2018年4月2日月曜日

2018年3月 第4週

3月19日
朝、東京ポッド許可局「隣の未知論」を聞く。
ヨネスケの突撃となりの晩御飯、
テレビ東京の最近の番組などから見える、
身近な「未知」が一番オモシロいのではないかという話に納得。
日記もそういった文脈の中にあると思っている。
Replicant FMを仕事中に聞く。



海外通販の話を聞いて、Frank Oceanのアナログが
一体どうなったのか分からないままだなと思い出した。
もう届かないのかもしれない。
帰ってからは昨日に引き続き
「クィア・アイ」をビンジウォッチング。
社会問題をガンガン入れていく当たりに気概を感じる。
警官とアフリカンアメリカン、LGBTとキリスト教保守派、
社会問題となっていたとしても個人間の対話が
少しずつでも事態をよくしていくという至極まっとう過ぎる内容。
演出過多な感じも否めないけど、それが逆に良いというか。
ベタ=ボケを貫いてステイポジティブを突きつけられると、
そうだよなーと納得するしかない。
いつまにか深夜になっていたので慌てて終身。

3月20日
雨。そして久々に寒い。
電車で隣に座っていた男性が
前に立っていた女性の傘を小突いたのち、
その傘を指差して「膝に当たっている」と示していた。
文字にすると伝わりにくい感じの悪さに辟易する。
口で言えばいいじゃん。
ISSUGI&BESのインタビューを読んで、
楽しめる切り口がまた増えて嬉しい。
ヤバさ”はこれだ――
BES&ISSUGIの自信が浮かび上がる『VIRIDIAN SHOOT』

松尾潔のラジオの書き起こしで知った、
Aaron Camperがとても良い。



番組で紹介されたPrinceオマージュももちろん良いのだけど、
Changeをサンプリングした曲が特に好き。
昨日に引き続き「クィア・アイ」を見続けて、
一気に見終わってしまう。超オモシロかった。
リアリティショーは一旦ハマると抜け出せなくなるので、
適量の摂取に抑えないといけぬとは認識している。
(テラスハウス軽井沢編は早く見たいところ…!)

3月21日
めちゃくちゃ寒い。寒すぎる。
その中で早めに起きてバルト新宿で
「リメンバー・ミー」鑑賞。



久々のピクサー作品で超楽しみにしてた中で、
その期待を余裕で超えてくるピクサーに感服。
記憶の中で生き続ける死者というテーマで、
エンタメとしてのオモシロさを担保しつつ、
至極真っ当なテーマが心にぶち刺さる。
今年は「死」について考えることが何かと多く、
これが支えになるとそういうことではないのだけど、
1つのスタンスとして納得する部分があった。
インサイド・ヘッド」と同様に
概念の部分を物語化するピクサーの力は
ますます加速しているような気がしていて、
見ていて唸らされる構造、
たとえば死者が忘れられると本当に消えてしまうとか、
主題歌とタイトルの回収方法など、
おいおい!泣くしかないやん!な展開の連続。
おじさんの涙腺ぐいぐい刺激してくる。
僕は前半の家族の伝統に抑圧されているくだりが
とくに見ていて辛かった。。
家族か夢か天秤にかける必要なんて全くないはずなのに、
どちらかしか選べず生き方を家族が規定してくる。
これは本作の前に流れていた
アナ雪の続編と呼応していて家族における伝統とは?
と考えさせる構造になっているあたりもニクいと思う。
(アナ雪は伝統の不在について描いている。)
ただこれは家族が不在の人にとって、
かなり暴力的な映画であることは間違いない。
身寄りのない人間は消えていくしかない、
といった孤独を許さない軽い同調圧力を感じるところもあった。
そもそも「リメンバーミー」って
言い方次第ではかなり尊大に聞こえると思うし。
(「オレのこと忘れんなよ」的なニュアンスね)
家族を大切にする気持ちを大事にせねばとは思うけど、
居ない人間の立場の展開、演出に
もう少し気を使っても良かったかもしれない。
映画館を出ると雪が降りしきっていた。
草枕でカレー食べて、その近くのコーヒースタンドでchill。
さっと帰って家でNETFLIX鑑賞。
「ラブ」「この世界のサイテーな終わり」を見終わる。
「ラブ」は然るべき着地に落ち着いたけど、
その直前のガスの独白が胸に響いた。
建前を全部取り去った先の本音が一番大事なのかもしれない。
「この世界のサイテーな終わり」は、
青春逃走劇として予期できた範囲ではあったけれど、
ショッキングなラストだった。
続きあるっぽいので、どうストーリーを転がしていくのか、
その辺を楽しみに待ちたいところ。
夜は餃子作って食べて
「家ついていっていいですか?」見て早めに就寝した。

3月22日
雪ではないけど雨は降り止まない。
イヤホン忘れて久々に無音で仕事。集中。
午後は来期の組織についての説明。
全然よくわからなかったけど直接関係ないので聞き流す。
7inch treeとBES&ISSUGIが出演したJoe's kitchenを
立て続けに見てHIPHOPモード満タンにして寝た。

3月23日
意味のない午前休を取ったので、
遅くまで寝よーっと思って、
ふと起きたら12時で焦る。時間の浪費。
出社してまたイヤホン忘れてしまい黙々と仕事。
夜は会社の飲み会。ワインが美味しいお店だったので、
ハウスワインとサングリアを交互に飲んで酔う。
2次会も参加したけど泥酔しないようにセーブし、
電車を乗り過ごさずに無事に帰宅。
酔いが醒めたのでNETFLIXで「アウトサイダー」鑑賞。
少し見たところで寝落ちしてまった。

3月24日
寝落ちしたままだったので、
起きてすぐに「アウトサイダー」を見終える。



ジャレッド・レトを主演に据えた日本のヤクザ映画。
Youは何しに日本へ?ヤクザ編みたいな話。
展開自体はシンプルなのだけれど、
映像の美しさに心を持っていかれたし、
ドンパチというよりも
ヤクザの権力闘争にフォーカスするために、
抑圧された演出も素晴らしかった。
外国人が監督しているけれど、
日本人スタッフが入り込んでいるおかげなのか、
文化的に違和感を感じることはほとんどなかった。
日本側は浅野忠信、大森南朋、椎名桔平のメインどころは
勿論のこと、バイプレイヤー陣が充実していることが
物語の説得力を増しているように感じた。
(とくに好きだったのは
安田大サーカスのHIRO、三浦誠己)
北九州がロケ地らしいんだけど、
日本の監督が同じ題材、素材で
これだけ艶やかなものを作れるのだろうか?
というぐらいに日本的な美と退廃が詰まっていた。
NETFLIXクオリティ恐るべし。劇場で見たいけど。
まったく家を出る気が起きず、
そのままドレとジミー・アイオヴォンのドキュメント、
「Defiant Ones」をビンジウォッチングで一気に見終える。



