ベースなので合間合間に実際の写真が差し込まれていたし、
実際に起こったその後の展開も酷な話。
エンドロールでかかるBilal, The Rootsの「It Ain't Fair」が
余韻を深めてくれるのも良かった。




あとラリーを演じたアルジー・スミスと、

ラリー本人の曲がYoutubeにあって、
これまたジンとくるものがあるんやで。



無印で靴下買ってそそくさと新宿を退散。
体がだるくてぼっーとテレビ見てたら、
あっという間に時間が過ぎていって、
時間をドブに捨てたような気分になった。



1月29日
毎日あまりにも寒いので会社に行く気が
普段の半分以下だし行ってもやる気が全く出ない。
家に帰ってご飯を食べながらYoutubeでグラミー賞の野良動画を見漁る。
Kendrick Lamarのパフォーマンスは圧巻だったし、
Childish GambinoはRed Boneじゃないのが残念だったけど、
なんといってもBruno Marsがアメリカ!って感じでよかった。
(Cardi Bが押すとBruno Marsがムーンウォークするくだり最高!)
まさか2018年にNJSでこんなに盛り上がるなんて誰が予想しただろう。
音楽は廻るんですなぁ。 
NJSといえば最近聞いたミックスがすげーよかった。詳細知らないのだけど。
クイックでガンガン繋いでいく勢いが好き。





さらに7inch Treeの最新回も鑑賞。



BESとのジョイントアルバムの制作の模様がいわゆる神回だった。
KojoeのスタジオでISSUGIとBESが録音していて、
ISSUGIのフローについてKojoeがアドバイスする。
それこそ「Pride」があるISSUGIはやんわり受け流そうとするけど、
Kojoeはさらに説得力を持って説明するし、BESも乗ってくる。
ISSUGIはそのアドバイスを聞き入れて、
フローを修正しラップしてその出来に納得。
この一連の流れにラップのクリエイティビティが凝集されていたし、
良いものを作る、結果を出すことと自分のプライドのせめぎ合いは、
普段の仕事でも出くわす場面だなと思ったりもした。

1月30日

朝の準備しながら東京ポッド許可局。
サンキュータツオが広辞苑作りに参加した話で、
言葉の定義を巡る議論がオモシロかった。
行きの電車でチャールズ・ブコウスキー「町で一番の美女」読了。



町でいちばんの美女 (新潮文庫)
チャールズ ブコウスキー
新潮社
売り上げランキング: 29,694

これまで読んだブコウスキーの中で一番読み応えがあり、
なおかつ一番最低(褒め言葉)な内容だった。
(帯文がビートたけしというのがビックリ!)
短編集で主人公がブコウスキーの半分エッセイのような私小説と
空想炸裂のがっつり小説の半分で構成されている。
コレクトネスを求める人にはなかなか勧められないけど、
はっとするような言葉が端々に用意されているから油断ならない。
どこまでも厭世主義なスタンスは、口だけじゃないから彼はかっこいい。
一番刺さったラインを引用しておく。

誰もが、革命家気取りと豚どもがののしり合うのを見物している。

なかなかの見せ物ではある。
無料だから、カネはポケットにしまったままにしておける、もし持っていたら。

Chromecast入れてからYoutubeサーフィンしまくりで、

Spotify同様、こっちもプレイリストを作った。



ちなみに今日見てたまげたのは、HAIMのMVの監督が

ポール・トーマス・アンダーソンだったこと。

1月31日

朝、駅まで歩いてたら向かいからコンクリートミキサー車が来て、
ボンネットに「突破せよ」と書いた紙が飾ってあった。
突破せよ、水曜日!
通勤時は、SNSでフォローしてる人が始めたPodcastを聞いた。



電子マネーを巡るキャッシュレスの話や、

PV至上主義の広告の限界の話など、興味深かった。
前から考えてる本のPodcastを実現したくなったなぁ。
仕事中はあいも変わらずmixcloud。
さっと帰宅して映画見よかなと思ったけど、
めぼしいのがないし明後日以降、
怒涛の勢いで始まっていくので自重して帰宅。
ハンバーグ作ってFD見ながら食べた。
GASHIMA全然好きじゃないけど、
ヒールとして最高の役割果たしてた。
(嫁いじりのくだりは最悪だったけど)
洗濯物を畳みながら久々にブラックミラーを見た。
シーズン3-1。人の価値が「いいね」の値で決まる
地獄のようなディストピア社会の話で重い気持ちになった。
それに影響されて久々にFacebookを開いて眺めた。
何年も会っていない人の近況やイベント情報。
アップロードする人と見る人に分かれていくのは、
どのSNSも辿る末路なのだろうか。
嘘の臭いがする幸せの羅列を見て、読んで、
それの一体何がオモシロいのか誰か教えてくれ。

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