2019年12月23日月曜日

2019年12月 第3週

12月16日
ポッドキャスト収録したときに
NF Zessho、他のも良いっすよ的な話を聞いて、
今年出たもう1枚のアルバムを聞いたら、
それがドンピシャに好きで繰り返し聞いていた。


コラージュのジャケもかっこいいし、
アニメセリフをサンプリングして、
アルバム1枚でストーリーを語っているところに
何より老害おじさんとしては、どうしたってグッとくる。
歌詞も散文と意味詰め込み系の間くらいで、
今ちょうど欲しい温度感だった。
なかでもAngelusという曲がめっちゃ好き。
カトリック教会の、お告げの祈りという意味らしい→リンク
リリックが超エモいし、
サビでラフなドラムブレイクが入ってくるところ、
めちゃくちゃ気持ちいい。1日中ずっとリピートで聞いていた。
やっぱり知らんラッパーと出会って、
それがかっこいい!となる瞬間が音楽を聞いていて一番興奮する。

12月17日
忘年会 vol.2。営業との忘年会だった。
飲み会でしか話せないことや人があり、
それは新鮮なことでオモシロかった。
割と酔っぱらってしまっために、
普段思っていることを色々と吐露しすぎて、
帰りの電車で憂鬱になりつつ、いつの間にか寝過ごしていた。

12月18日
Fezbeatzのインスト集で通勤。


You can get againで名をあげたビートメイカー
サンプリング主体でナイスなビートアルバムで、
Outstanding/The Gap band使いにシビれた。
この人も舐達麻と共にアガっていくのだろうな。
Evisbeatsの新譜がリリースされ、
今回から過去作を含めてストリーミングで聞けるようになり、
それを聞いてみると、安定感抜群で超好きだった。


全然知らない人たちをfeatに迎えて、
歌ありラップありでトピックも豊か。
そのベースとなるのがEvisbeatsのトラックなんだけど、
ドラムがもうキックとスネアの迫力が違う。
表現が難しいのだけど、地に足ついているような音像で、
めっちゃこだわっているんやろうなと思う。
その上音がとろける様なエレピなんだからたまらない。
PUNPEEと星野源はあまりにビジネス過ぎた一方で、
EVIS BEATSはGood MusicとしてのHIPHOPを
愚直に追い続けた先に待っていたご褒美のように思える。
ストリーミングに過去作も軒並みアップされているので、
過去作を堪能していきたい。
夜にPodcastをリリースした。
最初に出てもらった後輩で他のメンツとは違う、
緩めの空気で淡々と語るのもまた良いかなと。
ほとんどHIPHOPの話なので、
興味ない人もいるかもしれないけど、
このMV見て刺さったら聞いてみてください。


12月19日
まさかジープで来るとは/せきしろと又吉直樹を読了。


まさかジープで来るとは (幻冬舎文庫)
せきしろ 又吉 直樹
幻冬舎 (2014-04-10)
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ブックオフでサルベージ。
基本的には散文自由詩が1ページ5つくらい載っていて、
それが見開きで片方がせきしろ、
片方が又吉という構成となっている。
ときおり、コラムがあったり1ページに1行だったりして、
編集の妙で本にリズム感が出ていてオモシロかった。
読む前はこんなちょっとしか無かったら、
すぐに読み終えてまうやろなーと思っていたけど、
全然そんなことなくて1行ごとに考えてしまう。
つまり、詩で表現されているシチュエーションについて、
自分の経験や見たことある風景をあてがったり、
知らない世界を想像したり。
脳内妄想に耽溺するような効果があって、
これは本を読んでも音楽を聴いても味わえない体験で、
何でも高速で流れていってしまう今の時代に
立ち止まれるきっかけをくれる貴重な本だと思う。
コラムもオモシロくて、とくにせきしろの章で、
朝起きたときのことを書いた話がウルトラミクロな視点で最高。
ラップでいうところのパンチラインはこれに近い気がする。
いかに人の心にとっかかりを残すか、
あるあるネタとのギリギリの境界線。
帰りに丸善で水は海に向かって流れる/田島列島の2巻を購入。


