2023年2月20日月曜日

2023年2月 第3週

Proof of Magnetic Field by MONJU

 MONJUのアルバムがLPでリリース。1年前に予約しててすっかり忘れてた。しかも今回はピクチャー版!改めてLPで聞くと16FLIPのビートのオリジナリティと3本マイクのコンビネーションにぶっ飛ばされるアルバムだった。そろそろ仙人掌の新しいアルバムを聞きたい。

Odorata by Le Makeup

 Le Makeupによる3rdアルバム。『微熱』で初めて知ってそのときの衝撃もそのままに本作も最高だった。日本語にこだわったポエティックかつ等身大の表現は唯一無二。日本語にこだわっている点は舐達麻と同じ方向性というか日本のらしさを追求していくことでそれが世界に訴求するようなアートになる感じ。ブレイクビーツ、ドラムン、2ステップ、ロックなんでもござれの中で音の質感は統一されメロウさは常にそこにある。そこで彼の憂いのある歌声が加わって美しい音楽になる。好きな曲を選ぶのは難しいのだけど、クラシックなブレイクの上で大阪の思い出を歌う”Dress”が好きな曲。

Enter The Wu-tang by Wu-Tang Clan

 Wu-tang clanのドラマをDisney+で見てブチ上がった流れでアルバムを久しぶりに聞いた。ヒップホップの初期衝動を思い出したしドラマを見たことで当時より解像度の上がった状態で聞くことで改めてこのアルバムのかっこよさや渋さにヤラれた…
 ドラマでも強調されていたがRaekwon、Ghostface Killahのラップのうまさは本当に異常。今週からFinal Seasonが始まるので、こんなポストも。
https://www.okayplayer.com/originals/how-true-is-wu-tang-an-american-saga.html
 2人が仲悪かったのはフィクションなんすね〜ストリーミング時代が素晴らしいのはここから各メンバーのソロとか無限にディグできるところ。クラシックだけど聞けてないのいっぱいあるので毎日の楽しみになった。

Panorama Apartments Series by HI-TEK

 HI-TEKのロストテープがリリース。タイトルにあるようにMPC60によって作られたビートの数々は全く古びない音で、サンプリングベースかつヘビーなドラムサウンドは大好物の音。 コンピューターでこういった音の質感は再現できると言われる最近だけども、やはりここにはサンプリングマジックが宿っているのでは?と思わされるビートの数々だった。毎月リリースで5月まで続くっぽいので続編も楽しみ。

Rihanna’s FULL Apple Music Super Bowl LVII Halftime Show

 スーパーボウルのハーフタイムショウでRihhanaが久しぶりに公の場で歌うとなれば見るしかない。この人が持つクラシックの数々が惜しげもなく詰め込まれた10分強でブチ上がった。Kanye West関連曲をしこたま入れてくるあたりに批評性があってオモシロかったし、実際Kanye Worksの素晴らしさは間違いない。キャンセルされてしまったのは仕方ないが何とか持ち直して欲しいという思いも込められたパフォーマンスではないのだろうか。

Exclusive! J.PERIOD & Black Thought Present The Live Mixtape: Dilla Day Edition [Recorded Live]

 Dilla Dayを祝う系のコンテンツは毎年2月に色々リリースされる。ミックステープ、ブレンド職人のJ.PERIODとBLACK THOUGHTによるミックステープ。 もちろんThe Roots”Dynamite!”とかもやりつつDillaのインストかけてその上にラップしまくるのが楽しい。ライブ録音らしくバイブスがとにかく高くてBLACK THOUGHTのラップおばけっぷりが発揮されていた。結構しっとりしたTributeが多い中でエネルギッシュな1枚。

Live at Tramps by De La Soul

 Plug 2ことTrugoyが逝去した。De La SoulはWUと同じくUSのヒップホップを聞き始めてすぐに買ったCDの1つであり、DJしていたときも”Me Myself & I”や ”Ring Ring Ring”を何回もかけていた。こうやって自分が好きだったアーティストが亡くなっていくニュースを聞くにつれて自分も歳をとっているのだなと思う。月並みだけど。
 でラッパーのKN-SUN氏がInstagramにポストしていたのを見て即ゲットして聞いた。ストリーミングはなし。これがハンパじゃなくかっこよかった…De La Soulはアルバム聴いてる限りだと割とクールなイメージを持っていたのだけど、ライブではバイブス満タンで盛り上げる為の仕掛けがたくさん用意されていてライブCDでもライブが上手いことが伝わってきた。またエデュテイメントなバイブスもありTrugoyがこのライブの最後のMCは今こそ聞かれて欲しい言葉だった。以下引用。これが96年時点の話なんだからすげえっす。

"Thank y'all for not forgetting what hip-hop is.Y'all make that shit for real tonight. Everybody talking about keep it real. This is real-white, black, purple, blue, green, yellow, up in here enjoying themselves, having a good time. Cut that ignorant sh-t out. We don't want to duck from guns. We don't want to call our women 'hos. We don't want to call our brothers 'niggas. Hip-hop for real. Ban the bullsh-t and get down with this ban. Native Tongues forever. We out of here."