めちゃくちゃオモシロかったー!
この2人がどうやって成り上がったのか?
よく分かるし邂逅後、
今に至るまでその勢いは衰えを知らない。
ドレの過去についてはストレイト・アウタ・コンプトンで
おおいに語られていたし、ヒップホップの歴史本でも
読んで知っていたことが多かった。
それよりも何よりも貴重なのは、
ドレの近年のスタジオワークが垣間見れることに尽きる。
コンソール卓を自在に操り、
Marvin Gaye「I want you」を研究したり、
「Talking to my diary」の録音風景など。
彼はとにかく音楽が好きで、新しい才能を見つけ出し、
自分の音楽をさらなる高みへと持っていく。
コンソール卓前にいるためにkeep doingな
姿勢を貫いているのがかっこ良かった。
後半のシュグナイトにまつわる話は、
知っていることも多かったけど、
2パックの保釈金の件が一番エグみがあった。
もし2パックが真実を知っていれば。。。
みたいな「たられば」を妄想したり。
一方のジミー・アイオヴォンについては
敏腕音楽プロデューサーぐらいの知識しか知らなかったので、
この部分が一番エキサイティングだったかも。
もともとスタジオエンジニアだった彼が、
プロデューサー、CEOといった形で
確実なヒットをものにしながら権力を拡大していく過程が
アメリカっぽいなーと思った。
とにかくジミーのビジネスセンス、
マーケティング戦略、先を見通す力がハンパなき。
一番オモシロかったのはNINとの契約を巻くところ。
すでにNINがインディーレーベルと7枚分の
契約を巻いていたがゆえに手出しできなくなっていた。
他の音楽会社が訴訟で争う覚悟だったのに対して、
彼はそのインディーレーベルを抱き込むために
1年間毎日電話し続けたらしい。
物事を最短距離で前に進める方法をよく考えて、
活路を見いだせばそこに注力することで事態を変えてしまう。
その腕力で業界を生き延びていることが分かる。
結果的にスタジオエンジニアだった彼が、
音質に厳しいこだわりを持ったドレと
スピーカー・ヘッドホンのビジネスを担うのは
自然な流れのように思えるし、
アップルへの売却、ストリーミングサービスの参入といった、
一連の流れの鮮やかさには舌を巻かざるを得ない。
すべてのヒップホップラバー必見の名ドキュメンタリー。
そして見終わってすぐにbeats xを発注。
ハムカツを自分で揚げて晩ご飯を食べながら、
「だれかの木琴」をNETFLIXで鑑賞。



なんとなく邦画見たいなーぐらいの軽い気持ちで見たのに、
結構グッとくる作品で好きだった。
まず冒頭の音楽がめちゃくちゃグルーブあって、
誰だこれと思ったら、まさかのMitsu the beats!
この時点で心掴まれるし、そこで日常生活を
丁寧に描いているところも良い。
池松君演じる美容師とそこでお客としてくる、
常磐貴子演じる奥様との関係性の話。
凡百の映画だと恋愛不倫物語へと流れていくのだろうけど、
この作品は安易に流れずに不思議な空気を持ったまま、
なんとなく物語が進んでいく。
そして映像自体もショットの位置、カット割り、
音楽の演出すべてが一筋縄ではない。
歪さを常に抱えているところが好きだったポイント。
人間同士のゆるやかな繋がりを
ダイレクトに求めてもいいじゃないというメッセージも
今の社会では機能するような気がする。
そっから「アナイアレイション」を見始めるも、
さすがに疲れてきて少しだけ見て寝た。

3月25日
朝起きると家の前がマラソン大会のコースになっていて、
沿道に立っている人がランナーに向かって、
「ガンバレ」と大きな声で叫んでいた。
ベッドに寝転がってiPhone見てるあいだ、
ずっと「ガンバレ」が聞こえてきて、
過度なポジティブのメッセージは
シチュエーションが異なる状況で浴びせ続けられると、
具合が悪くなるなと思った。
サンドイッチを食べながら「アナイアレイション」鑑賞。



「エクスマキナ」のアレックス・ガーランド最新作。
DNAが拡張していくSF物語でオモシロかった。
好みの問題だろうけど、
「エクスマキナ」の方が好きだったかな。
ほとんど男性が出てこない展開は、
ここ最近あきらかになっている、
ハリウッドにおける男尊女卑へのカウンターなのか。
女性メインの物語になっていた。
自己破壊への欲求をSFと結びつけて語るところが
とてもフレッシュで映像としても物語としても
オモシロくなっていると思う。
とくにラストのクローンとのあれこれは、
コンテンポラリーダンスと映画のセッションの様に見えた。
髪の毛がボサボサになったので美容院へ。
担当の人が喋るタイプの人で会話を合わせて話す。
美容院の人は毎日これやってるのかと思うと、
接客業の中でもかなりハードな部類なのではないかと思う。
あと昨日見た「だれかの木琴」が美容院が舞台だったので、
内容を頭の中で再度反芻して、
イイ映画だったなと改めて思った。
髪の毛さっぱりしたので池袋まで出る。
100円ショップで日用品をストック買いして、
ココナッツディスク池袋店に初めて訪問。
お店は思ったより小さくて適当に物色するものの、
めぼしいもの見当たらず店を後にした。
お店の前の公園の桜がとても綺麗だった。
特にやることもないのでそのまま帰宅し、
再びNETFLIX地獄。「イカロス」鑑賞。



