|
| ゆとぴや・びぶりおてか 小さな本屋の読書日記2025 |
埼玉県にある数少ない個人書店の一つである、ゆとぴやぶっくすの店主による読書日記。前作に引き続き、本著もオモシロかった。
タイトル通り2025年に読んだ本と、その感想が時系列で並んでいるシンプルな構成。まえがきで読書に関する本質的なことが書かれていて膝を打った。私は本の感想を冗長に書いているので「よくそんな書くことあるね」とか「つまらない本だったらどうしてる?」とたまに言われるのだが、その質問に対するこれ以上ないアンサーだと思う。本は多面的なものであり、何もかもつまらないということはなく、どこかしら必ず感じるものがある。
というか、別につまらない本なんてなくて、どの本も面白かったり読まれるべき理由があるから存在しているのであって…
究極、つまらなくてもいいし、つまらない本でも最後まで読んでいるということは
きっと「なにか」はあるんだろうと思います。
この前提を踏まえながら読む、百人組手さながらの感想の数々はどれも率直でオモシロい。小説、人文書、エッセイなどジャンルを問わず、ひたすら読みまくっている。読書自体は1人で完結する行為だが、こうして日記に書き起こされることで、初めて他人の読書体験に触れることができる。そんな読書日記ならではの醍醐味を存分に味わうことができる。特にミステリーは自分の守備範囲外なので興味深かった。
読みたくなる知らない本がたくさん登場し、既読の本は「そんなふうに読めるのか」という気づきがある。前者でいえば、岡田育『我は、おばさん』が気になり、実際にお店で購入した。そして、私の周囲でレコメンドが頻発する小川哲はいよいよ読むか…という気持ちになった。あと直前に柚木麻子を初めて読んだところだったので、他の著作の紹介が参考になった。 後者でいえば、津村記久子の冷徹さなんて考えたこともなかったので新鮮だったし、『アルケミスト』の胡散くささに言及する文章に初めて遭遇してアガった。
そんな博覧強記の読書マスターである店主の方と、俳人の松本てふこさんによるポッドキャスト番組『ほんとのよもやま』にゲストで呼んでいただきましたので、是非聞いてみてください。半分くらい超RIZIN5の話をしていますが、拙ZINE『ikuzine』の店主視点の感想は大変ありがたいものでしたし、お二人のおすすめの本紹介も聞き応えがあります。
そして、『ikuzine』に続き、『日本語ラップ日記 2025』も置いていただいております。埼玉のヘッズへ届け!