Quest For Fire by Skrillex

 Fourtetが参加しているのでとりあえず聞いてみると、恐ろしいほどかっこいいダンスミュージックの洪水で悶絶死した。なんとなく「どうせEDMっしょ〜」くらいの偏見混じりで聞いた自分が恥ずかしくなった。友人と話していたのは、同世代のSkyrillexも若い頃聞いていただろうダンスミュージックの感じもありつつ、それが現代に向けてアップデートされているということ。どの曲も大体サンプル使いなのもアガるし特筆すべきは音の鳴りの異常なまでのかっこよさ。Kelelaのアルバムも相当鳴りの気持ちよさがあったが、これはまた別次元の鳴りでクラブで聞いたら最高なんだろうなと思う。Skrillex,Fred Again…, Fourtetの3人が満員のマディソンスクエアガーデンをブチ上げているのを見るとDJの偉大さを痛感した。どの曲を選ぶか難しいが最近はハウスな気分なので”Butterflies”

NEO TYO by MadeinTYO

 MadeinTYOのニューアルバム。こちらは通常運転でメロウなトラックの上でシンギンスタイルでラップしている。最近はもうトラップのヘビーでドープなやつはほとんど聞けなくなっていて、こういうメロウなやつをだらっと聞くのが好みです。で結局好きなやつは”Thinking to Myself”というサンプリング ベースのオーセンティックなビートだったりする。ビデオは東京で撮影されていた。しかし”Thinking to Myself”は去年リリースなので、24hrsとのナイスコンビネーションで中毒性のあるフックの”Must Be Nice”が好きな曲。

 韓国では再びレーベル再編の動きが始まっている。Swingsが既存のレーベル各種を集めてAP ALCHEMYを始動。第一弾シングルとして若手2人とSwingsによるシングルがリリースされて、それがめちゃくちゃかっこいい…ここ数年P-nation入ったり自社ビル買ったりビジネスマンっぽい動きが多くてもう余生なのかな?と思っていたら、また混ぜ返しにくるところがアツい。Jay Parkはユニティの人で彼のHIPHOPへの愛は大好きなんだが、こういうSwingsがそれら全部を薙ぎ倒すようなビジネススタイルで話題をかっさらっていく歪んだ愛もまた最高だ。ここからの動きは以下Tweetのツリーにまとまっている。

THE FROST ON YOUR EDGE by 30

 もう一つの驚きといえば、Deepflowの30への加入である。VMCのオーナーとしての役目を先日終えたばかりの中、まさか同じような後輩クルーに途中可能するなんて誰も想像していなかったと思う。30はKhundi Panda,DSEL, Som Simnba などのスキル鬼系ラッパーの集団で音楽の方向性としては納得できる。で今回アルバムがリリースされたのだけど、現時点では2023年韓国ヒップホップの個人的AOTY。まずビートが最高にDooooope!1曲目”Cakewalk”がJuke(しかも最初のバースはDeepflow)でぶっとばされたしタムでビートを刻む”The Bold Crew”とか。単純にブーンバップ志向というよりも次のサウンドを作ろうとする気概を感じた。1曲除いてすべてViannというプロデューサーによるものらしく今後要注目。そのビートに乗るラップはもちろん全員タイトでかっこいい。ラストは韓国のビールと同名の”Dry Finish”で大団円。これが一番好きな曲だった。Deepflowはアルバム内でJUSTHIS,TAKEONE,DON MALIKをディスしている模様なので、またビーフが始まるかもしれない。。。

XARCHIVE by Xwally

 changmoのストーリーで知った韓国のラッパー。現行のTravis的なUSスタイルを踏襲していてかっこよかった。NSW Yoonはドリル曲だと本当にハズしがなくてかっこいいし、Xwallyはシンギンスタイルでかっこいい。”3AMSEOUL”はジャージードリルでそのネタがJorja Smith”On My Mind”で好きだった。

THE CORE TAPE, Vol.1 by Dok2

 Mixtapeという形でラフなリリースが定期的に続いているDok2。今回も録ってだしな感じだが、ラップかっけぇということと最近の中ではビートのバリエーションが豊富で好きな方だった。ハングルも最近の中では使っている方だと思うし、英語で意味を取れるよりもハングルでスピットしているDOK2の方がカッコよいと思っているのでシーンにカムバックする日を待っている。好きな曲は2010年代のエモバイブスをそこはかとなく感じた”Pursuit Of Happiness”

0 件のコメント: