2018年3月12日月曜日

2018年3月 第2週

3月5日 
春の嵐に直面して暴風と雨にまみれながら帰宅。 
帰宅後、粋な夜電波を聞きながら、 
ムースーロー、小松菜としめじの煮浸しを作る。 
煮浸しを作るテクニックが向上して嬉しい。 
今週はスペシャルウィークでソウルバー2週目。
先週に続いて小躍りするしかない抜群の選曲。
ベタな曲でも並べ方、混ぜ方次第で
フレッシュになるというお手本のような気がした。
音楽を聴きながら日記を書いていたら、
冗談だと軽く受け流していたことが
現実に起こったことだと知り、
めちゃくちゃバッドが入ってしまった。
人が亡くなることについて真剣に考えたようで、
実は考えたことがないことをまざまざと思い知った。
本を読んだりして「死」との距離感を 分かった気になっていたけど、 
現実に直面するとこんなに自分がモロいのか。 
どうにもならない現実だけが横たわっている。
自分の人生が有限なのは自明で、
いつか死ぬことは頭のどこかで理解しているのだけど、
それが目の前に迫ってくることは
日常でめったに遭遇しない。
しかも仕事が目の前にあって、
それと天秤にかけなきゃいけない状況、
結果的に優先事項を仕事としている自分。
どれもに嫌気がさした。
生きてるってなんなんだと思い始めて
頭の中でグルグルと混乱してしまい
友人たちに電話して少し落ち着いた。
音楽でも聞こうと思って、
なんとなくDonny Hathaway のライブ盤をかけてたら、
「You’re got Friend」が流れてきて号泣した。


3月6日

朝、東京ポッド許可局。
「下町」という言葉がつくと免罪される、
っていうくだりがオモシロかった。
「下町ボブスレー」はいい感じに聞こえるけど、
「六本木ボブスレー」は
ヤダ味全開になるのオモシロすぎる。
Starchild & the New Romantic「Language」を聞きながら出勤。



SolangeBlood Orange関連の仕事で
名を挙げているシンガーらしく、
80’sと現代をつなぐようなサウンドが最高に気持ちいい。
全体にローファイなのも今のトレンドっぽくてかっこよい。
今日は年1回の超重要面談だったけど、
昨日のことが気にかかり前向きになれなかった。
友人と連絡を取り合うものの、
結局自分の中では何も消化されない。
いや、そもそも消化しようとしていること自体、
どうなんだみたいな禅問答のループに陥る。
面談自体は無事に終わり結局23時前まで拘束されてから帰宅。
「やりがい」という名の餌をぶら下げられて、
それを必死に追い続けることに喜びを感じれるのかどうか。
仕事との向き合い方は人それぞれ。
帰宅途中の電車内でレイモンド・チャンドラー
「ロング・グッドバイ」をやっと読了。



ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)
レイモンド・チャンドラー
早川書房
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1ヶ月ぐらいかかったけど古典を読むという
今年のささやかな目標の第一歩として良かった。
私立探偵が主人公のミステリーで、
お話自体オモシロいし、本筋から離れた横道の逸れ方、
独特の言い回しも好きだった。
すぐ風になびいてしまう性格なので、
主人公のぶれない生き方は見習いたいものよ。
作品以上にオモシロかったのは、
新訳を手がけた村上春樹の解説。
チャンドラーがどうして凄いのか?という考察の深さが
書評というレベルをはるかに超えていて震えた。
文学部で勉強することって、
こういうことなのかなーと思うと、
それはそれはとても楽しそうに思える。
(けど実際に勉強としてタスク化してしまうと嫌になるのかな。)
主人公自体が仮説立てでしかなく実在性を極めて薄いとか、
春樹のことを食わず嫌いした人生を歩んできたけれど、
もう少し寄り添ってみようかな春樹に。
Penのオーディオ特集の記事もオモシロかったし。
外でご飯食べて家に着くと24時前で心底嫌気がさしたので、
ワインをグビグビ飲んでさっと寝た。

