Le
Makeupによる3rdアルバム。『微熱』で初めて知ってそのときの衝撃もそのままに本作も最高だった。日本語にこだわったポエティックかつ等身大の表現は唯一無二。日本語にこだわっている点は舐達麻と同じ方向性というか日本のらしさを追求していくことでそれが世界に訴求するようなアートになる感じ。ブレイクビーツ、ドラムン、2ステップ、ロックなんでもござれの中で音の質感は統一されメロウさは常にそこにある。そこで彼の憂いのある歌声が加わって美しい音楽になる。好きな曲を選ぶのは難しいのだけど、クラシックなブレイクの上で大阪の思い出を歌う”Dress”が好きな曲。
Plug 2ことTrugoyが逝去した。De La
SoulはWUと同じくUSのヒップホップを聞き始めてすぐに買ったCDの1つであり、DJしていたときも”Me
Myself & I”や ”Ring Ring
Ring”を何回もかけていた。こうやって自分が好きだったアーティストが亡くなっていくニュースを聞くにつれて自分も歳をとっているのだなと思う。月並みだけど。 でラッパーのKN-SUN氏がInstagramにポストしていたのを見て即ゲットして聞いた。ストリーミングはなし。これがハンパじゃなくかっこよかった…De
La
Soulはアルバム聴いてる限りだと割とクールなイメージを持っていたのだけど、ライブではバイブス満タンで盛り上げる為の仕掛けがたくさん用意されていてライブCDでもライブが上手いことが伝わってきた。またエデュテイメントなバイブスもありTrugoyがこのライブの最後のMCは今こそ聞かれて欲しい言葉だった。以下引用。これが96年時点の話なんだからすげえっす。
"Thank y'all for not forgetting what hip-hop is.Y'all make that shit for real
tonight. Everybody talking about keep it real. This is real-white, black,
purple, blue, green, yellow, up in here enjoying themselves, having a good
time. Cut that ignorant sh-t out. We don't want to duck from guns. We don't
want to call our women 'hos. We don't want to call our brothers 'niggas.
Hip-hop for real. Ban the bullsh-t and get down with this ban. Native Tongues
forever. We out of here."
MadeinTYOのニューアルバム。こちらは通常運転でメロウなトラックの上でシンギンスタイルでラップしている。最近はもうトラップのヘビーでドープなやつはほとんど聞けなくなっていて、こういうメロウなやつをだらっと聞くのが好みです。で結局好きなやつは”Thinking
to Myself”というサンプリング
ベースのオーセンティックなビートだったりする。ビデオは東京で撮影されていた。しかし”Thinking
to
Myself”は去年リリースなので、24hrsとのナイスコンビネーションで中毒性のあるフックの”Must
Be Nice”が好きな曲。
Swings announced that he’s established a holding company “AP Alchemy’, with Just Music, Indigo Music, Wedaplugg Records, Mine Field & Sugar Beats under it. Mine Field is a label that was established for up & coming artists, whilst Sugar Beats is a label for producers. pic.twitter.com/cZ4tmuLCDJ
もう一つの驚きといえば、Deepflowの30への加入である。VMCのオーナーとしての役目を先日終えたばかりの中、まさか同じような後輩クルーに途中可能するなんて誰も想像していなかったと思う。30はKhundi
Panda,DSEL, Som Simnba
などのスキル鬼系ラッパーの集団で音楽の方向性としては納得できる。で今回アルバムがリリースされたのだけど、現時点では2023年韓国ヒップホップの個人的AOTY。まずビートが最高にDooooope!1曲目”Cakewalk”がJuke(しかも最初のバースはDeepflow)でぶっとばされたしタムでビートを刻む”The
Bold
Crew”とか。単純にブーンバップ志向というよりも次のサウンドを作ろうとする気概を感じた。1曲除いてすべてViannというプロデューサーによるものらしく今後要注目。そのビートに乗るラップはもちろん全員タイトでかっこいい。ラストは韓国のビールと同名の”Dry
