2023年9月12日火曜日

2023年9月 第1週

Future Reference by Yeek

 友人に教えてもらったYeekのアルバム。フロリダベースのフィリピーノ系アメリカン。トレンドのUKサウンド(ガラージ、ドリルなど)を取り入れつつ、ギターガシガシ系もあったりのAll good music系で好きだった。全体にポップだけども結局ベースはヒップホップにあることが分かるから好きなんだと思う。好きな曲はRaveenaを呼んでの”Searching for Yourself”

((( 4 ))) by ((( O )))

 公私ともにFKJのパートナーでもある((( ○ )))のアルバム、気づけば4枚目。Airpodsで聞いたときはChillだなーという安い印象しか持たなかったのだけど、スピーカーで聞くと全然違うふうに聞こえてビックリした。各楽器の音の奥深さをしっかり感じられるというか。イヤホンで聞いてブチ上がるのもあるから音楽はいろんなファクターで聞こえ方変わるのだなと思う。好きな曲は“Black Cat(IN MY FAST STAR)”

KARPEH by Cautious Clay

 Apple musicの新譜レコメンドで知って聞いたら、ソウル、ファンク、ジャズを内在したグッドミュージックでめっちゃ良かった。彼はマルチインストルメンタルプレイヤーらしく、本作でも一部楽器を担当している。この手の音楽でマルチにプレイできるプレイヤーはFKJ以降すごく増えた気がする。全体のテイストからするとBlue noteからのリリースというのは意外に感じるものの”Yesterday’s Price”とか聞くと納得。かなり日本語の情報がたくさんネットにあっていずれも参考になった。

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BB/ANG3L by Tinashe

 ジャケでピンときて久しぶりに聞いたらめちゃくちゃ好きだった。mixtape時代から好きで『Aquarious』をピークにメジャー化。USのトレンドのサウンドになってから徐々に聞かなくなっていたけど、キャリア初期のエッジのあるサウンドが完全に復活していて最高。トレンドのガラージはもちろんドラムンも入っていてそれも素晴らしいのだけど、いわゆるトラップの曲でもクールなノリこなしが本当にかっこいい。2019年に独立したらしいので、その辺りからもう変化していたのかもしれない。後追いして聞いていきたい。好きな曲は圧倒的に”Talk To Me Nice”

ULTRAVIOLET by Lido

 Jordan Ward『FORWARD』での活躍も記憶に新しいLidoが新しいアルバムをリリース。『FORWARD』も素晴らしい傑作だったけど、こちらはよりパーソナルで柔らかい印象を抱くメロウネスが漂っていて好きだった。Jordan Wardが3曲で参加しており彼のアルバムとは地続きで、昔のようなゴリゴリのビートではなく琴線に触れるメロディを残しつつ引き算で作っている感じがかっこいい。

Archetype by Joe Armon-Jones & Maxwell Owin

 JazzキーボディストとJoe Armon-JonesとプロデューサーのMaxwell Owinによるジョイントアルバム。過去に同じ名義で『Idiom』というEPをリリースしたこともある2人。Joe Armon-Jonesは自身のアルバムではジャズを中心にオーガニックなバンドサウンドを展開しているが本作はMaxwellの土俵と思われるモロにUKなブロークンビートと彼の鍵盤のコンビネーションが披露されていて、それがめちゃかっこいい。前にも書いたけどUKといえばブロークンビート世代だし、現行のガラージ、ドリル、ダブステップの流れとの接続性もあって今最高にカッコよく聞こえるときだと思っている。

FOR YOU by KHAN

 SMTM11で名を上げてYng&Richに加入したKHANのNew EPはシンギンスタイル全開。ハードモードもメロウモードも両方いけるのは今のラップゲームの中で戦っていく上で重要なキーだと思う。そして彼は両方ともクオリティが高いのがすごい。ペイン系なんだけど、そこまで暗くなりすぎないのがいいところ。1stアルバムのリリースが今から楽しみなラッパーの1人。好きな曲は”Thinking About You”

ESCAPE by Hawoong

 いつもチェックしている韓国ヒップホップ、R&Bサイトでマンスリーピックになっていたので聞いたらかっこよかったHawoong。シンガーだけどもラップライクなアプローチもあってかっこいい。featがCRUCiAL STAR,SUMIN,XINSAYNEと豪華ラインナップだし、各アーティストの持ち味がしっかり出るような曲になっているところも良かった。このEP踏まえたあとのアルバムがどうなるのか楽しみ。好きな曲はベースメインで進行していくのが渋い”.oO”

SMOKING BOOTH by Lean$moke

 韓国のプロデューサーであるLean$mokeのアルバムがリリース。めちゃくちゃかっこっよい!!もともとYng & Rich Records周りのプロデュースで頭角を表し、SINCEとも継続的にコラボレーションしつつ今はGPSというコレクティブ所属のプロデューサーとなった模様。1~5曲目とか全曲キラー過ぎてガンフィンガーしまくり。多くの曲がアップカミングなラッパーと名の知れたラッパーの組み合わせにして曲を作っている点もプロデューサーらしくてオモシロい。好きな曲はダンスホールサンプリングで、やはりゴールデンコンビのSINCEが参加、パロ兄もかましまくりな”SMOKING BOOTH”

Rockdown by Candee

 ハイペースなリリースでビビったCandeeの2nd アルバム。日々制作しているのだろうなというストイックなムードも感じる内容。1stで曝け出しまくった下ネタは抑制されていて聞きやすくなった。KOWICHIのアルバム同様、ZOTとHomunculu$のコンビネーションがここでも炸裂しており、Homunculu$繋がりであろう7が参加した”Unlucky”が超キラーチューン。猫も杓子もジャージークラブな中でモノマネじゃない日本のスタイルが感じられて好きだった。ただもう30オーバーの大人なんてスコープ外なんだなと改めて感じたアルバムでもあった。好きな曲はレイジな”いくらもいかねえ”

F4MILY by AMO

 RAPSTAR誕生で決勝まで進出したAMOの1stアルバム。メロディメイカーとしての才能が炸裂しまくっていて良いアルバムだった。タイトルどおり自身の家族のことがリリックでたくさん出てくるのだけども、親の立場からするとベタながらに”Wishing”にとにかくやられた。情景描写がめっちゃうまいし等身大なリリックが刺さる。たとえば親の不在を”ずっと消えないろうそく”というワンラインで分からせるところとか。Hideyoshiとの”One Love”もミクスチャーバイブスがありながら彼の色が強烈に残っている。メロのムードとしてはBAD HOPフォロワーな感じなので絶対売れると思うし、こっからどういう物語を語っていくのか楽しみ。

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