37
疲労困憊でもう金曜日じゃないのかと勝手に思いこみたい。
昨日の会議の余韻でもろもろやりつつ。
ウイスキーのことが話題になり、
Amazonでウイスキーの1番上のレビューを見ると、
何ともいえない気持ちになった。
今期の振り返り面談もあったけど
前に進んでいるのか、進んでいないのか。
そそくさと帰宅して鉄火丼を作って食べながらFDを見る。
先週の熱量はそこにはなく、
最近よく見る惰性の風景が流れていた。
友人と密かに応援している裂固が勝って嬉しい。
日記を書きながらETV
ねほりんぱほりんの介護士の回を見る。
介護問題は明らかに今後顕在化する課題なのに
労働者の待遇が改善されていない実情を知る。
お年寄りがお金を持っているはずなのに、
その世話をしている介護士にお金が下りてこないのは
どうしてなのだろう。自分たちがおじいさんになったときには
どんな世界になっているのだろう。
究極少子高齢化社会になっているとすれば、
虐待されてしまうだろうな。口悪いから。
そのまま勢いでanone鑑賞。
SNOWを楽しむ幸せそうな「家族」が離散していく
序章の回で心苦しかった。ここまでついてきた嘘、
避けていたことがすべて表面に出てきてしまう。
それはまるで自販機で偽札を判定するかのごとく。
清濁併せ呑むことができない社会へのメタファーとして
集約されつつあり来週以降どうなるのか。
モヤモヤしながら寝た。

38
朝、取引先に直行するため丸の内線に乗ろうとすると
車椅子が2台並んで電車を待っていた。
この通勤時間帯に…という車内の空気をひしひし感じた。
2年後のオリンピックのときはどうなるのだろう。
こんな排他的な空気で受け入れられるのだろうかといつも思う。
打ち合わせ終了後、ある件についてお断りの連絡をしたところ、
実際に約束していたことを裏切ってしまうことは
心に負担がかかるなーと感じる。
こっちが100悪いのだけれども戻って仕事。
日本のヒップホップ聞きたくなり、
自分のmixと後輩のmixを聞く。






これはリピート再生に耐えうる仕上がり(自己評価過大)
好きな曲ばっかりやわーと思ってたら、
この曲が流れてきて目が潤む。




同じ曲でも自分が経験したことで、
全く異なる響き方になることを思い知った。
残業せずソッコー帰宅。
帰路の電車で「あたらしい無職」読了。


あたらしい無職 (SERIES3/4 2)
丹野未雪
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前に模索舎でなんとなく買った1冊だったけれど、
人の日記はいつだって最高にオモシロい。
30代女性の無職→仕事→無職となった過程について
日記で語っている作品。
無職になることがどういうものなのか?
ハローワークに行く描写や日々の生活から
ビシビシ伝わってくる。
この日記のとくにオモシロいところは、
仕事関係のことについてかなり細かく書いている点。
まるで自分もその職場で働いていて、
登場人物たちを見ているかのようだった。
終盤にかけてお金がなくなり切羽詰まっていく姿は
とてもリアルでスリリング。
東京ならではなのかもしれない。
そこまでして東京にステイする意味を考えさせられた。
PC1つあれば、どこでも仕事できるとしても
絶対的な仕事量、人間関係の豊かさは東京が優れている点。
その恩恵に預かって僕の仕事人生も成り立っている。
あと興味深いのは近年の労働市場が見えてくるところ。
有効求人倍率が過去最高となっている中でも
給料自体はよくなっていない実態が分かったり、
なんとなくハローワークはおじさんばっかりと
勝手に思っていたけど性年代バラバラに
色んな人が来ているとか。
日記本、これからも進んで読みたい。
帰宅後、残り物で肉団子 with あんかけをつくり、
その味が美味しくて感動した。
なんとなく作って美味しいものができる自炊の醍醐味。
友人からレコメンされたブラックミラー3-4を見た。
シーズン3でまだ見てないエピソードあるけど先に鑑賞。
タイムリープものかと思いきや、
意識をクラウドにアップロードするという
テクノロジーの話だった。
メインは80年代なのだけど、その描き方が丁寧で、
なおかつ80’sの音楽かかりまくりなのでテンション上がる。
抑圧された人生からの解放の喜びがとても大きいので、
同じ時代に生きつづける虚無感という
ブラックミラー特有の皮肉の部分がかなり弱くなっていて、
このパターンは初めてで新鮮。
他にも色々レコメンされてるから見たい。
「ラブ」のシーズン3も始まるし。
ミックス作ることにしたので、
色々チョイスして流れを確認する。
カット&ペーストではなく今だに手動で作っているので、
そこそこ時間かかるけど
自分の好きな曲だけのコラージュは楽しい。