Finish”で大団円。これが一番好きな曲だった。Deepflowはアルバム内でJUSTHIS,TAKEONE,DON MALIKをディスしている模様なので、またビーフが始まるかもしれない。。。
XARCHIVE by Xwally
changmoのストーリーで知った韓国のラッパー。現行のTravis的なUSスタイルを踏襲していてかっこよかった。NSW
Yoonはドリル曲だと本当にハズしがなくてかっこいいし、Xwallyはシンギンスタイルでかっこいい。”3AMSEOUL”はジャージードリルでそのネタがJorja
Smith”On My Mind”で好きだった。
THE CORE TAPE, Vol.1 by Dok2
Mixtapeという形でラフなリリースが定期的に続いているDok2。今回も録ってだしな感じだが、ラップかっけぇということと最近の中ではビートのバリエーションが豊富で好きな方だった。ハングルも最近の中では使っている方だと思うし、英語で意味を取れるよりもハングルでスピットしているDOK2の方がカッコよいと思っているのでシーンにカムバックする日を待っている。好きな曲は2010年代のエモバイブスをそこはかとなく感じた”Pursuit
Of Happiness”
偉大な芸術家として順風満帆かと思っていたが、実際には多くの葛藤を経ていることを知れた。特にデザイナーから画家へのキャリアチェンジに関して相当苦労していた模様。周囲は彼のスタイルを絵画になっても評価していた。しかし、デザインと絵画の違いが彼自身には重くのしかかり深みにハマる中、彼にとっては「描く」ことしか解決する方法はなかった。つまり本の中に答えはないjust do it的な考え方。これには同意するが、そのjust do itに至る補助線としての本や読書を否定する必要はないと思う。実際本著はクリエイティビティに関する金言がたくさん収録されており、何か作っている人にとって悩んだりするときに支えになると思う。刺さったラインを引用しておく。アート系の本は読むとクリエイティビティが刺激されるので積極的に読んでいきたい。
新譜紹介サイト経由で知った新人。歌もラップもかっこよくてビビった…アルバムタイトルどおり各曲名が色の名前になっておりサウンドもそれぞれ異なる。ヒップホップ、R&Bもあればレゲエノリのものやフォーキーなものまで。どの曲もめちゃくちゃかっこいい。声が低いのでWooを思わせるところもある。なのでWooが好きな人には間違いなく刺さるはず。どの曲も魅力的なのだが最後にQ
the trumpetのトランペットソロが泣かせる”Purple”が好きな曲。
Snoop Dogの支配下となったDeath Row
Records所属のR&Bシンガーのアルバム。ライターの川口真紀さんのポストで知った。タイトル通りMarvin
Gaye再誕!といっても過言ではなく、声が似過ぎ。その声でトロトロのR&Bを歌われたらそれはもう最高…しっかり今の音というか懐古主義ではなくヒップホップ好きが好きなソウルミュージックになっていて、その辺はSnoop御大の意向かなと思う。あと合間にSnoopがシャウトしていてミックステープっぽさがあるのも好きだった。 これまでSnoopのアルバムでFeatでいくつか参加しているので聞いているはずと思って聞き直すとそのときはマービンっぽさはそこまで感じない。今回はビート含めて完全に仕掛けている模様。好きな曲はカッティングギター、サックスの音が気持ちいいミッドチューン”Make
Me Wanna”
Space 2 by Marlon Craft
okayplayerの新譜紹介で知ったNYのラッパー。メロウなトラックの上で内省的な内容をスピットしておりかなり好き。Mac
MillerやKota The
Friendとか好きな人には刺さるはず。日本で人気出そうな感じなのに全然聞いたことない割に他国ではかなり再生されている。アンダーグラウンドなラッパーでもいい曲出していれば報われるのはストリーミング時代の産物だと思う。ひびの入った窓をそのままにしておいてくれとフックで言い放つ”Window
Cracked”が好きな曲。
Korean R&Bを代表するocaenfromtheblue
によるセルフタイトルアルバム。個人的にはラッパーとの絡みが多く、サウンド的にもよりR&Bよりだった”forward”が好きだけど、本作は誰にでも勧めやすいポップさがあって良かった。好きな曲はシティポップを彷彿とさせる”Close
to You”
In My Mood by NSW yoon
SMTM11で一躍シーンに躍り出たNSW
yoonのEP。もちろんドリルで哀愁メロウ系で好きだった。FeatにGistとMarvというのが分かってるな〜と思ったし、彼の声とフロウはドリルにフィットしていてかっこいい。それについてHypebeast
Koreaでも言及していたので、なるほどという感じ。しっかりしたアルバムを聞きたい。強めにスピットしている”Do
You Love Me”が好きな曲。
