2018年9月17日月曜日

2018年9月 第2週

9月10日
Masego「Lady Lady」を聞きながら出勤。



Trap House Jazzを標榜するラッパーの
新しいアルバムで最近のメロウトレンドに合う佳作。
FKJをFeatで迎えた曲は当然のごとくかっこいい。
トラップ系のラッパーで歌フロウなの多いけど、
こないだのMac Millerのアルバムや
今回のMasagoみたいに曲としてのメロウさもあって、
さらにそこへ歌とラップでアプローチするような
アーティストが増えてほしい。いい音楽は何よりの良薬。
大坂なおみが全米オープンで優勝したことで
昨日からインタビューが多く放送されているのだけど、
テニスと関係のない、たわいないことを
つたない日本語で喋らせて、かわいい〜と
皆でいじるのがあまりにも幼稚で何なんだ。
色々見ていたらアメリカではセクシズムの観点で、
問題提起がなされていて同じニュースでも捉え方が異なるし、
何が起こったかのかは能動的にならないと分からないのだなと思った。
夜、タコライスを作って食べて友人の結婚式用に曲をエディット。
ableton liveにノイズが乗るのはメモリ不足が原因なのか?
何とか形になって友人にも納得してもらえて良かった。

9月11日
急に気温が下がって少し寒いくらい。
最寄り駅から会社に行くまでのあいだに
川があって、そこはとても汚いのだけど、
tofubeats「River」を聞きながら歩いて渡ると、
「寝ても覚めても」の余韻がふっと蘇る。



かなり自分から寄せているのは百も承知なんだけど、
見終わったあとにこれだけ考える映画も
最近見ていなかったので本当に良い映画なのだなと思う。
グッドなシットは後効きなのさ。
origamiに口座登録するとローソンで
1ヶ月間コーヒー無料でもらえるキャンペーンやってて
早速もらいに行った。毎日コーヒー無料。最&高。
午後にはビル全体の避難訓練があった。
開始時刻になりビル側からのアナウンスがあり、
始まったーと思ってたら、
そこから15分くらい想定火災についての
アナウンスが延々と続いて訓練にしてはマジすぎる。
避難訓練に対するビル側の助走が長すぎる。
ヘルメット被って階段で下まで降りて点呼。
実際の地震のときって本当にこんな風に避難するのだろうか。
もっと我を失ってパニックになるんじゃないんだろうか。
いや、そのパニックを避けるための避難訓練なのか。
などと逡巡してたらいつの間にか終わっていた。
Kilo Kish「Mothe EP」を聞きながら帰宅。


9月12日
Common「Like Water For Chocolate」を聞きながら出勤。



何となく久々に聞いたのだけど、いいアルバム。
Soulquarians、特にDillaのサウンドが刺さるんだけど、
The 6th senseがかかった瞬間にプリモ!
とぶち上がれる瞬間が何よりもヒップホップなのかもしれない。
聞いて秒でわかるプリモサウンド。
それはともかく早くDillaの本読みたい。
今日も昼休みにローソンへコーヒーもらいに行く。
会社近くのローソンはレジを並ぶ列が全部分かれていて、
結果入口から一番近いレジでいつももらうことになり、
そのレジにはいつも同じ人が立っている。
そして同じレジの人に間違いなく認識されていて、
無料のコーヒーだけ貰いにくる
貧しい天パメガネと思われているに違いない。
夜、英会話。初めての先生でボスニアヘルツェゴビナ出身。
これまでのレッスンの振り返りで
様々なボキャブラリー、文法を使いこなして会話を進める。
後半、as, as構文を使ったセンテンスの内容でつまずく。
「同じ」ということを表現するとき、
sameを使う癖がついていて最初適応できなかった。
これもまた中学生で習うレベルの文法なのに
会話になるとうまくできない。辛い。
そもそもの思考回路自体を改めないとダメなのかも。
聞き取りはかなりできるようになった気がするから、
今月のTOEICで伸びていたらいいな。

9月13日
朝から大阪のHybrid Entertainmentのコンピを聞く。



かっこいい楽曲が大量に収録されていて朝からぶち上がり!
Jin Doggを数ヶ月前にちゃんと聞いたくらいで、
知らない大阪でイケてるアーティストがいるのが
フロム大阪としては誇らしい。
一番ぶち上がったのはDJ Bullset名義の「Snow」という曲。
MADSからPepcee、誤が参加していて、
ブームバップ系の彼らが余裕で乗りこなしまくりなのが新鮮だった。
Pepceeの「急がないけど立ち漕ぎ」ってラインが好き。
トラックはGradice Nice!
Febbとのジョイントアルバムと
同様のノリのビートで引き出し多くてかっこいいのが凄い。
全部で2時間弱あるから少しずつ楽しみたいし、
来週のBACKROOM BOYSのイベントも楽しみ。
昼から外出。ローカルな国の事情を色々と聞いた。
いつもの唐揚げ屋で唐揚げ購入して、
家で味噌汁、サラダとともにいただいた。美味しい。
「マザー」をプライムビデオで鑑賞。



