2023年8月21日月曜日

2023年8月 第2週&第3週

 10連休があり前半はだらっとしていて、あんまり新譜を聞く気分になれず旧譜をのんびり聞いたりしていた。後半は大阪へ帰省する中で新幹線トラブルにガッツリ巻き込まれた。死ぬほど暑い中、1歳児とどこかへ行く難しさを痛感した日々だった。  ネット上でサマソニの動向を見てKendrickは見たかったな〜とか思いを馳せつつも、自分にとっての今年のフェスは「おかあさんといっしょ」のファミリーコンサートだった。全体に作り込まれた演出および出演者たちのプロ意識に感服。お盆休みが終了したので、また今日からディグ道を邁進していきたい所存。

NOT LEGEND by OZROSAURUS

 ついにOZROSAURUSのアルバムがリリース。ZORNのALL MY HOMIESへ加入、盟友DJ PMXとのシングル、KREVA×BACHLOGICとの邂逅を経てのアルバムなので期待しまくっていたけど余裕でその期待を何倍も上回るアルバムだった…AOTY!日本語が第一言語で良かったと思うのは、こんな高純度の日本語の歌詞を存分に楽しめることができるから。変に英語に逃げないでひたすら日本語の可能性を追求している、しかも大ベテランがと思うと胸が熱くなる。明らかにこれまでのアルバムとギアが違っていて抽象度と具体性のバランスが素晴らしくて叙情性が高い、ゆえにラップを聞いた後の余韻も群を抜いている。大人だからこそ書けるリリックであり、ヒップホップと歳を重ねるというのはこういうことかもしれないとさえ思えた。アルバムの中心を担うのはメンバーであるGUNHEADのビートというのは意外だった。鳴りも最高だしオーセンティックさを持ちながら古臭くない絶妙なバランス。Oliveoilも参加していて「すわ、ビートとラップの後ろノリ合戦か?」と思いきや、どストレートなピアノループかつビートもオンなのは意外だった。ここから聞き込んでいきたい。

United Queens by Awich

 Badbitch美学がスマッシュヒットしている中で、そのメンツにCyber Rui、MFSも加えてフィメールならぬクイーンたちが集うEP。女性のラッパーでEPを作る、それがめちゃくちゃかっこいいというのはそれだけで隔世の感がある。Awichは女性をエンパワメントする存在として世間的にも認知されていると思うが、その方法として男根主義に中指立てる、揶揄するスタイルなのは男なのでウッ!とはなった。ただこういうカマシがないと社会は変わっていかないので良いことかな。好きな曲はCyber Ruiを迎えたドラムンベースの”Shut Down”

Sundial by Noname

 5年ぶりのアルバムリリースとなったシカゴのラッパーNoname。mixtapeでシーンに登場し、その後はJ.Coleとのbeefなどがあって、それ以来音沙汰なかった中、今作はめちゃくちゃ好きだった…生音でオーガニックなサウンドのバランスが今どき見かけないものだからこそ超フレッシュに聞こえた。ビートのBPM帯も100-110前後で全体を構成されているのも非常に軽やかで好き。リリックもちゃんと読み込みたい。やはりいいものを作るのには時間がかかるという、サブスク時代だと忘れられがちな当たり前の事実に気付かされることが今年は多い気がする。インスタントに作りまくるのもいいが、傑作を作り末長くたくさんの人に聞かれるのを目指すのも一つのスタイル。好きな曲は2023年にまさかのミドルな”namesake”

Live at RBC Echo Beach by Khruangbin & Men I Trust

 KhuruangbinとMen I Trustのスプリットライブ版という珍しい作品。ライブ版かつ2バンド収録で38分の構成というのが新鮮。ライブ版は長い尺をとりがちだし、ストリーミングになり収録時間の上限がなくなった中でフェスの尺くらいで聞くのはどうなん?と思っていたけど意外にいい。しかもこの組み合わせがこのクソ暑い真夏に家でChillするのにマジで最適…体感2度は下がると思う。(個人的感想)Khuruangbinはこの短い尺のライブシリーズを後2作品出していて、そっちも調子良かった。

POP A LOT by Sik-K

 HAONとの共作”ALBUM ON THE WAY”の公約どおり(?)フルアルバムがリリース。H1ghr抜けて自身のレーベルを作りライブを含めて精力的に活動している印象がある。17曲入りでボリューミーかつ色んなスタイルの楽曲が入っていてかっこいい。歌フロウ多くて聞きやすいけど、もうちょいハードなスピット系も入っていて欲しかったのは個人的な願望。そんな中で好きな曲はダブステップっぽさを感じるビートでスピットしている”THE SIK”

The Predator by Fleeky Bang

 Fleeky Bangが1stアルバムをリリース。前哨戦のLil Moshpitことフィミンとのアルバムも素晴らしかったけども本作も現行USを意識したスタイルでめっちゃかっこよかった。ドリルで名を馳せたけれど、ドリル一発屋にならないように今回もトラップも入っているし、メロウモードで歌ったりもしている。そんな中でもやばかったのは SUPERBEEを迎えた”Dirty&Rich” トラップなんだけどドリルなベースの入れ方が倍速になっていてかっこよい。また新しいスタイルになるかも?

The Lost Diary by UNE

 BewhYのDejavu groupのUNEがEPをリリース。Dejavuのクルーだとハードなラッパーが多い中で彼女の声はアクセントになっていて結構好きだったのだけどソロ作品も素晴らしかった。ファンク、R&Bの要素をビシバシ感じるタイプのK POPでとても好き。いくら音楽的な背景が芳醇だとしても、年端もいかない女の子たちの音楽をおじさんたちがこぞって楽しむ構造にはいつまでも慣れない。そういうのばっかりが評判になりがちだけど、こういうマチュアで素晴らしい音楽も聞かれてほしい。好きな曲は”It’s a good thing”

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