2024年5月21日火曜日

PLMメソッド

PLMメソッド/タカサカモト

 パートナーの影響で野球は日常にあり幼少期はなんちゃって野球少年だったので野球に対する興味を人並み以上に持ち合わせている。現代の野球好きで見たことない人はいないはずと言っても過言ではないくらい人気であるパ・リーグTVのYoutubeチャンネル。それを運営する会社にまつわる本として本屋で見かけたので読んでみた。運営母体のPLMという会社の歴史や事業形態などについて詳しく解説されており興味深かった。ただ思ったよりもビジネス要素強めなので読む人は選ぶかもしれない。

 パ・リーグTVのYoutubeを運営するだけの会社だとすっかり思いこんでいたが、歴史は長くリーグ再編の激動の頃から存在している会社だということに驚いた。6球団のコンテンツを一括管理することでビジネス上のハードルを下げて全体利益を目指していく姿勢は普段セリーグ周りのサービス内容を見ている身からすると効率的に見える。特に放映権の問題は一括管理しているからこそDAZNで全試合を観戦可能となっていてビジネスとファンのニーズの綱渡りを見事に達成できている。(対象的にセ・リーグは見れない試合がポロポロある)著者と同年代でパ・リーグが絶望的に人気がなかった時代を知っているのでローカルに根付いて各地でファンベースを形成している今は本当にヘルシーだと思う。その背景にはリーグ一丸となってファンの楽しめることは何かを考えてきた結果なんだろうなと読み進めるうちに理解できた。

 パ・リーグTVの歴史、サービスのところは割と薄めで会社の解体新書といったベクトルである。特に社長を筆頭として各社員の紹介にかなりのページ数を割いている。なのでスポーツビジネスのあり方を知りたい読者にとっては格好の良書だと思う。特にスポーツビジネスに新卒で関わるのは難しいから、まずはビジネスマンとしてのストロングポイントを形成しアプローチする必要があるという主張は、スポーツに限らず転職を考える際には必要なマインドセットだろう。そして人の職歴が非常にオモシロいというのも本著で初めて知った。こういう新興企業において華麗な栄転を繰り返し、活躍している方々はキラキラして見えるが、そこにある泥臭い部分もあますことなく書かれているのでリアルに感じた。自力優勝が消滅したローカル球団を細々と応援していきたい。

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