ダーレン・アロノフスキー最新作にも関わらず、
ビデオスルーとなった問題作。
概念の塊で破壊と再生を繰り返す愛の物語だった。
その破壊が尋常ならざるレベルで見ていて
「うわぁ…」と何度も思った。
手持ちでフォローアップするような撮り方をしているので、
舞台となる家はとても大きいのだけど、
画面は閉塞感に溢れていて残忍な破壊が迫ってくる。
自分がコントロールできない他人の行動って
こんなに怖いのかと思ったし、
それは今のSNSを反映していると思うのだけど、
人の家に土足でやってきて物を奪っていく、
それをシェアと呼んでいた。乱暴の地獄。
見終わったあとあまりにも概念の背景が
何か知りたくて調べてみたところキリスト教らしい。
神話や宗教の概念を映像で表現することって
映画でよくあると思うのだけど、
そのたびにあらかじめ知ってたら、
もっと楽しめたのかもしれないなーと思う。
かといって今から神話、宗教について
勉強する気なんてさらさら起こらない。
となるとやっぱり中学、高校で真剣に世界史を
勉強してたら役立ったのか。勉強大事。
録画していたフリースタイル・ダンジョンを見たら、
CIMAが登場していて全部オモシロい試合だった。
特に呂布カルマ戦の以下のラインは爆笑してしまった。
大阪のヒップホップを体感した一日だった。

クールコア?笑かすな、クールポコのほうがおもろいわ

9月14日
仕事で厚労省へ。真っ暗でとても暑い。
国のために尽力しているのに、
この労働環境しんどくないのかな。
そのまま帰りにセミナーへ行って、
色々あった人と直接話して
社交辞令かもしれないけど手打ちでになって良かった。
最近大手町に行くことが多いのだけど、
丸善本店へ必ず寄って必ず何かしら本を買ってしまう。
特にこの日は読んでいる本を忘れてしまったので、
帰りの電車で読むための本を物色。
5冊くらい買いそうになったけど、
前からずっと気になっていたDillaの本と
こないだ読んだ是枝監督の対談集の第3弾。
んで東京交通会館下のラーメン屋で
美味しいラーメンいただいて
ドトールでDillaの本読みまくり。
時間になったのでTOHOシネマズ日比谷で
「カメラを止めるな」をやっと鑑賞。



元スカラ座の超巨大スクリーンで
著名な俳優も出ていない低予算映画が
作品の持つ力だけでここまで
駆け上がったことが超かっこいいい。
複層のメタ構造がオモシロかった。
映画の映画による映画のための映画だ。
これは繰り返し見たくなるやーつで、
ネタバレ厳禁系なのであまり書かないけど、
和牛の漫才が好きな人は間違いなく刺さると思う。
(これもネタバレなのかな。。)

9月15日
早起きして「モネ、それからの百年」を
横浜美術館まで見に行った。
モネの作品とそれに影響を受けた作家の展示という構成で、
結果モネよりも影響を受けた作家たちの作品が好きだった。
サンプリング的な手法の人もいれば、
あくまで描写の考え方に影響を受けたという人もいて、
みんな違ってみんな良かった。
リキテンスタインのオマージュ作品が好きだったので、
そのポストカードを2枚買った。
そのまま横浜スタジアムで野球観戦。
はじめは小雨が降っていたけどすぐに止んで
美味しいビールを飲みながら、
野球見ながら人間観察しながら楽しめた。
広い空間で選手たちが躍動する野球も楽しいのだけど、
野球場に来ている人は本当にいろんな人がいて、
それを見ているのもとても楽しい。
この日は常に鬼の形相で試合を観戦するおじさん、
ビールの売り子さんと注文するたびに
毎回がっつり話すおじさん、
超熱烈な巨人ファンのおばさんと横浜ファンのおじさんの夫婦、
ウェイウェイ系ヤンキーなど。日常で出会うことがない人たち、
それぞれが思い思いに野球を楽しんでいる風景自体に
とても文学を感じてしまう。
野球の帰りには中華街によって、
いつも行くお店で安定の美味しい中華料理を堪能し
1日横浜ツアーが終了した。
帰って来てからお酒飲みながら、
やっと古川日出男の「ミライミライ」を読了。