今年のアカデミー賞を受賞したドキュメンタリーで、
めちゃくちゃオモシロかった。
ピョンチャンオリンピックでロシア代表が、
Olympic Athlete from Russiaと表記されていたことは
記憶に新しいと思うが、その背景が収められている。
その背景とは国家ぐるみのドーピング。
やっていることがあまりにもとんでもなさ過ぎて、
現実は小説より奇なりを地でいっている、
ロシアという国家が怖かった。
しかも、このドキュメンタリーがオモシロいのは、
当初ロシアにフォーカスしていなかったところ。
初めはツールドフランスにおける、
アームストロングのドーピングを取材する中で、
監督自身が自転車選手であり、
自分でドーピングを行い検査をくぐり抜けれるか?
というところに主眼を置いていた。
そこで助けてくれたロシアのドーピング検査の権威が、
捜査で追い込まれていく過程に偶然居合わせために、
この作品が誕生しており、すべての経緯が描かれていた。
ドキュメンタリーでハプニングが起こることは
オモシロい内容であることの前提条件ではあるけど、
それがオリンピックの根底を揺るがす内容にまで
発展していくところとロシアの「ヤバさ」が
ビシバシと伝わってくるところがオモシロかった。
あと個人的にはジョージ・オーウェルの「1984」を
下敷きにした後半の構成もアガッた。
というのも今読んでいるところだから。
財務省の文書改ざん問題も1984を下敷きにして、
森達也監督あたりに撮って欲しい。
ここまで読んでお分かりのとおり、
完全にNETFLIX中毒に罹患中。

3月26日
月曜日はいつだって憂鬱。
仕事しながらReplicant FM



タイトルどおり、「ザ・ノンフィクション」であり、
個人的には「家ついていっていいですか?」に近い印象。
ゲストのキャラがあまりに強烈だった。
帰宅後、粋な夜電波をタイムフリーで聞く。
「素敵なダイナマイトスキャンダル」特集で、
ゲストがたくさんいてオモシロかった。
映画を見れていないし、
あまり魅力を感じずこのまま見なさそうなのだけど、
エンディングの末井昭と尾野真千子のデュエットを
劇場で聞くためだけにでもいいくらい2人の曲がよかった。

3月27日
初めてbeatsxを付けて出勤。
コードレスになるだけで相当ストレスフリーだし、
Beatsなんだけど、そこまで低音強くないのでちょうどいい。
Defiant Onesの影響でDre作品ばっかり聞いていて、
今日は「The Chronicle」
昔、HIPHOP聞き始めたときは
ウエストコーストサウンド苦手だったけど、
今聞くとフレッシュでかっこよく聞こえた。
(ジミー・アイオヴォン曰く、
当時音質の点でぶっちぎりだったというエピソードも反芻しつつ)
少し残業したのちに喜楽でもやしそばを食べる。
渋谷のラーメンの王道だろうけど初めて行った。
これは癖になる系だなーと思ったし、他のメニューも食べてみたい。
TSUTAYAでCDをパパッと借りたのち、
ヒューマントラスト渋谷で「聖なる鹿殺し」鑑賞。



「ロブスター」と同じ監督の
ヨルゴス・ランティモスだったので、
とても楽しみにしていた。
バッドマインドになること必須だけど、
どこかファニーな空気をまとっている不思議な作品だった。
前回のもろにファンタジーなところから一転、
今回はリアリスティックな世界。
ただし「理不尽なことに立ち向かう」というテーマは
共通しているところかな?
この作品はとにかく撮影と音楽が圧巻。
フォローアップするようなショットや、
ワンショット、そこからのズームなど、
柔軟なカメラワークがとてもオモシロい。
さらに、そこへ加わる音楽は現代音楽さながらの
ストリングスを使った歪な音だらけ。
そのボリュームやタイミングが
映画内での出来事の不穏さを加速させていた。
地位も名誉も金もある人間が、
自分のおかした重大なミスの責任を取らされる形で、
自らの家族の命が危うくなる。
このパターンは色々あると思うんだけど、
家族が罹患する奇病の設定がめちゃめちゃ悪質で、
「よくこんなこと思いつくよな」と思った。
(哭声にも少し似ているかも)
主人公自身が医師で最先端の医療を子どもに
受けさせているのに事態が解決しない。
社会で比較的万能な存在であるにも関わらず、
強烈な無力感を味わうことになる地獄が見ていて辛かった。
そして、その地獄をもたらすのが
明らかにイケてない風の高校生なのもオモシロい。
顔はボーっとしているのに言うことは子憎たらしい。
持たざる者が持っている者を凌駕する残酷さがあった。
とはいえブラックユーモアになっているところも多く、
何と言っても終盤のルーレットの展開は
くだらなさと残酷さが同居する最高のシーンになっていた。
監督のインタビューがとてもオモシロかったので、
見た人は参考まで。
Yorgos Lanthimos on His New Film The Killing of a Sacred Deer
夜遅くに帰宅しお風呂→即寝。

3月28日
仕事中に聞いた新しいNiseko Vibes が最高で、
思わずPCの前でビートに乗ってしまった。
いろんなジャンルを横断しているのに、
とても統一感があるのが本当にかっこいい。


帰宅後はNETFLIXで「フリント」を見ながらご飯。


デトロイトにフリントという街があって、
そこの警察に密着したドキュメンタリー。
全米で3本の指に入るくらい、
治安がめちゃくちゃ悪く地場残業もないので
収入が少なく雇える警官も少ない。
しかも街の水道水は亜鉛で汚染されている。
まさに地獄絵図の街で働くことの大変さ、
警官の仕事の苦悩が描かれている。
あまりにも治安が悪いので警察が
通常よりも踏み込んでいるところが怖い。
少しでも怪しかったらソッコーで捕まえるし、
ジャイアニズム炸裂しまくり。
警官のアフリカ系アメリカンに対する態度、対応が
あからさまにひどいという話と、
それによって掻き立てられる警官への憎悪。
すれ違い続ける違いの感情のギャップが埋まる日は
いつやってくるのだろうかと思わざるを得ない。
基本F*uck the Policeな姿勢だけど、
警官いるから当たり前の治安が
維持されているのだなと思ったりもした。
お風呂から出ると体に湿疹が出ていることに気づく。
病院行かなきゃいけないけど
休めそうにないから土曜日まで様子を見ることに。
寝る前になんとなくMacbookのOSを
Sierraにアップデートするように仕掛けておいた。
動かないソフトが出ないことを祈りつつ。

