2017年3月7日火曜日
トリプル9 -裏切りのコード-
去年、劇場で見ようと思ったけど見逃した系。
予告編でケーパーものかーと思っていましたが、
さらに汚職警官ものであるという、
好きな要素多めで楽しみました。
キャストがとても豪華で、
映画、海外ドラマでメインキャストとなる
メンツが出し惜しみなしでクルーを組んで
銀行強盗を行うオープニングはかなり好きでした。
ロシアンマフィアと警官汚職の話を
並行して描きながら、上記のキャスト陣が
どういった人間なのかも説明しなきゃいけなくて、
そこがあまり上手ではなかったところが残念。
あと個人的に死んで欲しくなかった人が、
いの一番に死んでしまうのも勿体ないなーと。
アトランタが舞台なんですが、
最近のMigosの大活躍っぷりとか、
Outcastのイメージでご機嫌な土地柄なのかと
勝手に思っていたんですが、
なかなかのハーコー描写の数々にはビックリしました。
アトランタが舞台なので、
当然Migosの曲がかかってはいるものの、
劇中で一番フォーカスされてるはサイプレス・ヒル!
ストリップクラブでかかるし、
エンディングでは同じ曲の
リミックスがかかる徹底っぷりでした。
ラストの裏切りに次ぐ裏切りの応酬は
見ていてかなり歯応えあって好きでした。
ラベル:
DVD Review
国道20号線
バンコクナイツ公開記念ということで、
新宿のK's Cinemaで空族の映画が特集されていて、
全部は見れないので本作を見ました。
なぜ本作なのかと言えば、
田我流の1stアルバム「作品集- just-」に
スキットで本作の音声が使われているから。
これまで見たサウダーヂ、バンコクナイツは
長い尺で心身ともに映画に没入させられる
タイプの映画ですが、本作は尺が短めながら、
鋭い切れ味の映画だなーと思いました。
国道20号線が象徴のように登場し、
その付近に住む男女2人組が主人公で、
2人とその周りの人びとの日常を描いています。
日常とはいうものの、
2人組は毎日スロットしてて、シンナー吸いまくりだし、
ゴルフクラブの押し売り、シャブ中、闇金などなど、
少なくとも僕の日常とは乖離している。
闇金ウシジマくんのようなドラマティックなことはなく、
ただただヒリヒリした毎日がそこにあるだけっていう、
かなりドライな内容。
しかし、そこを役者陣と撮影の力で
結果的にウェットな仕上がりになってました。
役者陣は芝居が上手という話ではなく、
実在感で勝負しているところが空族の映画が
多分に魅力的に見える部分だと思います。
地方のヤンキーと言われて思い描く、
そのままの人物像がスクリーンに映し出されていました。
(Can you celebrate?のカラオケシーン最高)
また撮影は2007年の作品ですが16mmで撮っているため、
時代をトリップしてる感じが見てて楽しかったです。
今やどの地方にいっても、
国道沿いは同じような光景が繰り広げられていて、
それに対してクリティカルな姿勢を取りたくなりつつも、
実際に住む人は便利だからいいのか…
と逡巡するのがここ最近僕が考えることです。
この病んだ状況ここだけじゃねーな!
なぜ本作なのかと言えば、
田我流の1stアルバム「作品集- just-」に
スキットで本作の音声が使われているから。
これまで見たサウダーヂ、バンコクナイツは
長い尺で心身ともに映画に没入させられる
タイプの映画ですが、本作は尺が短めながら、
鋭い切れ味の映画だなーと思いました。
国道20号線が象徴のように登場し、
その付近に住む男女2人組が主人公で、
2人とその周りの人びとの日常を描いています。
日常とはいうものの、
2人組は毎日スロットしてて、シンナー吸いまくりだし、
ゴルフクラブの押し売り、シャブ中、闇金などなど、
少なくとも僕の日常とは乖離している。
闇金ウシジマくんのようなドラマティックなことはなく、
ただただヒリヒリした毎日がそこにあるだけっていう、
かなりドライな内容。
しかし、そこを役者陣と撮影の力で
結果的にウェットな仕上がりになってました。
役者陣は芝居が上手という話ではなく、
実在感で勝負しているところが空族の映画が
多分に魅力的に見える部分だと思います。
地方のヤンキーと言われて思い描く、
そのままの人物像がスクリーンに映し出されていました。
(Can you celebrate?のカラオケシーン最高)
また撮影は2007年の作品ですが16mmで撮っているため、
時代をトリップしてる感じが見てて楽しかったです。
今やどの地方にいっても、
国道沿いは同じような光景が繰り広げられていて、
それに対してクリティカルな姿勢を取りたくなりつつも、
実際に住む人は便利だからいいのか…
と逡巡するのがここ最近僕が考えることです。
この病んだ状況ここだけじゃねーな!