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ヒップホップを題材にしていることを知って、
読んでみたら世界を舞台にした
壮大な音楽、映画の抒情詩となっていて圧倒された。
主人公がラッパーで北海道が舞台となっているし、
そのポエトリーな内容からして、
The Blue HerbのBossをイメージしているのか。
とにかくサンプリングの概念の部分を
文学に落とし込んでいるところが
めちゃくちゃオモシロかった。
どうしても歌詞を小説の中に書き込むと
ダサくなってしまうことが避けられない中で、
それを最小限に抑えてフロウ、発声の話で
ヒップホップを語っていき、
それも極めて文学的に語っているのもオモシロい。
(この物語ではヒップホップが日本で独自に進化を遂げ、
あらたなニップノップなるものが誕生している)
あと主人公を中心としてクルーを組む場面を
描いているのだけど、昔大学で友人たちと
ヒップホップを皆で始めたときのことをレミニス。
上記のようなヒップホップを巡る記述に加えて、
ソ連が北海道を支配し、日本はインドの1つの州として
国が存在している設定で、ここから語られる
現代世界史の話にも大きくウエイトを置いている。
世界の権力闘争と北海道のヒップホップが
結びついていく他の作家には書けないだろうダイナミックさ。
最近は海外の作家の小説で気になるものが多く、
読みがちになっているけど日本の小説もオモシロいよなー
という至極当たり前のことを思った。
今はとにかく柴崎友香が気になっている。

9月16日
雑誌に載っていた蒲田駅近くの
パン屋でモーニングを食べた。
パン2種類とコーヒー飲んで500円で
めちゃくちゃ安いし美味しい。
フリーWifi付きだダラダラできそうな良き空間。
その後、近くのいなたいボーリング場へ行った。
ボーリングやった記憶なんてもうほとんどないけど、
久々にやってみたら133でベストスコアが出た。
ラウンドワンとかだと若者がウェイウェイしていて、
疲れてしまうけれど、このボーリング場には
見事におじさんしかいなかった。
おじさん4人組のところが一番盛り上がってて、
老後全力でエンジョイしている気配が漂っていた。
横のおじさんは1人でストイックにひたすら投げ続けていた。
時代に干渉されずに昭和な空間がそこに広がっていた。
家でTVをダラダラと見ていたら、
樹木希林が亡くなったことを知る。
長い間、ガンを患っている話をしながら、
たくさんの映画に出続けていたから
ブラフなのかなという下衆な気持ちを抱えながら、
それでも映画に出ている姿を見たいと思って見ていた。
実際ここ数年の出演作でのある種すべてを悟った
神のような存在感は他に誰が出せるのだろうか、
そのぐらいのフェーズにいたと思っている。
最近読んだ是枝監督の対談集で読んだ、
「奇跡」の撮影前に是枝監督が
樹木希林と2人でご飯を食べたときに
「これは子どもの映画なんだから、
大人のアップは多くなくていい」
これを受けて思い切りやれたという話は
仕事に真剣に取り組む際の心構え、
つまり自分だけ良ければいいということではなく、
全体最適を求めるべきなのだと。
樹木希林の映画、見よう。
RIZIN Confessionsの最新回が更新されて、
今回見どころ山盛り過ぎて神回だった。



9月30日に那須川天心vs堀口恭司が
めちゃくちゃ楽しみすぎる。
キックと総合のそれぞれ現状日本最強の2人、
圧倒的な力と力のぶつかり合い。
アメリカントップチームでの充実した練習環境で
死ぬほどトレーニングしている堀口。
父親の指導のもとキックに磨きをかける那須川。
高まるーからの大砂嵐で一度ほっこりして、
最後の山本美優のくだりで泣いた。
キッドの闘病生活と折り合いをつけながら
試合に挑んでいたことが明かされて、
試合のこと思い出したらそれは泣くに決まっている。
VTRのクオリティ本当に高いから、
これ見て格闘技好きになる人、
昔好きだった人が戻ってくることが成し得ると思っている。
(実際に自分がそうだったし)
9月30日、さいたま行くのか行かないのか、
どっちなんだい!©なかやまきんに君
プライムビデオで気になっていた「insecure」が
むちゃくちゃオモシロくてビンジウォッチング。



音楽が西海岸のヒップホップ中心にかかる音楽が
どれもイケてて、それだけで見る価値がある。
(音楽を担当しているのはラファエル・サディークで、
 音楽コンサルタントにソランジュが入っている。)
主人公のイッサが日記代わりに
ラップのリリックを書いていて
鏡に向かって日々の不満をラップする姿が好きで、
LA行ったときにも思ったけどヒップホップが
当たり前に生活に根ざしている。
その生活におけるアフリカ系アメリカンの
女性が遭遇する差別的な状況を描いていて、
排他的な社会の辛さがよく分かる作りになっている。
しかも脚本は主演のイッサ自身が担当していて、
レナ・ダナムと同じ系譜にある才人。
日本だとシーズン1しか配信されていないけど、
USではシーズン3までもう配信されいた。
このカルチャーディレイなんとかしてくれ!島国日本!

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