今週聞いた中で一番ブチ上がったアルバム。Okayplayerの新譜紹介で聞き始めたのだけど、サウンドデザインの幅広さとかっこよすぎるボーカリゼーション、ポップとドープの混ぜ具合、全部が揃っていてめちゃくちゃかっこいい。特に”Hard
Out
Here.”、”Escapism.”の2曲はベーシックなブレイクビーツをベースにしているのに今まで聞いたことないサウンドでブチ上がった。オーケストラの使い方、転調、歌とラップ、どれをとっても一級品。それと同時にバラードもあるしダンスポップもあるしアルバムでいろんな音像を提示しているアーティストが個人的には好きなので最高だった。もともとソングライティングで名を上げており既に著名とはいえ、これでデビューアルバムというのだからこの先楽しみししかない。彼女はUKのアーティストでしかもここ数年の音楽の震源地であるサウスロンドン育ち。これがメインストリームど真ん中で鳴っているUKの今の勢いを感じた。 1曲選ぶの激ムズなんだがディケイド単位の名曲になるだろう”Escapism.”が好きな曲。BBCのチャンネルでライブもアップされていたのだけど、レイドバックしたフローが死ぬほどかっこいい…日本でライブあるなら絶対に行く。
ebony by Ebony Riley
これもOkayplayerの新譜紹介で知った。デトロイト出身でモデルの彼女によるデビューEP。R&Bど真ん中な感じは最近聞いていない中でとてもフレッシュだった。Frank
Oceanの”Thinking about you”やBeyonce,Ariana
Grande,Rihannaなど近年のR&Bのトップどころに深く携わるShea Taylorがメインプロデューサーとなっているのでクオリティの高さは保証済み。彼のプロデュースではないけど“Champagne”
King の
“Love Come Down”を大胆にサンプリングした”Draw”が好きな曲。
LEXは毎度アルバム通して聞いても結局なんだっけ?みたいになってピンとくることがなかったけど今回はアルバムとして完成度がめちゃくちゃ高くて好きだった。前半のイケイケモードと後半の内省モードで躁鬱を表現する。ここまでなら他のラッパーでもできるだろうけど、彼がスペシャルなのは音楽のスペクトラムの広さゆえにリリックだけでなく音でも表現できる点だと思う。普段何を聞いていてどういう音楽にインスパイア受けているのか知りたくなった。それはつまりオリジナリティがめちゃくちゃ高いということだと思う。アルバム公開に合わせて公開されたドキュメンタリーも興味深くKMの言うとおり日本人のアーティストとしてどこまでも羽ばたいてほしい。(ドキュメンタリー内でsokodomoが出演しており彼のニューアルバム(!)
を聞いてLEXがブチ上がっていたのでそちらもとても楽しみ)色んなタイプがあって好きな曲を選ぶのむずいけど、やはりタイトル曲の”King
of Everything” 職種は問わ〜ない
定期的にリリースを怠らないKota the
Friendのバース集。まるで日記のようにラップを滔々とビートの上でスピットするシリーズの四作目となる。ビートがどれもかっこよく良い意味で軽いので聞きやすい。Statik
Selectahとの相性はいつも通りだし今回知ったGC
beatsというプロデューサーは『Lyrics to GO,
vol.2』でかなり使われていた模様でこちらもいわゆるChill系で心地よい。Genius見てたら、たかやんというアーティストに曲提供していてタイプビートの世界は複雑でオモシロいなと思えた。歌詞はかなりポエティックでじっくり読んでいると楽しい。一番好きな曲は”LIFE
LESSONS”
Soulection Takeover:2K23 Edition by Soulection
NBAのビデオゲーム向けにリリースされたSoulectionのコンピ。以前にもお伝えしたとおりSoulectionは本当に好きなレーベルでこういうのはもう大好物。四つ打ちもあるし、トラップもあるし何でもござれだけど、その中でも彼らのサウンドシグネチャーを感じるのがすごいところ。今回知ったアーティストで
Jbirdというマルチインスト演奏者によるラストトラック”The Shattuck Effect (B.99
Suite, Pt. II)”が一番好きだった。
Jose
Jamesのアルバムをふまえて再聴。Soulequliansがアルバム全体に大きく貢献しているアルバムという認識がまったくなかった。あらためて聞くと音の気持ちよさがハンパない。Roy
Ayer Ubiquityが参加している”Cleva”
とか特にたまんない。このアルバムは生音中心なのでJose
Jamesがバンドでカバーするとなると一番スムーズだったのかもしれない。色々調べていると、このアルバムがリリースされた2000年って『Voodoo』『Like
Water For
Chocolate』もリリースされていて恐ろしい年…両方とも聞き直したけど、いつ聞いても洗練された音に自然と首を振ってしまう。Soulequliansは最高。