3月29日
朝から打ち合わせ。
帰りの道中にやっとジョージ・オーウェル「1984」を読了。
一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)
ジョージ・オーウェル
早川書房
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海外文学のクラシック読むという
今年の目標をまた1つ達成できた。
と同時にあまりに今の日本の状況と
タイムリーに合い過ぎていて身の毛がよだった。
(解説を寄せているピンチョン曰く、
改ざんなんて日常茶飯事だぜってことらしいけど)
過去を改ざんしあったことをなかったことにする。
自分の都合のいいように解釈する。
相反する2つの事象に対して、それが相反することを認識しつつ、
自分の都合の良い方のみ信じてしまう二重思考。
1948年に書かれたにも関わらず、
的確に今の時代の病理がこの作品から見えてくることに驚いた。
人間として潜在的に備わっている能力であり、
それは時代を問わなくてインターネット時代になって、
可視化されているだけなのだろうか。
ディストピアの細かい設定だけでも十分楽しめるんだけど、
恋愛と裏切りといった物語自体もオモシロい。
終盤の拷問シーンは圧巻で、
自分の都合が悪くなったときに
すぐ人のせいにしてしまう習性あるから、
そんなときにこのシーンを思い出すと思う。

3月30日
今日は仕事午前中だけで午後は全体会議。
早めに終わったので、
TOHOシネマズ新宿で「レッドスパロー」鑑賞。



イギリスで元ロシアのスパイが暗殺されるという、
非常にタイムリーな事案が最近発生していて、
それを考えたりするとオモシロかった。
何よりも久々のジェニファー・ローレンスが
とにかく魅力的でそこだけで十分楽しめる。
ハンガーゲームシリーズからの解放で、
これから色々な作品で見れるのかも。
(ダーレン・アロノフスキーのマザーも早く見なければ…)
ジェニファー・ローレンスの言葉では表現できない、
フィジカルの魅力がいかんなく発揮されていた。
当然セクシーな部分も包含しているのだけど、
「躍動感」という言葉が一番近いかな。
俳優の動きが映画を引っ張っている気がする。
過去にiCloudから写真が流出したことへの
カウンターを映画内で見せているのだけど、
それがことごとく鮮やか過ぎて超かっこいい。
最近の#metoo運動も密接に結びついていて、
女なめんなよ!なスタンスがビシバシ伝わってくる。
スキャンダルも肥やしにして芸術へと昇華してしまう、
ジェニファー姉さんに一生ついていきたいっす。
バイオレンスシーンもかなり攻めていて、
とくに拷問シーンはどれも良くて、
人間ピーラーとかロシアは本当に使ってそうに思えた。
終盤にどんでん返しちゃう系で、
それが割とうまくいっているのだけど、
いかんせん長いからはよ終われ的な気持ちになったのも事実。
でもラストシーンの余韻がかなりよかったので無問題。
家帰ってチューハイ飲んですぐに寝た。

3月31日
早く起きて皮膚科へ。
9時についたのに50人待ちですと言われて驚愕。
ただ番号もらってインターネットで
どこまで進んだか見れるので一旦帰宅。
僕のあとにきたおばあさんは、
明らかにインターネットを見れない感じで、
病院側もこんなに混んでいる土曜日に来なくても、
平日はもっと空いてるからというニュアンスで話していて、
これが情報格差なのか。と思ったりした。
そのあと本を借りに自転車で図書館へ。
公園の桜が満開になっていてたくさんの出店があった。
ささっと本を借りて帰りに水土しか空いていない
近所のパン屋でパンを買い、
OLの休日の朝食のようなご飯を食べた。
適当に「フリント」見つつ、
ミックスのジャケット作ったりする。
病院の番号が近づいてきたので、
病院で診察を受けたけど自然治癒で治るタイプだから
大丈夫と言われるものの心配。
とりあえず経過を見守ることにする。
帰宅してmixcloudにmixをアップロード。



2017年の好きな系ミックス。
いろんなジャンル横断していきたい気持ちで作ったので、
聞いてもらった人に良き出会いがありますように。
自宅のiMacのOSが10.6.8で
ほぼ置物扱いしていたんだけど
El Captainに一気にアップグレードできることを知ってOSを更新。
と同時に10年近く使っていたProtoolsと
mboxのインターフェースが死亡!
同時に無数のセッションファイルも死亡…
急遽オーディオインターフェースを買い換えることにした。
DJミキサー繋ぎたくてラインインがあるのを探して
長時間検討した結果、NIのKOMPLETE AUDIO 6を発注。
Protools死んだから付属でついてくるAbleton Liveか、
CUBASEの使い方をマスターしなければ。
映画行こうと思っていたけど疲弊しダラダラして就寝。

2018年3月20日火曜日

2018年3月 第3週

3月12日
森友問題が想像を超える展開になっていて絶句した。
問題発覚当初、ゼロ回答を続けたのち、
やっとのことで提出された文章が
「改ざん」されたものだったなんて。
しかも「改ざん」のレベルがほぼ別物というくらい。
さらにそれが決済済みの書類なのだから信じられない。
これを「書き換え」と呼んで何とか誤魔化して
乗り切ろうとする神経も信じられない。
辞めること=責任取るとは普段あまり思わないほうだけど、
これで辞めないなら何やってもOKでしょ。
事後調査が第三者ではなく、
改ざんに手を染めた当事者が進めるのも信じられない。
改ざん不可、保存期間延長と情報開示の透明化について、
確実に立法して二度と起こらないように仕組み化して欲しい。
仕事中はPUNPEE「Modern Times」の
オーディオコメンタリーを聞いていた。


シングルでいかにバイラルヒット作れるか、
というトレンドの中でアルバムで作ることの意味、
ストーリーテラーとしてのPUNPEEの才能がよく分かった。
印象的なのは、MDを友達に配るような感覚で、
音楽が広まっていって欲しいという話。
今の時代はそれがプレイリストなのだろうな。
帰宅後、料理しながら粋な夜電波を聞いた。フリースタイル。
オープニングでかかっていたニューソウル超かっこよかった。
日記を書きながらNW9、報道ステーションと
立て続けに見るものの食い足りず。
色々と怒りの気持ちを書いたものの、
今どんなエンターティメントよりも
オモシロいと思ってしまう矛盾を抱えている。
政権がこれまで散々揶揄し続けた
朝日新聞からのカウンターが想像以上の破壊力なのだから。
スポットライトみたいに5年後くらいに映画化されて欲しい。
そんな胆力ないし需要がないか。

3月13日
仕事の丸投げが多くて憂鬱。
とりあえずボール投げとけ的なぼんやりした仕事。
帰りに喫煙所で煙草を吸っていたら、
ヤンキーが2人乗りしながら
尾崎豊の「I Love You」を歌いながら
目の前を通り過ぎていった。

