2023年8月8日火曜日

2023年8月 第1週

Lie-Sense by grooveman Spot

Grooveman Spotが自身のレーベルから十数年ぶりにボーカルアルバムをリリース。近年は自身のアルバムはダンサブルなインスト中心、プロデュース業はジャジスポ周りに限らない広いラッパーへのビート提供で活動の幅を広げてきた印象。今回のアルバムは原点回帰的な歌ものアルバムとなっている。特にトークボクサーのKzyboostの貢献が非常に大きくメロウな中でも必ず存在するファンクネスが最高にかっこいい。このファンクの粘り気こそがポップスとの差だと改めて感じたし壮大なゴスペル調のエンディング曲もブチ上がった。韓国ヒップホップ好きとしては久しぶりにUgly duckがバースかましてるのもナイス。好きな曲は”Slow Wine”

electroclash by JUBEE & Yohji Igarashi

四つ打ち meets 日本のヒップホップの歴史は環ロイ、DEXPISTOLSなどが試みた歴史があり、そこからヒップホップの枠はどんどん拡張しており、こういったEPが出ても何の違和感も感じないことに隔世の感がある。JUBEEは90年代、00年代のロック、ダンスミュージックを飲み込んで2020年代のスタイルを提示しているラッパー。自分がリアルタイムで聞いていた音楽がトレンドのループに突入したのかと思うと自分も歳をとったんだなと実感…クラブのフロアで聞いたら楽しいだろう曲のつるべ打ちでスピーカーで爆音で聞いていた。好きな曲は”Trend”

It’s on me by L-like

AOMGが新たに設立したDJクルーのレーベルSolabeam RecordsからL-likeのアルバムがリリース。夏に聴きたいBleezinな7曲構成+全曲のインスト。インストがついているのがDJらしい。AOMGコネクションとしてHoody,meenoiを召喚しつつ、他にもパロ兄、今ぐいぐいきてるoygliなどトラックに合わせた彼女なりのエディット感覚を味わえる1枚。好きな曲はパロ兄の予想外なハイトーンなフックが癖になる”So FIne”

Apart: Demos (1980-1984) by Andre Gibson & Universal Togetherness Band

SNSで知ったリイシュー系。シカゴベースのUNIVERSAL TOGETHERNESS BANDとフロントマンのAndre Gibsonによる未発表曲集。デモ曲のようなもの含まれていてシンプルな構成の曲も多いのだが、フリーソウル直系のソウル、ファンクなので、もう最高…こんなのが未発表で眠っているのかと思うと、まだまだ世に出ていない音楽に対する憧憬の念を抱いてしまう。そのくらいの快作。好きな曲はもっともバンド編成の醍醐味がある”Love Changes Life’s Changes”

Love Hallucination by Jessy Lanza

歳をとったなと思うのが季節感を大事にしがちなこと。食事も音楽もその季節にフィットするか、旬なのかどうかをよく考えるようになった。その中で今回のJessy Lanzaのアルバムは今の季節、気持ちにもっともフィットする1枚で今週一番聞いた。カナダのシンガーで、これまでの作品だともうちょいアブストラクトだったけど、ジャケットのような突き抜けた風通しのよさを感じる作品となっている。ポップとドープのバランスの良さとでも言うべきか。好きな曲は”Gossamer”

Protea by Kota the Friend

ひっそりとリリースされてたKota the Friendの新しいアルバム。超ハードワーカーでシングルやらEPやらコンスタントにリリースが続いている。本作はこれまでの作風とめっきり方向性が異なり基本四つ打ちで、めちゃくちゃBreeezin!Goldlinkをもっとポップにした感じ。ソウル、ファンクを感じさせるサウンドかつFeatも彼にしてはかなり多くて最高な作品となっている。今年の夏のアルバムになった。全部好きと言えるレベルでどの曲も最高なんだけど、久しぶりに聞いてブチ上がったAloe Blaccをfeatに迎えた”Road Rage”

Skinemaxxx (Side B) by Fly Anakin, Foisey & Demae

子どもの寝かしつけで寝落ち、そのあと夜泣きで起きて夜中2時にシャワー浴びてるときに聞いたらブチ刺さったアルバム。ヒップホップは深夜の音楽なんだなと思ったし、これもまた音楽とTPOだった。アルケミストっぽい比較的ドラムの鳴りを抑えたサンプリングの上音ベースの曲が多かった。好きな曲はMVも上がっている”Things Change”

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