水は海に向かって流れる(2) (週刊少年マガジンコミックス)
講談社 (2019-12-09)
売り上げランキング: 530


1巻から改めて読んだけど、めっちゃオモシロい。。。
圧倒的に正しくないことと人間がどう向き合うのか、
今考えたいテーマに満ちていて読み応えばっちり。
大人になってから分かる漫画のオモシロさがある。
ワンピース、進撃の巨人、今でいえば鬼滅の刃など、
冒険活劇がいつの時代も漫画のど真ん中だろうけれど、
こんな繊細なことを表現できる漫画という表現の豊かさよ。
小説と映像の狭間にあるのが漫画だと勝手に決めていて、
そういった要素がたまに欲しくなると、
漫画を読みたくなる。今はそういうフェーズにある。

12月20日
テレワーク。今日は気分を変えて駅前のスターバックスにて。
ある程度ザワザワしてた方が集中できる。
途中、隣に某大手システム会社の営業と思われる外国人が座った。
会社のロゴ入りカレンダーを持っていて、
あいさつ回りしている模様。
エスプレッソをキメながら電話していた。
年末の挨拶という習慣は海外にもあるのだろうか。
朝聞いていたのはFree Nationals



シングルがポツポツ切られていた中で、
ついにフルアルバムの登場。
Anderson Paak.を含めてFree Nationalsかと思ってたら、
彼以外のインストを構成するバンドがFree Nationals
去年ライブでPaak氏のライブで見たときも相当クラったけど、
アルバムできっちり作品になると、ひたすらにメロウで超気持ちいい。
Isley Brothersとか思い出す。
どの曲も良いのは当然としてfavoriteなのは、
Beauty&Essex, Time, The Rivingtonかな。
Timeは亡くなったMac Millerが参加していて、
RIP補正もあるかもだけどイントロのカッティングのギターだけで
ご飯何杯でも食べれます系サウンド。
The RivingtonはConway, Westside Gunnという
今ノリノリのハードコアラッパーを召喚して、
めっちゃメロウなサウンド、サビはJoyce Wriceという
みんな大好きになる案件。
上記2人にBenny The Butcherを加えたGriseldaというクルーが
今年EminemのShady Recordsと契約して、
アルバムを出していてそれも好きだった。



今のNYのハードコアスタイル、どちゃくそ渋い。
彼らの詳細はが日本語でまとまってたので興味あれば→リンク
その後、方々で話題のPierrsing/小袋成彬を聞いた。



音楽インプットおばけが作り出した快作。
前作の鬱屈した空気も嫌いじゃなかったけど、
断然こっちのほうが好みだった。
環境が音楽に与える影響ってやっぱ大きいのだろうか。
ここ数年のUKアーティストの飛躍は本当に目覚ましくて、
めっちゃかっこいいなと思ったら、だいたいロンドンだし、
新しい音楽の震源地であることは間違いない。
前半の感じでアルバム全体を押し通すこともできたはずなのに、
Tohjiですべてなぎ倒す感じも新鮮。
海外の新譜と並べてなんの遜色もないサウンドで、
日本語の曲というのが本作が特別な理由だと思う。
背伸びがないというか模倣でもなくて、
オリジナルに他の国のビートと並べられる。
そして5lackとの曲は最高で小袋氏と、
HIPHOPの近接がまーかっこいい。
歌える人はラップも上手いという証左になっていた。
最後のバースめっちゃあっつい。

言えないこと増えていく当然
それを昨日ぐらいに知った俺
振り返りゃいつでも絶景
誰にも見れないからこそ絶景
全カットまるでウディアレン
頭金用意しても買えないぜ
もうお前の倍 風 刻んでる
まだ1周目のこの人生
I’m 34 NismoのGTR Z
光より先の未来へ

いきった英語でもなくシンプルな言葉の羅列で
こんだけ叙情的に語れるのはもうラッパーだろ。
午後からは家で仕事しようと思い、昼休みに家まで戻っているときに
コーヒーを盛大に地面にこぼして泣いた。
夜ご飯はおでんを食した。
子どもの頃、おでん食って何にも思わなかったのに、
大人になるとおでん食うと何か異常に満たされた気持ちになる、
この現象は何なんだろうか。テラスハウスを見て就寝。