3月14日
気温ぐんぐんグイグイ上昇。
出かけのタイミングで上着なしと判断して
外でたらコート着ないだけで、
体が身軽になり春の訪れを感じた。
朝の準備中、通勤中にSession22の森友学園特集を聞いた。
過去の国会答弁、籠池さんのインタビューを交えた、
論点整理と虚偽の横行っぷりがよくわかった。
何が問題かわからない人は、
これ聞くだけで流れが分かると思うのでおすすめ。
政治に興味持っていない人が多いから、
こんな舐めたことやられてることに気づいてほしい。
すべてが明らかになるまで興味を持ち続ける姿勢が
何よりも大切だと本当に思っているので。
今日はホワイトデー。貰った分のお返しをする。
バレンタインとホワイトデーの文化を
同調圧力に思ってしまうぐらいにひねくれている。
それなりのものをもらうと、
それなりのお返しをせねばならなくて、
インフレ化しているような気がするのだ。
仕事中はJamma Deeのミックス。
cosmopolyphonic radioのゲストミックスで存在を知った。
(Joyce WriceのRemixもナイスな仕事!)



R&Bからハウス系への移行がめちゃスムーズでかっこいい。
とくにRunawayのハウスリミックスが超イケてた。
帰ってご飯食べながらFDを見る。惰性の塊だった。
初代のときよりもチャレンジャーの技量に
番組のオモシロさが依存しすぎていると思う。
口直しといわんばかりに
BES & ISSUGI「Boombap」のPVを見た。
あまりにもかっこよすぎて3回繰り返して見た。



なんとなくミックス作りスタート。半分くらい完成。
DOMMUNEのアーカイブを見ながら就寝。

3月15日
仕事中に聞いたLeftoの新譜ミックスが超よかった。



新譜のアンテナばきばきの状態だったので結構回復できた。
とくに好きだったのはPhonte
Foreign ExchangeとかThe Rootsを含めた客演仕事で
名前をよく見かけたのだけど久々のソロ作が調子いい。



家に帰ってからNETFLIXで「ラブ」を見た。
いよいよ後半にさしかかっているんだけど、
ファイナルシーズンはやや失速気味か。。
サイドストーリの構成比が高すぎたかもで、
肝心のメインの2人の物語がやや希薄。
とか言いながらも最後まで見るんだけど。
ドラマ見るの飽きたので、
2017年好きだったアルバム系のミックスを
取り急ぎ完成させてみた。
相変わらずBPMの奴隷なので自由に作りたいところ。
バウンスしながら就寝。

3月16日
昨日作ったミックスを聞きながら出社。
ええやないか、ええやないか。(自己評価過大)
しっくりくるタイトルが思いつかないため寝かせる。
金曜日は新譜の日。この2枚が好きだった。





仕事を定時ダッシュして5lackのワンマン@リキッドルーム
1月にJoey BadA$$の前座のときに初めてライブを見て
「適当」とは程遠いしっかりした
パフォーマンスだったことも記憶に新しいのだけど、
今回のライブはさらに素晴らしくて感動した。。。
新旧のヒットを織り交ぜつつ、ゲストもてんこ盛りで
キャリアを振り返るようなライブ構成。
大きく分けて2部構成になっていて、
すべてというわけではないけど
前半は東京にまつわる曲が多く、
後半は福岡に向かう飛行機の
搭乗アナウンスから始まるという仕掛け。
(後半のスタンドマイクを使った
パフォーマンスがかっこよかった。)
5Oとしてのリリースがあったばかりなんだけど、
そこからの曲は「もういい」のみ。
ただこの曲の鳴り方が本当にハンパなくて、
OLIVE OILぶっちきりかよ!と。
さらにこの曲の5lackのビートへのアプローチも
このビートをこんな風にラップできるのか!
と改めてライブで見て感動した。
ゲスト陣も豪華で、Rudeboy Face、
ISSUGIを迎えてのSICKTEAM、
JJJ with Kid Fresino、
GAPPERを迎えてのPSG、KOJOE。
Rudeboy Faceはまさかの1曲目で度肝抜かれた。
この曲はBudamonkトラックに
Rudeboy Faceを招くという
5lackのプロデューサーとしての
審美眼がよく分かる曲だと思う。めっちゃ好き。
ISSUGIとのSICKTEAMは超タイトなステージング。
ぶれずに自分の好きなもの信じるものだけ、
突き詰めてきた男たちの生き様が出てた。
JJJとの「HPN」ではKid Fresinoがステージに登場した。
直接言及するわけではなかったけれど、
誰に捧ぐ曲なのか考えればどうしたって目頭が熱くなる。
ISSUGIとのSICKTEAMは超タイトなステージング。
ぶれずに自分の好きなもの信じるものだけ、
突き詰めてきた男たちの生き様が出てた。
PSGはPUNPEE「Straight outta bullet 」からの、
「愛してます」でぶち上がり。
昔の曲を生で聞けたこともとても嬉しくて、
当時大学の仲間と聞きまくってたことを思い出した。
5lackの曲をまとめてライブで聞くと、
メロディセンスが本当に素晴らしいなーと改めて思う。
ワンループで派手な要素がなかったとしても、
メロディとフロウで魅力が増している曲が多い。
次のアルバムはいつ出るのか分からないけど楽しみ。
帰りにライブに来ていた松田龍平とエンカウントして、
その神々しいオーラに圧倒されてから帰った。