THE 4TH KIND フォース・カインド
というビートメイカーのCDを最近よく聞いているんですが、
そのインタビューで登場した映画→リンク
(FALCONは田我流のビートメイク名義と思われる)
いわゆる宇宙人遭遇ものなんですが、
ファウンド・フッテージ×モキュメンタリーな作りで、
とても楽しかったです。
子どもの頃見てたゴールデンタイムで
放送されていたX-FILEをレミニス。
映画始まってすぐにミラジョボビッチが、
本人として登場し、わざわざ彼女の口から
「本当にあったことです」と語られる。
アラスカのノームという街で
行方不明が多発していて、
主人公のミラジョボビッチ演じるタイラー博士が
その真相に心理学(催眠術)を使って迫っていくという話。
ドキュメンタリー部分と再現映像の混ぜ方が、
とてもオモシロくて怖かったです。。
特にスプリットスクリーンを使った対比によって、
観客側の半信半疑の気持ちを揺さぶってくる。
僕はこういったSF系あんまり見れていませんが、
一番「宇宙人いるかも…?」と思わされました。
あと実際のタイラー博士から放たれる
マッドネスが尋常じゃなくて驚きました。
真実はあなたの心の中に。
ラベル:
DVD Review
2017年3月4日土曜日
バンコクナイツ
<あらすじ>
バンコクにある日本人専門の歓楽街タニヤ通り。
タイの東北地方イサーンから出稼ぎに来て5年になるラックは、
現在は人気店「人魚」のトップにのぼりつめ、
ヒモの日本人男性ピンを連れ回し
贅沢な生活を送る一方で、
故郷の家族に仕送りをしていた。
ある晩、ラックはかつての恋人である
元自衛隊員オザワと5年ぶりに再会する。
ラックとオザワはそれぞれの思いを
胸に秘めながらバンコクを離れ、
ラオスとの国境にあるラックの故郷へ向かうが…
(映画.comより)
サウダーヂを手掛けた映像制作集団空族最新作。
スタジオ石が撮影を担当していることもあったし、
VIDEOTAPEMUSIC×sakamoto shintaroの
サントラ12inchも購入していたので楽しみにしてました。
サウダーヂの世界がさらに拡大したような内容で、
グローバリゼーションの空気を感じる映画体験でした。
※ここからは盛大にネタバレして書きます。
上映時間は約3時間と比較的長めなんですが、
体感時間はそこまで長くなかったです。
詰め込み系の映画でもなく、
この体感時間の短さはなんなのかなーと思いましたが、
僕は登場人物たちへの興味の持続によるのかなと
見終わった後に感じました。
とくに主人公のラックが本作最大の魅力。
彼女の一挙手一投足が見逃せない。
それは見た目の美しさもありますが、
もともと地方の子が出稼ぎで都会にやってきて。
そこで体はって金を稼ぎ家族に仕送りするという、
サバイブする姿がとてもたくましいからだと思います。
バンコクのタニヤという歓楽街が舞台なんですが、
日本の場末のスナック街に見えて既視感が凄い。
そこのメインの客は日本人で、
キャバクラで働く彼女たちも日本語を話す。
海外で日本人が商売でターゲットになるというのは、
見聞きしたことはあるけれど、
実際に映像で見るとインパクトが強かったです。
とくにキャバクラのシーンはどれも強烈で、
大量の女の子が待機している状態で、
そこから選ぶというダイレクトなシステムだったり、
中島美嘉「雪の華」のカラオケのシュールさなど、
知らない世界を覗き見る楽しみがありました。
さらにタイ語で話す際の字幕が山梨弁!