12月21日
朝からNETFLIXでアトランティクスを見た。



NETFLIXオリジナルでカンヌのグランプリ獲得した作品。
アフリカ映画かつ想像の斜め上に行く展開がオモシロかった。
まず街並みのフレッシュさで眼福。
ダカールという国が舞台になっていて、
めっちゃ都会と貧困な住居が同居していて、
階級社会が街並みに露呈している。
それに加えて美しい海が象徴として扱われていて、
見たことのない風景、つまりモンド的魅力に、
物語主導のビジュアルがマッチして見たことない映像だった。
(冒頭のドキュメンタリータッチな映像も良き)
この辺がカンヌ取った理由なのかな。
権力闘争を露骨に描くのではなくて、
憑依させてしかも女性が白目剥いて…
というのも時代の趨勢を反映していて良い。黒沢清っぽさも感じる。
亡くなっても求めるのは金か恋か。
役者の人は全然知らない人ばかりなのだけど、
主役の女の子のあのスタイリッシュさと存在感は
唯一無二でめっちゃ引き込まれた。
映画館に行かない体になって、久しくもはやTVに
無限にコンテンツが提供されるから、それで十分では?
と思ってしまう。一方でタランティーノ最新作のあの感動は
劇場じゃないと味わえないことも知っているので悩ましい。
もっとシンプルに見たいものを見る。と潔く決めればいいのか。
蒲田駅からの帰りに前から気になっていた純喫茶でchill
サイフォンでコーヒー入れてくれて、
店では延々Jazzが流れてる。そして空いている。
ここは穴場だったので頻繁に来たい。
帰ってから進撃の巨人30巻を読んだら、
時間軸いじくり始めて、いよいよどうなんだという展開に。
とはいえオモシロいことに変わりはなく、
意志をもった巨人同士が戦うようになってからは
戦闘シーンが結構好きで色んなギミックがあって楽しい。
それにしても一体どんなエンディングが待っているのだろうか。
夜はついにRhythm&FlowをNETFLIXで見始めた。



T.I, Cardi B, Chance The Rapperで、
若手ラッパーを発掘してこようぜという番組。
リリック、フロー、デリバリー、ライブパフォーマンスなど、
審査員ラッパーたちが大事にしている要素が露呈するところがオモシロい。
高速フロウのラッパーが軒並み評価低いのは、
カルチャーが成熟している証拠な気がする。
つまり、どの口が何言うかが肝心〜なんですね、結局。
延々とオーディションが続くので、あんまりビンジは向いていないかも。
審査員と同じようにずっと見ていると疲労するし。細々と見ていきたい。

12月22日
朝からポッドキャスト収録。今月は毎週収録のペースになっている。
漫画モードなので漫画の話ができてよかった。
あと年内にどれだけ収録できるか。
昼飯に湯豆腐を丁寧にいただいたのち、
所用で有楽町まで出てきたので、
前から気になってたBrooklyn Roasting Companyへ。
駅から遠いしまだあんま認知されていないから、
結構空いている〜と思ったら、時間が経つにつれて混雑してきて、
席を探している客からめちゃくちゃプレッシャーを感じている。
おばあさんたちはお茶しないと死んじゃう生き物なの?
とか思ってたら、いきなりパンチライン飛んできた。

起きたときにどんだけ切なくても、横でカーッと寝ている。

もはや惰性と化している日記ブログの更新に新しい風を吹かすべく、
外で書くという行為を取り入れたら今のところ順調に書けている。
来年日記マジでどうしよと考えているのだけど、
いざ書くの辞めるという勇気が出なくて、
毎日がただ流れていって死んでいくだけになりそうだから。
かといってTwitter, Instagramとなると、それもなぁという思い。
日記をやめて好きな音楽や映画の一次情報にあたって、
ひたすらに調べることで英語力を身につけていくというのも悪くないか。
など考えているものの、日々に忙殺されて何もできない気がする。
どんなアウトプットがいいのだろうか。
日も暮れてきたので帰宅して料理。
クリスマスも近いのでフライドチキン定食とした。
奥さんと蒲田で合流してバリ居酒屋で飲酒、
帰って録画していたM-1をネタバレ回避してディレイ再生。
ここ数年で一番オモシロかった。
全く知らないコンビがめちゃくちゃオモシロいということが最高。
こんだけたくさん芸人いて、やり尽くされていると思っても、
新しい風がびゅーびゅー吹いていた。めっちゃHIPHOP。

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