3月9日
行き帰りの通勤電車の中で、
松尾スズキ「東京夫婦」を読了。



東京の夫婦
東京の夫婦
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松尾スズキ
マガジンハウス
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いっとき、松尾スズキ著作を読みまくって、
大人計画の舞台を見に行ったりしてたけど
最近はほとんど触れていなかった。
すっかりセレブ感の漂う私生活が赤裸々に
書かれている1冊なんだけど、
そこは松尾さん単なる自慢話で終わることもなく、
生活から考えること見えることがやっぱりオモシロい。
タイトルにあるとおり、2回目の結婚生活を迎えていて、
子どもを作らずDINKSとして生きることの矜持が
なるほどなーと思った。
「ほぼ、ゲイ」というタイトルの話だけでも
興味ある人は読んでみたらいいと思う。
子どもいなきゃいけない同調圧力は
社会で生きているとひしひし感じるし、
他人が本来首を突っ込むことでは無い気がするのだけど、
どうしても避けては通れないのだなと。
自意識過剰と言われればそれまでだし、
そもそも結婚していないので当事者でもないのだけど。
あとは自分の親のこと。
介護が必要なフェーズは誰にでも訪れることで、
少子高齢化がさらに進むこれからの時代において、
もう少し真剣に考える必要があるのかもしれない。
読書は人生の予習なのである。という観点で勉強になった。
「ブラックパンサー」をユナイテッド豊島園で鑑賞。




久々のIMAX3Dということもあり超楽しかった!
前回のアベンジャーズで唐突に登場したキャラクターで
今回初めての単独作なんだけど、
アイアンマン1以来の会心の一撃だと思う。
伝統と革新の融合が無理なく実現していて、
それが逐一かっこいいのだからたまらない。
とくにテクノロジーの提示が実現しそうな
少し先の未来のテクノロジーなのが見ていて興奮した。
(もし見るならIMAX3Dを大推奨!)
さらに本作が特別に輝いて見えるのは、
HIPHOPが映画内の音楽のメインに据えられていること。
しかもKendrick Lamarが監修し、
さらにオリジナルサウンドトラックまで手がけている。
この曲の数々がどれもめちゃかっこいいし、
適材適所の場面で使われている。
一番好きだったのはカーチェイスのシーンでかかる、
Vince Staples「Opps」
韓国の夜景との相性バッチリで最高最高のシーンになっていた。
基本的に「内紛」の話で、しかもメインの戦いは
血の繋がりがあるもの同士の果たし合いという息の詰まる展開。
この戦いを乗り越えた先に提示する
「争い」ではなく「共有」すればいいのだという概念は
下手な授業、講釈を聞くよりもよっぽど身にしみる。
そしてエンディングに流れ、オープニングシーンと呼応する、
「All The Stars」の万能感で最高最高!な気持ちに。
上映前のインフィニティ・ウォーの予告も
かなり高まる感じだったので、これからもMARVELは要注目。
全部スルーしてるマイティーソーシリーズの
フォローアップから始めよう。