3月17日
誘われるがままにビクターロックフェスへ。
近年のビクターの躍進が凄まじいものがあって、
今回のフェスも豪華なので参加した。
着いてすぐに見たのは、
never young beach、Yogee New Waves。
2ステージ制で交互に見に行くスタイルなんだけど、
朝イチに似たような系統のバンドを
続けて見させるビクターに悪意を感じる。
結論、Yogeeのほうが好きだわーと思った。
リファレンスにしている音楽の違いなのかな?
誰か音楽理論的に解説して欲しい。
次はSoil & Pimp Sessions
元晴が抜けてから初めてのライブ。
どんな感じなのかなーと思っていたけど
相変わらずの勢いを持ったデスなジャズで最&高。
タブゾンビのTp片手吹きは何度見ても上がらざるを得ない!
ぼくりり参加の「罠」Rhymester参加の
「ジャズィ・カンヴァセーション」を
立て続けに披露していたけど、
やっぱりぼくりりは好きになれないし、
Rhymesterのキングオブステージっぷりが圧巻だった。
そのRhymesterは最新アルバムの曲が多い構成の中、
DJ JIN 2枚使い→KUFUの展開が生で聞けてよかった。
(Mummy-Dバースは「廻し蹴り」仕様)
この日の目当てのひとつだった
KICK THE CAN CREWは
30代おじさん嬉ション案件で
往年のヒットシングルのつるべ打ち。
13,14歳で好きになったアーティストを
約15年越しに見るという感動。
(「TORIIIIIICO!」「イツナロウバ」とか
まさか過ぎて笑った。)
当時は歌詞の意味をそこまで理解してなかった分、
sayonara sayonaraがとても真っ当で
ポジティブなことを歌ってて良かった。
フェスの醍醐味は知らないアーティストに
出会えることだと思っているのだけど、
そういう意味で一番の出会いだったのは雨のパレード。
80’sオマージュビンビンの曲があって相当アガッたし、
ストイックなドラムとシンセの素敵なマリアージュ。
ただサビがもろにJなノリなので残念な気持ちになる。
そのJと80’sの混ぜ方が抜群なのがレキシ。
ライブ中に稲穂を振るという文化があるらしく、
会場で稲穂を持った人が大量にいて異様な光景だった。
アドリブ地獄とそれに呼応するバンドのレスポンスが
とにかく抜群でふざけているけど、
曲めっちゃいいというギャップが最高すぎた。
大好きな世襲制の曲「KATOKU」も聞けて感動。
最後はGRAPEVINE。
新しいアルバムは好みな曲が多くて楽しみにしていた。
ベテランの貫禄が凄まじく超かっこよかった。
気をてらうことなく自力の強さがビシビシ伝わってくる。
ギターディストーション系のサウンドは
普段そんなに進んで聞かないのだけど、
ライブ踏まえて改めてアルバム聞けば印象が違うのだろうな。
やり続けている強みをここでも改めて感じた。
だらだらと書いてきたけど、
この日一番驚いたのはオレンジレンジ。
僕らの世代にとってはミクスチャーヒップホップの
懐メロになっていると思うんだけど、
ロックバンドへとシフトし、
完全に世代入れ替えに成功していた。
こういうの見るとタコツボ化が進んでいることを実感する。
実際、オレンジレンジクラスタの若い子のグループが
キックの懐メロだらけのライブから途中離脱したのが印象的。
事件は現場で起きているし、
それを体感することが大事だなと思った。

3月18日
昨日の疲労が全く抜けないので近くのスーパー銭湯へ。
入浴→サウナ→生ビールという
最高のコースでリラックスできた。
帰ってから友達にレコメンドされた
NETFLIXの「クィアアイ」の1話を見る。



昔からあるリアリティショーで
NETFLIXでメンバーを新たにリブートしたらしい。
メンバーとしてゲイ5人をに迎えて、
「イケてない」男性を「イケてる」男性に生まれ変わらせる。
これがあまりにも素晴らしすぎて…めちゃめちゃ感動した。
5人はファッション、インテリア、料理など、
それぞれがプロフェッショナルな領域を持ち、
男性を改造していくというもの。
この番組のオモシロいところは外見だけではなくて、
その人が今の状態に至る経緯、背景をふまえて
内面から入れ替えていこうとするところが興味深いし、
卑屈ネガティブの塊の僕にとっては
身につまされること山の如し。
もうすぐ4月だし新たなスタートに向けて、
ステイポジティブで3月を乗り切りたい!

2018年3月12日月曜日

2018年3月 第2週

3月5日 
春の嵐に直面して暴風と雨にまみれながら帰宅。 
帰宅後、粋な夜電波を聞きながら、 
ムースーロー、小松菜としめじの煮浸しを作る。 
煮浸しを作るテクニックが向上して嬉しい。 
今週はスペシャルウィークでソウルバー2週目。
先週に続いて小躍りするしかない抜群の選曲。
ベタな曲でも並べ方、混ぜ方次第で
フレッシュになるというお手本のような気がした。
音楽を聴きながら日記を書いていたら、
冗談だと軽く受け流していたことが
現実に起こったことだと知り、
めちゃくちゃバッドが入ってしまった。
人が亡くなることについて真剣に考えたようで、
実は考えたことがないことをまざまざと思い知った。
本を読んだりして「死」との距離感を 分かった気になっていたけど、 
現実に直面するとこんなに自分がモロいのか。 
どうにもならない現実だけが横たわっている。
自分の人生が有限なのは自明で、
いつか死ぬことは頭のどこかで理解しているのだけど、
それが目の前に迫ってくることは
日常でめったに遭遇しない。
しかも仕事が目の前にあって、
それと天秤にかけなきゃいけない状況、
結果的に優先事項を仕事としている自分。
どれもに嫌気がさした。
生きてるってなんなんだと思い始めて
頭の中でグルグルと混乱してしまい
友人たちに電話して少し落ち着いた。
音楽でも聞こうと思って、
なんとなくDonny Hathaway のライブ盤をかけてたら、
「You’re got Friend」が流れてきて号泣した。


3月6日

朝、東京ポッド許可局。
「下町」という言葉がつくと免罪される、
っていうくだりがオモシロかった。
「下町ボブスレー」はいい感じに聞こえるけど、
「六本木ボブスレー」は
ヤダ味全開になるのオモシロすぎる。
Starchild & the New Romantic「Language」を聞きながら出勤。



SolangeBlood Orange関連の仕事で
名を挙げているシンガーらしく、
80’sと現代をつなぐようなサウンドが最高に気持ちいい。
全体にローファイなのも今のトレンドっぽくてかっこよい。
今日は年1回の超重要面談だったけど、
昨日のことが気にかかり前向きになれなかった。
友人と連絡を取り合うものの、
結局自分の中では何も消化されない。
いや、そもそも消化しようとしていること自体、
どうなんだみたいな禅問答のループに陥る。
面談自体は無事に終わり結局23時前まで拘束されてから帰宅。
「やりがい」という名の餌をぶら下げられて、
それを必死に追い続けることに喜びを感じれるのかどうか。
仕事との向き合い方は人それぞれ。
帰宅途中の電車内でレイモンド・チャンドラー
「ロング・グッドバイ」をやっと読了。



ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)
レイモンド・チャンドラー
早川書房
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1ヶ月ぐらいかかったけど古典を読むという
今年のささやかな目標の第一歩として良かった。
私立探偵が主人公のミステリーで、
お話自体オモシロいし、本筋から離れた横道の逸れ方、
独特の言い回しも好きだった。
すぐ風になびいてしまう性格なので、
主人公のぶれない生き方は見習いたいものよ。
作品以上にオモシロかったのは、
新訳を手がけた村上春樹の解説。
チャンドラーがどうして凄いのか?という考察の深さが
書評というレベルをはるかに超えていて震えた。
文学部で勉強することって、
こういうことなのかなーと思うと、
それはそれはとても楽しそうに思える。
(けど実際に勉強としてタスク化してしまうと嫌になるのかな。)
主人公自体が仮説立てでしかなく実在性を極めて薄いとか、
春樹のことを食わず嫌いした人生を歩んできたけれど、
もう少し寄り添ってみようかな春樹に。
Penのオーディオ特集の記事もオモシロかったし。
外でご飯食べて家に着くと24時前で心底嫌気がさしたので、
ワインをグビグビ飲んでさっと寝た。

37
疲労困憊でもう金曜日じゃないのかと勝手に思いこみたい。
昨日の会議の余韻でもろもろやりつつ。
ウイスキーのことが話題になり、
Amazonでウイスキーの1番上のレビューを見ると、
何ともいえない気持ちになった。
今期の振り返り面談もあったけど
前に進んでいるのか、進んでいないのか。
そそくさと帰宅して鉄火丼を作って食べながらFDを見る。
先週の熱量はそこにはなく、
最近よく見る惰性の風景が流れていた。
友人と密かに応援している裂固が勝って嬉しい。
日記を書きながらETV
ねほりんぱほりんの介護士の回を見る。
介護問題は明らかに今後顕在化する課題なのに
労働者の待遇が改善されていない実情を知る。
お年寄りがお金を持っているはずなのに、
その世話をしている介護士にお金が下りてこないのは
どうしてなのだろう。自分たちがおじいさんになったときには
どんな世界になっているのだろう。
究極少子高齢化社会になっているとすれば、
虐待されてしまうだろうな。口悪いから。
そのまま勢いでanone鑑賞。
SNOWを楽しむ幸せそうな「家族」が離散していく
序章の回で心苦しかった。ここまでついてきた嘘、
避けていたことがすべて表面に出てきてしまう。
それはまるで自販機で偽札を判定するかのごとく。
清濁併せ呑むことができない社会へのメタファーとして
集約されつつあり来週以降どうなるのか。
モヤモヤしながら寝た。

38
朝、取引先に直行するため丸の内線に乗ろうとすると
車椅子が2台並んで電車を待っていた。
この通勤時間帯に…という車内の空気をひしひし感じた。
2年後のオリンピックのときはどうなるのだろう。
こんな排他的な空気で受け入れられるのだろうかといつも思う。
打ち合わせ終了後、ある件についてお断りの連絡をしたところ、
実際に約束していたことを裏切ってしまうことは
心に負担がかかるなーと感じる。
こっちが100悪いのだけれども戻って仕事。
日本のヒップホップ聞きたくなり、
自分のmixと後輩のmixを聞く。






これはリピート再生に耐えうる仕上がり(自己評価過大)
好きな曲ばっかりやわーと思ってたら、
この曲が流れてきて目が潤む。




同じ曲でも自分が経験したことで、
全く異なる響き方になることを思い知った。
残業せずソッコー帰宅。
帰路の電車で「あたらしい無職」読了。


あたらしい無職 (SERIES3/4 2)
丹野未雪
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前に模索舎でなんとなく買った1冊だったけれど、
人の日記はいつだって最高にオモシロい。
30代女性の無職→仕事→無職となった過程について
日記で語っている作品。
無職になることがどういうものなのか?
ハローワークに行く描写や日々の生活から
ビシビシ伝わってくる。
この日記のとくにオモシロいところは、
仕事関係のことについてかなり細かく書いている点。
まるで自分もその職場で働いていて、
登場人物たちを見ているかのようだった。
終盤にかけてお金がなくなり切羽詰まっていく姿は
とてもリアルでスリリング。
東京ならではなのかもしれない。
そこまでして東京にステイする意味を考えさせられた。
PC1つあれば、どこでも仕事できるとしても
絶対的な仕事量、人間関係の豊かさは東京が優れている点。
その恩恵に預かって僕の仕事人生も成り立っている。
あと興味深いのは近年の労働市場が見えてくるところ。
有効求人倍率が過去最高となっている中でも
給料自体はよくなっていない実態が分かったり、
なんとなくハローワークはおじさんばっかりと
勝手に思っていたけど性年代バラバラに
色んな人が来ているとか。
日記本、これからも進んで読みたい。
帰宅後、残り物で肉団子 with あんかけをつくり、
その味が美味しくて感動した。
なんとなく作って美味しいものができる自炊の醍醐味。
友人からレコメンされたブラックミラー3-4を見た。
シーズン3でまだ見てないエピソードあるけど先に鑑賞。
タイムリープものかと思いきや、
意識をクラウドにアップロードするという
テクノロジーの話だった。
メインは80年代なのだけど、その描き方が丁寧で、
なおかつ80’sの音楽かかりまくりなのでテンション上がる。
抑圧された人生からの解放の喜びがとても大きいので、
同じ時代に生きつづける虚無感という
ブラックミラー特有の皮肉の部分がかなり弱くなっていて、
このパターンは初めてで新鮮。
他にも色々レコメンされてるから見たい。
「ラブ」のシーズン3も始まるし。
ミックス作ることにしたので、
色々チョイスして流れを確認する。
カット&ペーストではなく今だに手動で作っているので、
そこそこ時間かかるけど
自分の好きな曲だけのコラージュは楽しい。

3月9日
行き帰りの通勤電車の中で、
松尾スズキ「東京夫婦」を読了。



東京の夫婦
東京の夫婦
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松尾スズキ
マガジンハウス
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いっとき、松尾スズキ著作を読みまくって、
大人計画の舞台を見に行ったりしてたけど
最近はほとんど触れていなかった。
すっかりセレブ感の漂う私生活が赤裸々に
書かれている1冊なんだけど、
そこは松尾さん単なる自慢話で終わることもなく、
生活から考えること見えることがやっぱりオモシロい。
タイトルにあるとおり、2回目の結婚生活を迎えていて、
子どもを作らずDINKSとして生きることの矜持が
なるほどなーと思った。
「ほぼ、ゲイ」というタイトルの話だけでも
興味ある人は読んでみたらいいと思う。
子どもいなきゃいけない同調圧力は
社会で生きているとひしひし感じるし、
他人が本来首を突っ込むことでは無い気がするのだけど、
どうしても避けては通れないのだなと。
自意識過剰と言われればそれまでだし、
そもそも結婚していないので当事者でもないのだけど。
あとは自分の親のこと。
介護が必要なフェーズは誰にでも訪れることで、
少子高齢化がさらに進むこれからの時代において、
もう少し真剣に考える必要があるのかもしれない。
読書は人生の予習なのである。という観点で勉強になった。
「ブラックパンサー」をユナイテッド豊島園で鑑賞。




