2018年9月24日月曜日

2018年9月 第3週

9月17日
3連休最終日。
夜まで予定がないからダラダラ過ごしていた。
日比谷野外音楽堂でOgre You Assholeのライブを見た。
以前に会社の先輩から教えてもらって、
ライブ盤が好きで結構聞いていたので
初めてのライブはとても楽しみだった。
今回のライブは日比谷に4基のスピーカーを導入し、
特別な体制で挑んでいることを
インタビューで読んでさらに楽しみになっていた。
アナログシンセ?をそれぞれのメンバーが鳴らし、
その音が四方に配置されたスピーカーから
ぐるりと鳴り響いてからライブがスタート。
単純に音がでかくて、その時点でかなりぶち上がったのだけど、
途中から信じられない量の雨が降り出した。
雨ギリギリ降らないと思って雨具を全く用意してなかったので、
人生で一番ぐらいずぶ濡れになった。
「それはいくらなんでも、それはいくらなんでもご容赦ください」
と神様に言いたくなるレベルのゲリラ豪雨。
途中で売店でレインコートを買って何とか凌いだ。
野音で雨が降ることで伝説感ビンビンの空気が醸成され、
自分自身も雨でずぶ濡れだから何だか解放されて、
とても楽しいライブ体験だった。
Ogre〜はとにかくブレイクの部分が大好きで、
クールなグルーブとエモーションの両方を携えている。
ライブアルバム中心に聴いてたから、
作品自体をもっと聞いてまたライブ行きたい。
完全に体が冷えまくりで電車の冷房で死にかけて、
最寄駅からもう一度雨に降られて帰宅。瀕死。
あたたか〜いうどんを食べて、お風呂で温まって、
「insecure」2話分見て寝た。

9月18日
週初め。No name「Room25」聞きながら出勤。



仕事に対する憂鬱な気持ちをすべて吹き飛ばす、
極上の生音ミーツラップな仕上がりで最高。
脈々と続くシカゴの優れたタレントの多さには
ここ10年くらいずっと驚かされること山の如し。
(本作でもSabaが良い味出している)
とにかく声質と楽曲のマッチングが素晴らしくて、
聞いているだけで穏やかで優しい気持ちになれる。
頑張ろう1週間と思って出社したら、
明日までに資料用意しといて的なオーダーを受けて、
その資料は週明けのミーティングで発表するのだけど、
なんで明日?と思ったのは社会不適合者なのだろうか。
いきなり穏やかで優しい気持ちを失った。
どうしても急で必要な必然性があれば別だけど、
なんでそんなに急ぐのか謎すぎて露骨に態度に出てしまった。
一度財布を落としてしまったタイミングで
銀行引落になっていたインターネットの料金の支払いを
クレカに変更した結果、月内で2回請求が発生。
これは重複引落に違いない!と思って、
電話は面倒だからソフトバンク光に
初めてチャットで問い合わせてみた。
チャットでの問い合わせ、電話よりはるかに便利だった。
ただ、どういう口調で文字打てばいいのか謎で、
仕事みたいな口調もアレだし、かといってタメ口もアレだし。
結局そのあいだを取ってフランクな丁寧語で問い合わせた結果、
それはヤフー側の問題だからヤフーに聞いてと言われて
たらい回しにされ、今度はヤフーに問い合わせようとするものの、
問い合わせ窓口が死ぬほど分かりにくくて、
一体全体どういうサービス設計でこうなっているんだ、
と憤りを感じながらも最終的にチャットできるところを見つけて、
ここでもチャットで問い合わせ。
銀行口座とクレカでは請求タイミングが違うことが確認できて、
二重請求ではなかった。杞憂。
帰宅して油淋鶏を作って食べて勉強したり日記を書いたり。
「insecure」はとにかく音楽がよかったのだけど、
その中でもMars Today「 Bits & Pieces」が
アーバンアダルトミュージックで超絶最高最高。



韓国のoffonoffとかなり近い質感で、
自分の音楽のスイートスポットを
狙い撃ちされているような感覚で全曲外しなし。
offonoffといえばメンバーのColdeの
最近リリースされたソロアルバム「Wavy」もかなり好き。



今年のテーマはメロウに決まりだなっていうくらい、
メロウな超良作が矢継ぎ早にリリースされていて、
音楽に対して食傷気味になることがほとんどない。日々充実。
「incecure」のシーズン1を見終えて、
このままシーズン2見れないの辛い気持ちを抱えて就寝。

