ということで大阪帰省の際に大量購入したんですが、
とりあえず積んでいるものから読んでます。
昨年読んだアジア未知動物紀行がオモシロかった、
高野秀行さんの作品を読みました。
数多くの作品がリリースされているんですが、
このタイトルの強さに惹かれて思わず購入。
ゴールデントライアングルと呼ばれる、
世界最大の麻薬製造地帯のうち、
ミャンマーにあるワ州というエリアにオフィシャル潜入。
アヘンの原料であるケシの実栽培に
村人に混じって参加したルポタージュです。
この時点でオモシロい気配しかしないわけですが、
読んでみると想定を超える事態の連続で最高最高でした!
単純に麻薬ビジネスの背景や勢力図を書いたものも
オモシロいし好きなんですが、
高野さんの作品が特別な点は生活者の話だからです。
本作でも村に暮らす人々にまつわる、
ときにハードで、ときにキュートな
エピソードの数々がたまらない!
アヘンの原料を作っていると危険な匂いを
勝手に感じてしまうんですが、
想像ではなく高野さんが自分の目で見た事実の
1つ1つが読者の抱くイメージを氷解させていく。
終盤に村を出て行く場面は思わず泣いてしまいました…
とはいえ、アヘンはアヘンであることに変わりない。
アヘンと聞いてすぐに思い浮かべるのはアヘン戦争。
なかでもアヘン窟の絵は今でも覚えています。
著者も例外なくアヘンの虜になっていく姿は
とてもスリリングでした。。。
一方でアヘンはモルヒネの原料でもあるため、
死の苦痛を和らげていたのだという、
アヘン吸いのおじいさんが亡くなるエピソードは、
死との向き合い方について考えされられました。
アメリカでは医療大麻の合法化が進んでいますが、
日本ではドラッグ=危険!という
非常に硬直した考え方になっているなーと思います。
(酒というドラッグは肯定しているのに)
もっと大局的に見たミャンマー内の、
民族間の違いに関する記述は現在進行形の問題で、
少数民族を抑圧する政府という立場は
アウンサンスーチーが国の中枢に入った今も変わらない。
こういった世界に横たわる現実知るか/知らないか問題は、
自分が当事者ではなく日本でのうのうと生きているという、
矛盾がつきまとうんですが、僕は好きなので
これからもノンフィクションを読んでいきたいです。
高野さんはミャンマー系でもう1冊、
ミャンマーの柳生一族という著書があるので、
そちらも読んでみようと思います。
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