久々のIMAX3Dということもあり超楽しかった!
前回のアベンジャーズで唐突に登場したキャラクターで
今回初めての単独作なんだけど、
アイアンマン1以来の会心の一撃だと思う。
伝統と革新の融合が無理なく実現していて、
それが逐一かっこいいのだからたまらない。
とくにテクノロジーの提示が実現しそうな
少し先の未来のテクノロジーなのが見ていて興奮した。
(もし見るならIMAX3Dを大推奨!)
さらに本作が特別に輝いて見えるのは、
HIPHOPが映画内の音楽のメインに据えられていること。
しかもKendrick Lamarが監修し、
さらにオリジナルサウンドトラックまで手がけている。
この曲の数々がどれもめちゃかっこいいし、
適材適所の場面で使われている。
一番好きだったのはカーチェイスのシーンでかかる、
Vince Staples「Opps」
韓国の夜景との相性バッチリで最高最高のシーンになっていた。
基本的に「内紛」の話で、しかもメインの戦いは
血の繋がりがあるもの同士の果たし合いという息の詰まる展開。
この戦いを乗り越えた先に提示する
「争い」ではなく「共有」すればいいのだという概念は
下手な授業、講釈を聞くよりもよっぽど身にしみる。
そしてエンディングに流れ、オープニングシーンと呼応する、
「All The Stars」の万能感で最高最高!な気持ちに。
上映前のインフィニティ・ウォーの予告も
かなり高まる感じだったので、これからもMARVELは要注目。
全部スルーしてるマイティーソーシリーズの
フォローアップから始めよう。

3月10日
昼過ぎに起床。
ホットケーキミックスでパンケーキを焼いて食べた。
ホットケーキミックスのパッケージに書いてあったけど、
ホットケーキとパンケーキの違いって水分量らしい。
パンケーキのほうがしゃばついていると。本当なのか。
ググればすぐ分かるんだろうけど、
それを調べるのも面倒などうでもいいことで
世界は構成されている
それはともかくB-Boyはパンケーキではなく、
SLACK&16FLIP謹製のホットケーキを食べるべきなのだ。
最高最高だと思うよ。


見たい映画を調べたら夜遅い回しかなくて家でダラダラする。
NETFLIXでラブのシーズン3を見始める。




これがファイナルシーズンらしい。
過去2シーズンほど、主人公2人の関係が悪化しないので、
見所は少なく見えるけど、サブキャラクタで補われている感じ。
少し早めに家を出て紀伊国屋書店を散策。
紀伊国屋の最上階がディスクユニオンの
新しい店舗ができていて、
OPENしたばっかりなのでおじさんだらけだった。
軽く流し見たけど目ぼしいものはなかったので、
欲しかった漫画だけゲットして
地下のモンスナックでコロッケカレーを食べた。
向かいの席に俳優の人がいたのだけれど名前が分からず。。。
これはGoogleでたどり着かない気がする。
TOHOシネマズ新宿で「ダウンサイズ」鑑賞。


アレクサンダー・ペイン監督最新作。
これまで人間の機微を描いてきた監督なので、
人間が小さくなるという急にSFは謎すぎる!
と思ったことは杞憂で、
しっかりアレクサンダー・ペインの色に染まっていた。
今の社会において人生の目的、ゴールは何なのか?
ユートピアはどこだ?みたいなテーマ。
数%の人間が富を支配し格差が広がる
アメリカ社会の不平等性をダウンサイジングという
トリッキーな設定で描くところがオモシロい。
お金だけ持っていても、目的がなければ人生は空虚。
このテーマを体現するマット・デイモンの
演技が超すばらしかった。
ふらふらとしながら挫折を繰り返す
パッとしない男を文字通り体現していた。
そんな彼の周りを取り巻く2人がすばらしく、
1人目はクリストフ・ヴァルツ演じるヨーロッパ系お金持ち。
毎日パーティー三昧でそこに生きる意味を見出している。
もう1人はベトナムから亡命してきた女性。
足の一部を失いながらスラム街でつつましく、
そして他社を助けることに生きる意味を見出している。
彼ら2人が天使と悪魔みたいな存在で、
優柔不断な彼は2人の生き方の間を右往左往する。
この2人の演技がまた素晴らしくて、
登場するやいなや物語のギアがグッとあがっていく。
ヴァルツはいわずもがなだけど、
ベトナム人の女性がとても面白かった。
特に彼女が放つ「What kind of fuck?」
fuckには8種類あるというくだりが最高最高!
なんでもスパッと決めれる人、
ぶれない人に憧れるけど、
自分自身は限りなくマット・デイモン的な部分、
つまり流行りだったり、
その場の空気に流されてしまう部分が
どうしてもあるのでかなり刺さった。
悩んでいるときに見返したくなる映画。
終電ギリギリで帰宅し、とても喉が乾いたので
コンビニでビール買って歩きながら飲んで帰った。

3月11日
朝起きて適当に家事をこなし隣駅でラーメンを食べた。
そのまま腹ごなしに歩いて漫画を借りて帰る。
セッション22での漫画特集の影響。
どれも読みたいけどかさばるので
借りれるものは借りて読みたい。
Kindle買えばいいんだろうけど、
非Amazon Prime会員かつ紙面原理主義者なので
躊躇して早数年が経っている。
でもダーレン・アロノフスキーの最新作が
Amazon Primeオンリーで配信らしいので、
それで入ろうかどうか悩んでいる。
家に着いてからTVで311特集が流れていた。
久々に当時の映像を見たりすると、
あのときのことが頭の中を駆け巡る。
あのとき、このブログに考えたことを
ざーっと書いていて今読み返すと、
相当クラってたことがよく分かる。
こういう観点でみてもやっぱり日記最強だなと痛感した。
家でダラダラお酒を飲みながら夕飯食べて寝た。