(東京ポッド許可局で話題になった
「て」も出てきて個人的にテンション上がった)
海外映画の字幕で日本語の方言を使って、
ニュアンス、ノリを伝えるっていうのは、
フレッシュだなーと思いました。
あとバンコクの夜の街の美しさも素晴らしくて、
夜がかっこよく、美しく見えるだけで
僕はそこに映画の価値があると思っているので。
スタジオ石さすが!の仕事だと思います。
もう1人の主人公である
ラックの恋人であるオザワを演じるのは冨田克之監督。
彼以外の日本人の登場人物がバンコクで暗躍する、
悪そうな男たちばかりで、
彼の朴訥なスタンスがグッとくるし、
真面目なんだろうなというのが伝わってくる。
中盤、オザワとラックのロードームービーになるんですが、
ここはバンコクと打って変わってザ・田舎で、
ラックが故郷に抱える苦悩を描きます。
とくにお母さんのシーンが強烈で、
とてつもなく大きい家でシャブやってて、
やたらとコーラ飲むっていう。。
一方のオザワはラックの田舎に魅了される。
都会で疲弊して地方に魅了される感覚って、
共感できるなーと思いつつ、
それはたまに行くからだよなと思い返したり。
村社会にいきなり入れないことが
ラックの家族を見ているとよく分かる作りでした。
オザワは単身ラオスへビジネスのために行くんですが、
そこで遭遇するのが地元のギャング集団で、
ヘッドを務めるのはラッパーの田我流!
このシーンが本当にとてつもなかった!
ベトナム戦争がフラッシュバックするようなシーンは
そこまで少しずつ織り交ぜられてたんですが、
強烈な爆発音とベトナム戦争の爆撃の跡を
空撮で押さえたショットが超絶カッコよかった!
(爆発音なのに音が割れていない処理に感動!)
空族の映画は軒並み未ソフト化で映画館でしか見れないんですが、
この体験は映画館でしか味わえないなーと納得。
他のstillichimiyaの面々もカメオ出演しているのも楽しくて、
ラックにどつかれるMr.麿が個人的にはアツかったです。
本作って結局なんだったっけ?という夢のような部分と、
強烈にリアリスティックな部分が
最高のバランスで結晶化している作品だと思います。
それは都会と地方と言い換えてもいいのかもしれません。
本作のバンコクの風景を見ると、
画一化していく世界を目撃することになるし、
それに対して抗う空族の映画は今の時代にこそ響く。
ラベル:
Movie Review_2017
201702 Music Video List
2017年2月のビデオリスト。
今月はFutureが月内で2枚もアルバムを出して
話題になっているけれど、
僕のFuture熱に火をつけた曲で、
今月のベストビデオは月初に公開された
Ariana Grande feat. Futureの「Everything」
リリックビデオってつまんない
アニメーション付きのものが多い中で、
本人登場して自分の曲を楽しむ
様子を見せるというのがフレッシュだなーと。
(とくにFutureのバースでの2:05のアガり方!)
あとはダウンの着こなし方。
下にキャミソール着てて肩出すって、
熱いのか、寒いのか、どっちやねん!
とツッコミたくなりながらも可愛くて萌えちゃう。
TBSドラマ「カルテット」における
高橋一生のホワイトダウンと
Ariana Grandeのダウンで、
後に2017年の冬を思い出しそうな気がする。
ちなみにFutureのアルバムがリリースされたのを
見計らったようにEverydayのMVも公開。
リリックビデオと同じダウンを着ている。
歌詞のセクシャルな内容に合わせた、
街中で色んな人達がおっぱじめるのもオモシロいけど、
FutureがオフィスにいるというGAPもオモシロい。
日本では大人のマーケティングにより、
アイドル化されてしまい、
音楽好きにバカにされること多いけど、
Ariana Grande良いなと改めて
去年のアルバムを聞き直している今日この頃。
2017年2月28日火曜日
家族最後の日
「生活する」ことがいかに大変で豊かなのか、
改めて痛感した訳ですが、新刊が出たので読みました。
帯に書かれているとおり、
母との絶縁、義弟の自殺、夫の癌の
大きく3つの内容に別れているんですが、
他人の家族の話でここまで込み入ったことを
知ることは日常生活ではほとんどありえないので、
とても興味深く読みました。
母、義弟の件も壮絶で自分の家族について、
考えさせられるんですが、
なんといっても夫であるECDが食道がんで
闘病中の日記が本作のハイライトでしょう。
入院から癌発覚から治療までを