3月10日
昼過ぎに起床。
ホットケーキミックスでパンケーキを焼いて食べた。
ホットケーキミックスのパッケージに書いてあったけど、
ホットケーキとパンケーキの違いって水分量らしい。
パンケーキのほうがしゃばついていると。本当なのか。
ググればすぐ分かるんだろうけど、
それを調べるのも面倒などうでもいいことで
世界は構成されている
それはともかくB-Boyはパンケーキではなく、
SLACK&16FLIP謹製のホットケーキを食べるべきなのだ。
最高最高だと思うよ。


見たい映画を調べたら夜遅い回しかなくて家でダラダラする。
NETFLIXでラブのシーズン3を見始める。




これがファイナルシーズンらしい。
過去2シーズンほど、主人公2人の関係が悪化しないので、
見所は少なく見えるけど、サブキャラクタで補われている感じ。
少し早めに家を出て紀伊国屋書店を散策。
紀伊国屋の最上階がディスクユニオンの
新しい店舗ができていて、
OPENしたばっかりなのでおじさんだらけだった。
軽く流し見たけど目ぼしいものはなかったので、
欲しかった漫画だけゲットして
地下のモンスナックでコロッケカレーを食べた。
向かいの席に俳優の人がいたのだけれど名前が分からず。。。
これはGoogleでたどり着かない気がする。
TOHOシネマズ新宿で「ダウンサイズ」鑑賞。


アレクサンダー・ペイン監督最新作。
これまで人間の機微を描いてきた監督なので、
人間が小さくなるという急にSFは謎すぎる!
と思ったことは杞憂で、
しっかりアレクサンダー・ペインの色に染まっていた。
今の社会において人生の目的、ゴールは何なのか?
ユートピアはどこだ?みたいなテーマ。
数%の人間が富を支配し格差が広がる
アメリカ社会の不平等性をダウンサイジングという
トリッキーな設定で描くところがオモシロい。
お金だけ持っていても、目的がなければ人生は空虚。
このテーマを体現するマット・デイモンの
演技が超すばらしかった。
ふらふらとしながら挫折を繰り返す
パッとしない男を文字通り体現していた。
そんな彼の周りを取り巻く2人がすばらしく、
1人目はクリストフ・ヴァルツ演じるヨーロッパ系お金持ち。
毎日パーティー三昧でそこに生きる意味を見出している。
もう1人はベトナムから亡命してきた女性。
足の一部を失いながらスラム街でつつましく、
そして他社を助けることに生きる意味を見出している。
彼ら2人が天使と悪魔みたいな存在で、
優柔不断な彼は2人の生き方の間を右往左往する。
この2人の演技がまた素晴らしくて、
登場するやいなや物語のギアがグッとあがっていく。
ヴァルツはいわずもがなだけど、
ベトナム人の女性がとても面白かった。
特に彼女が放つ「What kind of fuck?」
fuckには8種類あるというくだりが最高最高!
なんでもスパッと決めれる人、
ぶれない人に憧れるけど、
自分自身は限りなくマット・デイモン的な部分、
つまり流行りだったり、
その場の空気に流されてしまう部分が
どうしてもあるのでかなり刺さった。
悩んでいるときに見返したくなる映画。
終電ギリギリで帰宅し、とても喉が乾いたので
コンビニでビール買って歩きながら飲んで帰った。

3月11日
朝起きて適当に家事をこなし隣駅でラーメンを食べた。
そのまま腹ごなしに歩いて漫画を借りて帰る。
セッション22での漫画特集の影響。
どれも読みたいけどかさばるので
借りれるものは借りて読みたい。
Kindle買えばいいんだろうけど、
非Amazon Prime会員かつ紙面原理主義者なので
躊躇して早数年が経っている。
でもダーレン・アロノフスキーの最新作が
Amazon Primeオンリーで配信らしいので、
それで入ろうかどうか悩んでいる。
家に着いてからTVで311特集が流れていた。
久々に当時の映像を見たりすると、
あのときのことが頭の中を駆け巡る。
あのとき、このブログに考えたことを
ざーっと書いていて今読み返すと、
相当クラってたことがよく分かる。
こういう観点でみてもやっぱり日記最強だなと痛感した。
家でダラダラお酒を飲みながら夕飯食べて寝た。

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