9月19日
「J・ディラと《ドーナツ》のビート革命」を行きの電車で読了。
ここ数年で読んだ音楽本の中で群を抜いてオモシロかった。
J Dillaのことは亡くなった当時、
ちょうどヒップホップが好きになったタイミングで、
僕がオーバーグラウンドよりも
アンダーグラウンドでドープなヒップホップが好きになった
きっかけのアーティストなので思い入れは強い。
ただここ数年のアウトテイク集のリリース乱発に、
「果たして彼は納得するのだろうか?」という
勝手になんとも言えない気持ちを抱えていた。
しかし本作を読むと「Donuts」だけではなく
彼のキャリア全体も捉えており、
僕のもやもやした気持ちは霧消し、
ただただJ Dillaへの心の底からのリスペクトで満たされた。
「Donuts」がどこか普通のインストアルバムと違うな、
と何となく持っていた感覚が言語化されたことにより、
同じアルバムでも読後に聞くと全く違う響き方をする。
こんな体験はなかなかできない。
音楽を分析、批評することの豊かさを
存分に味わえるところが好きで
本作を読んだ誰もが感嘆するであろう
死の受容モデルを通じた「Donuts」の分析が白眉。
彼は亡くなってしまっていて確認できないゆえに
ミステリアス性が増していることも功を奏していると思う。
というのも筆者自身も本の中で言及しているけど、
作者の意見が圧倒的に正しいという理解が強いから。
たとえば、ある見立てを用意した場合に
それを当てられた本人が「違う」といったときに、
たちまち社会から棄却されてしまう。
でも作品は大衆と共有されることで
価値、捉え方が決まっていくところもあるはずで、
ゼロサムになっている風景をSNS中心に
よく見かけてその度に寂しい気持ちになる。
見立てがオモシロいということも大いにあることを
身をもって体現している1冊。
ヒップホップのビートメイクしている人、
興味がある人はとにかく全員必読の超名著。
仕事終わりに英会話。
今日のテーマが競合会社、会社の業績だったので
全体的に空回ってしまった。
日本語→英語とやっているあいだは
会話にどうしてもギャップが産まれてしまう。
あと何となくの英語を話していて、
こちらの真意は伝わっているのだけど、
それは講師の人が汲み取ってくれてるからなのか、
自分が間違っているのか、そこを考えてしまって、
集中できなかったのも良くなかった。
意思疎通できればいいんだからと投げやりにならずに
もっと自分自身が納得できるレベルで会話したい。
駅前の中華料理屋でネギそばを食べて帰宅。
プライムビデオで「バリー」を見始める。



主演のビル・ヘイダーが監督、脚本を一部務めていて、
エミー賞で男優賞を受賞した作品。
ビル・ヘイダーはジャド・アパトー系の
コメディによく脇役で出ていて、
いつもオモシロいから好きな俳優の1人だ。
まだ1話見ただけど帰還兵が鬱に悩み、
殺し屋稼業を始めるものの演劇と出会って…
という話なのでこの先も楽しみなところ。

9月20日
kamui「Cramfree.90」を聞きながら出社。



Soredake」のMVが出たときに
死ぬほどかっこいいなと思ったけど、
そのときはFeatのQN、Jin Doggに気を取られていた。
でアルバムを聞いたら血が滲むようなラップというべきか、
久々に言霊強めの新しいラッパーを聞いて滾った。
なかでも「Aida」という曲は
新潮45に寄稿した腐れライターどもに、
煎じてゲロ吐くまで飲ませたい。
ヘイトばかりが目について気分悪くなること多いけど、
真っ当なことをこうした若いヒップホップアーティストが曲にして、
なおかつそれがかっこいいのだから「未来は暗くない」
と自分に言い聞かせなきゃいけないくらいに
安倍晋三の総裁選勝利はしんどいニュースだった。
石破茂はかなりタカ派で昔は共感できることなんて
1つもなかったけど、今の政治はタカとかハトといった話ではなく、
もっと低レベルな次元で政治が行なわれている。
だから石破茂の言っていることが極めてまともに思える思えてしまう。
(総裁選で吠えるのじゃなくてもっと自浄してくれよと思うけど)
安倍政権で金回り良くなったから、
その支持は曲げないという大人に遭遇するたびに
金よりも大事なことないんかいと
おじさんに向かって言いたくなる。
この政権のやり方/論法で、そのまま会社で仕事したら、
すぐにダメ社員のレッテル貼られるはずなのに。
日々ストラグルフォープライド。

