パンデミック日記 |
新潮に掲載された日記特集号を改めて別冊にした1冊。好きな作家やミュージシャンが寄稿していて、彼らがこのパンデミック下でどのような生活をしていたのか知れて興味深かった。各作家1週間、合計52週で一年の日記になっているところが本作最大の特徴。食べたものやどこに行ったかまで細かくログする人から、取り組んでいる仕事に対する考えのあれこれ書いている人もいて粒度は様々。1年間を通じて場所、境遇、季節の組み合わせが無限にあって全く飽きずにひたすらページをめくる手が止まらなかった。感染拡大の程度が時期によって異なるし、コロナ禍といえども人それぞれの距離感があり、特に日本は強いロックダウンが行われていないので、この頃は確かにまだ外出できたなーとか、あの頃は本当にずっと家にいたなーとか、当時の自分の挙動が思い出された。各人のリスクとベネフィットの考え方に触れるという意味で日記はとてもわかりやすい指針なのは間違いない。日記を細かく書いておくと後で見返すのがオモシロい。今は中断してしまったけど再開したい気持ちになった。
書く順番は編集部から指定しているようで完全に編集の妙が出ている。(石原慎太郎→植本一子の飛距離が一番笑った)またもともと新潮に掲載されていたものゆえに執筆者は小説家が多い。生活に執筆が組み込まれていてとても生々しく感じる。当たり前のことなんだけど、人によって書く時間や書き方が全然違う。自分が読んでいるものがこのように創作物として生み出されているのかと工場見学したような気持ち。パンデミック下で行動が制限されたとしても小説家のクリエイティビティに陰りはなく、抑制された生活しながら物語を紡いでいるのかという畏敬の念も抱いた。新作を読めてない作家の人もいたのでこれを機に読もうと思えたのも収穫、日記最高!
1 件のコメント:
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