奥さんである植本さんが日記で書いたもの。
ECD本人が書いていないので、
当事者の心境はそこまで分からないのですが、
奥さんの立場から見た癌と闘病する人の姿が
どういう風に映るかが克明に記録されていて、
語弊があるかもしれませんが、どうしたってオモシロい。
いつか人間は死ぬ。これは自明の真理であり、
毎日そんなこと考えてたら、
身が持たないから本能的に考えないようにしてると思うんですが、
自分の身内の死が間近になると、
途端にそれが差し迫ったものになると思っていて。
本作を読むと身内ではないけれど、
死、家族という言葉が頭の中をぐるぐる回り始める。
半分野次馬の気持ちで読み始めたのに、
まるで自分もこの家族の一員のように
思えてくるのだから不思議です。
それは単に癌との向き合い方云々だけではなく、
「かなわない」と同様、
生活することが丁寧に書かれているからだと思います。
しかも、誰かに見られるから行儀良くしなきゃ、
というブレーキの形跡が見受けられなくて、
癌で闘病するECDへの労りも勿論あるんですが、
本作が特別なのはむかつくこと、嫌なことも
正直に書かれているところ。
読んでいて「自分勝手だなー」と思う
側面もなくはないけれど、
自分の中にも彼女と共感する側面が
全くないかといえば、そんなことない訳で。
もっといえば、自分の弱い部分をさらけ出せる人は
かっこいいなーと思いました。
あと改めて日記を書き留めておくこと大切だなと思って、
ちょっとずつだけど書き留めるようになりました。
ECDの闘病の様子がYoutubeにアップロードされているので、
これを見て少しでも興味持った人は、
本作を読んでみるといいと思います。
最近退院されたようです。
回復を祈念しているし、ベストアルバム買う!おかげさまで明日午前中の退院が決まりました!もう再発でもしない限り入院はありません。ただ今回これまでの退院時と比べてもかなり体力が落ちている自覚があります。しばらくは焦らず体力回復に努めます。— ECD (@ecdecdecd) 2017年2月24日
がんばれECD!
追記
無事に退院された模様!
ラベル:
Book Review_2017
ラ・ラ・ランド
<あらすじ>
オーディションに落ちて意気消沈していた女優志望のミアは、
ピアノの音色に誘われて入ったジャズバーで、
ピアニストのセバスチャンと最悪な出会いをする。
そして後日、ミアは、あるパーティ会場のプールサイドで
不機嫌そうに80年代ポップスを演奏するセバスチャンと再会。
初めての会話でぶつかりあう2人だったが、
互いの才能と夢に惹かれ合ううちに恋に落ちていく。
(映画.comより)
セッションのデミアン・チャゼル監督の作品で、
前評判の高さは近年稀に見る感じだったので、
期待半分、不安半分で見てきましたが、
圧倒的映画体験でした!
(ハプニングがあり作品賞を逃しながらも、
アカデミー賞6部門受賞という堂々たる結果)
視覚、聴覚を刺激する膨大な情報量で、
観客が多幸感に浸ることのできる素晴らしい作品。
※ここからは盛大にネタバレして書きます。
正直、始まって30分くらいが一番好きでした。
ミュージカルが得意ではないので、
いきなり歌から始まって世界観にノレるかなー
と思ったのも束の間、
その疑問を一瞬にして吹き飛ばす
高速道路でのミュージカルシーンでスタート。
音楽、ダンス、衣装、スクリーンに映し出される世界は、
いわゆるザ・ミュージカル!なんだけど、
いきなり前置きなく始まるのでMV見てるみたいな感覚。
なによりも、撮影の凄さにただただシビれる…
あれだけの広いエリアを縦横無尽に動き回りながら、
カットを割らずに撮ろうとする発想、
そして撮り切ることができたという奇跡。
このシーンを見るだけでも映画館に行く価値があるでしょう。
主人公を演じるのはライアン・ゴズリングとエマ・ストーン。
この2人の共演で恋愛ものといえば、
ラブ・アゲインという屈指の傑作がありますので、
このキャスティングの時点で嫌いになる訳がない。
(ラブアゲインは「彼女と一緒に見るべきDVD」のベストとして
友人と以前に認定しましたので未見の方は是非。)
エマ・ストーンが家に帰って来たところから、
パーティーまでのくだりも再びミュージカル。
僕はここで完全にメロメロになってしまいました…
映画は総合芸術であるとよく言われますし、
あくまでストーリーありきで、
そこがオモシロくないと…っていう人いると思うんですけど、
そんな人にこそ本作最初の30分を見て欲しい。
なぜ映画館で映画を見るのか?