9月21日
急に寒くなってジャケット着て出勤。
今日は会社でTOEICを受けた。
数年ぶりの受験で果たしてスコアはどうなのだろうか。
TOEICで英語力は計れないと言われて久しいけど、
会社の中では未だに根付いているし、
定点観測としては意味があると思っている。
最近英会話に通っていることもあり、
リスニングは大意を取ることができて結構できた気がするけど、
リーディングはブランクを感じる出来だった気がする。
前回のスコア上回っていてほしい。切実に。
くるりのインタビューがとてもオモシロかった。
ヒップホップのラフでラウドなものが好きなのだけど、
音楽を理論として突き詰めていることが
インタビューからビシバシ伝わってくるのが興味深かった。

9月22日
くるり聴きながら家事と大阪出張の準備。
インタビュー読んでから聞いたから
何気ない音でも引き込まれた。
新幹線で移動中はNETFLIXで
「コネチカットにさよならを」鑑賞。



ティーンエイジャー、オールドマン、
それぞれのクライシスが描かれていてオモシロかった。
冒頭のタオル売場のシーンが象徴的で、
色とりどりのタオルを用意されても選べない。
物質的に豊かな社会における空虚さの表現として秀逸。
親と子の距離感の映画でもあって、
近づき過ぎても突き放し過ぎても上手くいかない。
そして嘘が介在する関係は必ず破綻することも分かる。
仕事行きたくね〜と思うこと多いけど
辞めたら辞めたで何もすることがない、
仕事が良い意味でも悪い意味でも人生を推進するのだなぁと。
実家への道中でこないだの台風の威力が見て取れた。
あり得ない曲がり方をしているフェンスや
大量の瓦礫が家の前に置かれていたり。
実家自体は大丈夫だったけど、ベランダから見える家は
屋根が無くなったらしくブルーシートを被せていた。
引っ越してから映画行くのめんどいなっているけど
大阪は梅田に多くの劇場があるからまとめて見るの便利で
帰ってくるとまず映画となっている。
でこの日はまずテアトル梅田で「きみの鳥はうたえる」鑑賞。



佐藤泰志原作の映画で、これまで映画化された作品も
どれも好きだったけど、この作品も最高に素晴らしかった。
函館の街はいつでもフォトジェニックで、
顔のクローズアップを多用しセリフをそぎ落とし、
俳優の表情で語っていくスタイルが雄弁だった。
余白が多く残されているから、
見終わった後の余韻が凄くて同じ梅田の街なのに
異様に艶やかに見えるという最高の映画体験だった。
主演3人の演技がすべてで、
特に柄本佑は今まで見た彼の中で一番好きだった。
捉えどころのなさは三者三様なのだけど、
彼の暴力性が一瞬発揮されるあのシーンは一生忘れない。
3人で遊んでいるシーンは脚本ないような、
極めてドキュメントタッチな仕上がりで
あの空気感はフィクションの映画では見れない類の何か。
それが個人的にマックスで高まったのがクラブのシーン。
クラブで爆音で好きな音楽を聞くことの
プリミティブな楽しさが溢れていた。
このシーンで登場するのはSIMI LABからOMSBとHi'Spec。
OMSBのライブは唐突だったけど、
「Think good」なんだからぐうの音も出ない。
Hi'Specは「Amigos」かけてる場面でアガッたし、
映画全体の音楽もやっていてむちゃくちゃ良かった。
なんというかすべてが刹那的でRAWで
見るタイミングによっては、
もっと持っていかれるような気がした。
恒例の旧ヤム鉄道でカレーの儀式を挟んで
大阪ステーションシティシネマで
「SUNNY 強い気持ち・強い愛」鑑賞。



韓国映画のリメイクであることを
宣伝に盛り込まないことへの不快感と
そもそも韓国版がかなり好きな作品だったので
その思い出が台無しになることを恐れて見ていなかった。
で結局見て可もなく不可もなくという映画だった。
当然90s J-POP連べ打ちにはひれ伏すしかないのは事実。
オリジナルにあったヘッドホン演出で流れる「優しい気持ち」、
「ラ・ラ・ランド」オマージュのワンカットで見せるダンスでかかる
「la la la love song」など。
カルチャーへの配慮はさすがの大根監督でどこまでも行き届いている。
ただ関西への偏見に基づいたギャグ、話の展開が
どうしても受け付けられないし、
大人側のストーリーのノッペリ感で映画が停滞してしまうように感じた。
(概要をすでに知ってしまっているからなのかもだけど)
オザケンと安室ちゃんの同じ曲が何回もかかるところも食傷気味…
久々にオリジナルの方を見てみようと思えたから、
そういうきっかけとしては良かったかも。
そのまま梅田NOONのBackroom のパーティーへ遊びに行った。
大阪のヒップホップを久々に体感すると
東京では感じられないエネルギーを
全身に浴びているよう気持ちになって楽しかった。
昔からライブ見ている人たちが
今もkeep onしている姿がかっこいい。
この日リリースライブだった
Backroom boys= CLC+MADSらしく
ステージ上にぞろぞろと人がいる、
いわゆるヒップホップなステージングが最高だったし、
皆が滾ってるのがビシバシ伝わってきた。
直前に「君の鳥は歌える」を見ていたから、
クラブで音楽聞くこと自体がとても楽しく思えた。
ゲストで来てたGQのかけたファンクチューン、
シャザムしたら2017年リリースで驚いたし、
友人のかけた朝方のマライアがとても響いて、
阪急電車に揺られながら名盤「MIMI」を聞きながら帰った。



