Both Banks(GQ REMIX EP) by ISSUGI & DJ SHOE
ISSUGIがDJ SHOEと出した『Both Banks』収録曲のDJ GQ REMIX。GQは毎回上音のドープさがとにかくかっこよくてハマるのだけど今回もそれが存分に発揮されていた。ISSUGI名義だけどもMONJUの”In The City”のRemixがChipmunkスタイルでISSUGIの音源ではほとんどないので、かなりブチ上がった。そもそも彼に限らずサンプリングのハードルが厳しくなったことでこういうモロ使い系は敬遠されている最近だけども、やはり自分のヒップホップ体験の原点なのでこういうのがもっと増えてほしい。
WE’LL DIE THIS WAY by Skaai
SkaaiのEPがリリース。次はアルバムかなと思っていたので意外な感じ。ラップのクオリティがとにかく高く、英語と日本語のチャンポンかつ抽象性と具体性のバランスが絶妙で繰り返し聞きたくなる。驚いたのはサウンドのドープさ。ベースに重きをおいた曲が頭から2曲続くあたりに並のラッパーではないというか、自分のビジョンが明確にあるのが伝わってくる。パロ兄とラジオもやっていたし、韓国のラッパーとのコラボが見れるかなと思っていたが、そこはタイミングを伺っているのか。Don Malik『Paid In Seoul』やSkinny Brownにも提供しているiamdlというビートメイカーを起用していて、そこのコネクションがあるなら、ラッパーをfeatで呼ぶのも近い未来にある気がする。BIMがGLAY,Coogieとスタジオに入っていたようだけど、しっかり地道に叩き上げていく彼の行く末を見守りたい。STYLING MY OWN DREAM BEFORE THE PARTY!!
東京時代 by TOCCHI
TOCCHIのアルバムが3年ぶりにリリース、これが本当にハンパなき仕上がり…日本語詞の歌ものでこんな作品が出てくるなんて誰が想像しただろう。めちゃくちゃにかっこよくて間違いなく2023年AOTY候補だと思う。何よりもリリックが素晴らしい。20代後半〜30代後半くらいの社会人たちが感じるであろう今の日本における歪な部分をひたすらに描写している。現在の日本の状況認識のリリックがとても多いのが特徴的で、それをオートチューンで歌い上げる。生きづらさを歌うことで社会性を帯び、結果的に政治性を帯びる。安易に「Fuckバビロン!」と叫ばない本当の意味でのレベルミュージックがここにある。厭世感をリリックの中で間接的に、かっこよく響かせようと多くのラッパーがトライしている中、オートチューンと最高にポップなビートで中和してメッセージに丸みを持たせて達成しているのがかっこいい。Marvin Gaye”What's Goin' On”に代表されるソウルの手法とも言える。ビートのクオリティも本当にどれも高くてタイトル曲をLouis Fulton、Summit関連ですっかり日本でお馴染みのRascal、彼の作品を象徴するCRAFTBEATZ、レーベルのA&Rも努めるhokuto。意味のない曲が1個もない中でやはり最後の”Independent Era”がハイライト。盟友のHang,唾奇が明らかにTOCCHIに引っ張られてエグいバースを蹴っている…本当に素晴らしいアルバムだった。”東京時代”のMVのいい意味でのイカれ具合も最高。本人曰くコンセプトアルバムらしいので誰か深めのインタビューしてくれ!
CURVE by ZIN
KOJOE、BUPPONとのアルバムが最高に好きだったZINのソロアルバム。ソロ名義では初のアルバムらしい。歌い上げ系がそこまで得意ではない身からすると、この声色、トーンはフィットする感じでとても好き。デビューアルバムということもあり、四つ打ちあり、バラードありでアルバムとしての構成も好きな感じ。特に終盤のバラード構成では歌の力強さが伝わってくる声のパツパツ具合にグッときた。好きな曲は”Jaded”
No Traffic by Illa J
Illa Jのアルバムは全曲セルフプロデュース。超絶偉大な兄を持ちながらに自分の道を歩いていてかっこいい。ここ二作あたりは歌ものが多くて、これも兄との差別化なのかな〜と思っていたが今回はフックは歌うけど基本的にはがっつりラップしている。ビートもインダストリアルな音が多くて渋いのが良い。Dillaっぽいと言われることだろうもあるけど、その辺はかなぐり捨てているのか、むしろレペゼンしているのか。好きな曲は”Star Struck”
JAGUAR II by Victoria Monet
方々で話題になっているVitoria Monetのアルバム。話に違わず最高の出来でめっちゃ聞いている。いきなりLucky Dayeとのガンジャネタから始まり、Buju baton呼んでレゲエソウルかましーの、Kaytranadaの四つ打ちあったり。最後にはEarth, Wind &FireことPhilip Baileを召喚して爽やかなミッドチューンまで。D'Mileがほとんどの曲のプロデュースに関わっており、彼が手がけるR&Bは温故知新でしっかりアップデートがあるし、コード感が日本人好みなのは間違いないと思う。(おっ!と思った曲がD'Mileが参加している確率めっちゃ高い)
Heaven by Cleo Sol
Cleo Solの新しいアルバムが急にリリース。ネオソウルという言葉では圧縮しきれないかっこよさが溢れるアルバムで1日1回は聞いている。バンドサウンドにおいて皆がどんだけ低音つっこめるか腐心する中で、そんなことしなくてもかっこいいしょ?と余裕でハードル超えてくる感じがたまらない。時代の流れをもろともしないInfloの作る普遍的にかっこいい生音と彼女の声の相性が素晴らしすぎる。どの曲も最高だが”Go baby”がお気に入り。
Flying Objects by Smoke DZA & Flying Lotus
意外なコラボレーションが突如リリース。Smoke DZAはひたすらリリースしまくっているイメージだっだけど、2023年はまだ2作目だった。(2022年の勢いがハンパなさすぎた)Flying LotusのビートはかなりオーソドックスでDZAに寄せている感じ。エクスペリメンタル性は低い一方で安定感はあるので聞きやすくはある。と聞いていたら最後の曲”Harlem World 97”がマジでキラー!久しぶりにEstelleの素晴らしい歌声、美しいメロディのビート、DZAのラップすべて完璧。今年の夏を象徴する大好きな曲となった。
Birds of Paradise by Yussef Dayes
Tom Mischとの共作で知ったYussef Dayesのアルバムがリリース。SoulectionからリリースされたEPも良かったし、今作もバチバチに叩きまくりでかっこよかった。どちらかというと808のズーンとしたドラムを聞く機会が多いので乾いたキックやスネアの音が新鮮だしドラムパターンも複雑で聞いていて飽きない。そしてタイトル通りBlacknessをめちゃくちゃ感じるサウンドでドラム以外のグルーブも最高。好きな曲は”Chasing The Drum”
K-XY : INFP by Verbal Jint
ひっそりとリリースされていたVerbal Jintのニューアルバム。ベテランでありながら近年はコンスタントにアルバムをリリースしている。今回は全体にメロウなバランスで作られておりめちゃくちゃ好きだった。Verbal Jintの声質、声色はこういうネオソウル的なトーンとの相性は抜群で大人のヒップホップのスタイルの一つだと思う。若手のfeatが多くDamini、Swervyというアップカミングな女性のラッパーを使っている点が白眉。特にDaminiがメロウなトラックで、なおかつオンで載せるスタイルが逆にフレッシュでとても好きだった。
LIFE by YATA
BREEZE by SC4F
GPSのYoung gunであるYATAのアルバム(サイズ的にはEPだが)。HomiesがFeatで参加しておりメンバーの期待感も伝わってくる。また最近Bonberoとコラボレーションしていたwhaleoが参加しており、彼は日本語でラップをしているのもオモシロかった。インスタのプロフィールではblackbox所属と書かれており、7やHomunculu$と関係あるのか今後も期待。そして、その流れで同じくGPSのSC4Fのアルバムも聞いた。Lean$mokeのアルバムのタイトル曲でヤンガン枠で入っていた彼はその期待を受けるにふさわしいクオリティだった。1曲目が超大ネタの引き直しのビートなんだけども、その曲が本当に好きなのでもうそれだけでオールOK!という感じだった。この曲含めて全体にポップな仕上がりなのが好みだったので今後に超期待。
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