pH-1の新曲を聞いて去年の好きな曲を100曲選んだ。今のシーンに対するフラストレーションを感じたからだ。自分自身は韓国のヒップホップの楽曲がとにかく好きでひたすら新譜を聞いているのだが、彼からするとかつてのヒップホップの在り方からかけ離れてしまっている、つまり音楽以外の要素で注目されることを憂いている。こういった発言はOGに多い傾向があるが、第一線にいる彼から発せられるのは重い話だ。(サムネイルが松屋と吉野家と牛角で全部牛系なんだけどBeef を意図している??)
去年はShow Me The Money(SMTM)が開催されないという異例の事態が発生した。毎年お祭りのように開催され、メンターのラッパー、プロデューサーたちが期待の若手をフックアップし、その年のトレンドが浮かび上がる。賛否があるにせよシーンを総括する役割を担っていたのは間違いない。それが無くなったことで何となく1年が経過したのは確かに否めなかった。そしてお祭りがない中でpH-1からするとネガティブな出来事が目に付いたのかも知れない。
ただ2023年は本当に素晴らしい楽曲が多かったと個人的には感じている。特にSMTMがないから今がチャンスと見た数年単位でリリースのなかったベテランたちのリリースがHIPHOP、R&Bともに充実していた。当然若手も有望なラッパーが雨後の筍のごとく沢山でてきているのだが、アルバムやビデオのリリースだけではどうしても頭ひとつ抜けるのは難しい状況でありオーディション番組の効果を思い知る結果となった。今年は何らかSMTMの代替番組が登場してほしいところ。
こういった背景の中でも100曲選ぶのは本当に楽しかったし難しかった。シングルはなるべく選んでいなくて、アルバムもしくはEPからお気に入りの曲を選んだ。なので各曲をきっかけに好きなアーティストを見つけられるはず。あと曲順もDJ的に選んでいて前半はトラップ、中盤はメロウな感じで、後半はダンサブルな感じ。どの曲もビートのクオリティとフロウの豊かさがとにかく最高でUSのトレースではあるのだけど、どのアーティストも絶妙にそこにオリジナリティを加えている。その点が韓国ヒップホップの好きなところであり、日本でもっと盛り上がるポテンシャルがあるので、このプレイリストが誰かの入口になればと祈る。
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