9月23日
友人とランチと思って待ち合わせ場所まで行ったら
日にちを勘違いしていた。
美味しいうどんを食べてドトールで日記を書いたのち、
シアターセブンで公民館の上映会かよ、
な劇場で驚きながらも「ゲッベルスと私」鑑賞。



ナチスの宣伝相を務めたゲッベルスの秘書をしていた
103歳のおばあちゃんへのインタビュー映画。
ナチス側、アメリカ側の当時の
プロバガンダ映像をあいだに挟みつつも
基本的にはおばあちゃんの1人語り。
まずおばあちゃんの顔のシワがすごい。
まるで木の彫刻物のようなんだけど
103歳という年齢にも関わらず矍鑠としている。
全編モノクロでひたすらそのおばあちゃんの顔が出続けるから、
とても印象に残るようになっている。
ただ私は仕事をしていただけ、
虐殺のことは知らなかった、
ドイツ国民全員に責任があったなど、
どこか他人行儀な発言が多く見ているときに
違和感を感じる部分も多かった。
ただ彼女の語り口に既視感があるのは
ろくに調べもしないで
「知らない」「知らなかった」の一点張りで
様々な疑惑に対して乗り切ろうとする
今の政権がダブって見えたからかもしれない。
ただこの論法で何とかなっているのは
国民が選択しているということもあって、
その国民の1人としてアンビバレントな気持ちになる
終盤にかけてホロコーストのときの
VTRが登場するのだけど
その内容はかなりショッキングだった。
本当に家畜の死体処分みたいな扱いをしていたし、
終戦後、強制収容所にドイツ国民を連れて行き、
いかに残虐なことが行われたか見させて、
さらにユダヤ人の死体の埋葬をドイツ国民がしていた。
あまりにも反面教師として強烈過ぎる…
ナチス政権の当人ではなくて、
そこに仕事として仕えた人の視点というのは
見たことであるようでなかったので勉強になった。
見終わって最寄りのミスドで日記を書いているのだけど
前に座っている外国人が僕が大学院受験の時に
ミスドに入り浸っていたときによく遭遇した人な気がする。
そして一度そう感じると最早そうとしか思えない。
BROCKHAMPTONを1日中聞いていた。



メンバーが多く音楽性がとても豊かなので
いつまでも聞いてられる。「THUG LIFE」がめっちゃ好き。
その後、大阪ステーションシティシネマで
「愛しのアイリーン」鑑賞。



近年多作かつどれもオモシロい吉田恵輔監督作品。
園子温監督ばりのエロへの振り切れ方が
相当思い切っていて楽しかった。
性への欲望と生死の対比はよくあるけれど、
あんなにダイレクトで泥臭くて美しい、
セックスシーンは見たことがない。
閉塞した文字通りの村社会に
フィリピーナが嫁としてやってくることで
人間関係の均衡どんどんが崩壊していくのだけど、
主人公の母親役、木野花の怪演が凄まじかった。
いわゆるヘイトスピーチをフィリピーナに対して
浴びせていくし、お節介婆さんとしての立場も
とてもイライラとさせられる。
しかし終盤そんな彼女の子どもへの思いを見せられると
「みんな辛いよね…」という気持ちになった。
めちゃくちゃ純度の高い親と子の関係、
それは血の繋がりを超えた何かがスクリーンに滲み出ていて
まさかこんな展開になるとも思っていなかったから
とても複雑な気持ちになった。
全体としてはコメディトーンだけど、
高齢化社会、移民問題など日本でこれから顕在化する問題だから、
いつか別の軸で再評価されるときがくるかも。
帰りに家の近所で美味しいラーメンを食べて帰宅。

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