という問いへの回答になっていると僕は思うので。
2人はハリウッドでそれぞれ俳優、ミュージシャンとして
何とか一旗上げたいと思う夢追い人。
そんな2人は同じ街で何度も会うにしたがって、
仲を深めていく過程が前半で描かれます。
恋人ではないけどお互い惹かれ合っていることを示す、
今世紀最強の甘酸ミュージカルシーンがまた最高で。
メインビジュアルにも使われているところですが、
あの何とも言えない紫とも言い切れない、
赤と青の色の具合はもう眼福としか言いようがないし、
ダンスも本当に素晴らしくて、
ここもワンカットで撮っています。(1)
今までミュージカルに乗れなかったのは、
映画のジャンルの中でも特に虚飾の度合いが強い上に、
カットを割ることで、
さらに虚飾を重ねているからなのかなと感じました。
ミュージカルシーンの上記のような過剰な嘘によって、
その他の会話シーンとのGAPが強くなって
結果、物語の世界と距離を置いてしまうのかもなーと。
しかし、本作は撮影の部分での嘘を極力排しています。
ライアン・ゴズリングのピアノも当て弾きではなく、
自分で弾いていることもその内の1つ。
(逆にR&Bのピアノの名手である
ジョン・レジェンドが本作のために
ギター練習したというのは笑える話(2))
映画を構成する様々な要素から嘘を排除して、
より物語という大きな嘘をつくというのがオモシロいと思います。
(プラネタリウムでのシーンでの感動は、
これらの工夫あってこそだと思います)
映画としてのルックの部分は非の打ち所がない本作ですが、
一方の物語の部分は非常にシンプルなもの。
大人の恋愛と夢について描いています。
僕がとくに心に刺さったのは夢の部分でした。
東京ポッド許可局でいうところのボケの精神ですよね。
ツッコミ過剰社会の中で自分の夢に向かって
ひたむきに頑張っている人が相対化(バカに)されてしまう時代に、
本作が伝えるメッセージのまっすぐさに心打たれました。
他人がどうこうではなく、
自分のやりたいことをひたすらに追いかけ続ける。
ただの正論といえばそうなんですが、
映画というメディアだからこそ心に響く訳です。
とくに好きだったのは最後のオーディションのシーン。
歌の歌詞が好きだったし、アテレコではない
エマ・ストーンの生身の迫力も抜群でした。(3)
本当に素晴らしい作品だし、
人生で忘れ難い映画なのは間違いないんですが、
少々気になる点もありまして…
極めてパーソナルな理由なので、
すでに見た方で本作が大好きな方は
不快な気持ちになるかもしれないので、
そっとウインドウを閉じてください。
僕がなんだかなぁと思ったのは2点です。
1つ目は作品内での音楽ジャンルの扱い方。
主人公の好きな60〜70年代のジャズが
もっとも素晴らしいものであるという描写が多いんですよね。
好きなものを追い求めるという夢だから、
というのは分かるんですが、
ジャズの素晴らしさを描くのに
他の音楽を比較軸に持ってこられるのがちょっと…
パーティーでセバスチャンが演奏する80'sバンドや
ジョン・レジェンドが演じるバンドにおける、
MASCHINEの扱い方など。
ジャズの権威主義の部分が色濃く見えてしまって、
僕は残念な気持ちになりました。
2つ目はエンディングの素晴らしい回想シーン。
たらればと言ってしまえば、
それまでですが大人になればなるほど、
「あのとき…」と回顧する気持ちは
どんどん強くなるので、身につまされる気持ちになったし、
切ない気持ちにもなりました。
(ミッドナイト・イン・パリスへのオマージュの美しさ!(4))
ただ、このエンディングの
回想が始まるきっかけとなるキスシーンが、
予告編でふんだんに使われしまっているんですよね。
本作は鬼プッシュされていたため、
僕は少なくとも5回は予告編を見ています。
「見ているテメエの都合だろうが!」
というのは百も承知ですが、
あそこは転換のキーとなるシーンなんだから、
使わないで欲しかったなーと思いました。
他にも素晴らしいシーンは腐るほどある訳ですし。
感動が目減りしてしまったなーと残念な気持ちになりました。
ツラツラと書いてしまいましたが、
全体を通して見れば間違いなく
傑作の部類に入る作品で、
普段映画を見ない人にこそ見て、
この感動を味わって欲しいと思います。
ラベル:
Movie Review_2017
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