ECDIARY/ECD |
好書好日のtofubeats回で紹介されていたので読んだ。読み始めて一気に引き込まれて一日で読了…100日間の日記で自身の生活について書かれているのだけど、その生活の中で見つけたトピックから思考を展開していくような内容がとにかく刺激的で興味深かった。
2004年の日記でアルコール中毒からは既に抜け出したあとでメジャーレーベルと縁を切り自主販売でCDやDVDを捌いていきつつ別で仕事をしている頃の話だった。このようなスタイルは今となってはストリーミングの効果もあり当たり前になりつつあるものの、この頃はCD出すのにも一苦労な時代の中で思い切って自分で全部やると決めている姿勢がストイックでかっこいい。自分の考えが強固に存在し、フェイム、フレックスに目もくれず自分の考えるヒップホップを体現する。なんで自分がヒップホップにここまで夢中なのかといえば著者のようなラッパーがいるからだと改めて思う。
生活のディテールの細かい描写ではなく著者の思想に触れられるのが興味深かった。18年前とは思えない、2022年の今でも芯をくうパンチラインのつるべ打ちで以下一部引用。引用箇所だけ読んでもピンとこないかもしれないが、どの口が何いうかが肝心©️MACCHOな訳でECDの言葉で、彼の文脈だからこそ刺さるのだった。
“自分にしかできないこと” なんかなくて、 ”誰にでもできること”の中から”自分のやること”を選ぶだけでよいのだ。
僕は政治なんか拒否するために政治活動に参加しているのだ。ほっといてほしいからこそ、つっぱねようと行動しているのだ。
ここでいうセンスというのは、自分が「いい」と思うものを自分以外の人にも「いい」と共感してもらうために働かせる知恵のことだ。だからひとりよがりではダメだ。
他の読んでない著作もあるし、聞いていないアルバムもあるのでこれからも読んだり聞いたりしていきたい。
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