2023年5月18日木曜日

We Act! #3 男性特権について話そう

We Act! #3 男性特権について話そう

 友人からプレゼントしてもらって読んだ。以前から本著の話を聞いていたけど、確かにこれは居心地が悪くなる本だった。なぜなら男性として産まれてその特権に無自覚なまま生きていることをズバズバ指摘されるから。家父長制を引きずった日本社会において男性が優遇される場面だらけなのは気づいていたけど、ここまで言語化されると言葉に詰まった。一方で「男性」という十把一絡げな枠組みで議論されてしまうのは正直辛かった…女性の権利を尊重し拡張していくことには当然賛成しているし自分の周辺については精一杯の努力をしていると思っているから。(それも言い訳だろ?どこまで実行しているんだ?と言われたらそれまでなんだけども…)

 男性に特権が付与されてることは大前提だとして、その特権を捨てろという論法は今の社会だと難しいように感じる。減点法よりも加点法のロジックで男女ともに同じ権利を獲得するという論法の方が男女双方として納得できるし社会が前進するのではないかと思うしエッセイ内で似たような主張している人もいた。

 クソなマチズモがまだまだ世の中に跋扈しているのは百も承知しているが、その枠に「男性」という属性でざっくりした形で放り込まれることにはどうしても違和感があった。特定のイシューや対象者の設定があれば納得できたのかもしれない。最初のチャプターは男性だけの座談会なんだけど、参加者の各種発言がなんとも言えない気持ちになった。男性特権を持っちゃって申し訳ないというスタンスで今の社会が変わるとは思えないから。あと女性側がZOOMで座談会の様子を観覧してチャットでガヤを入れる、しかしそのガヤは男性参加者に見えない。この非対称性もどういう意図があるのか理解できなかった。ただこれらすべては逆を返せば「女性」という属性で不利益を被る場面が多いことに対するカウンターなのかもしれない。

 鶏が先か、卵が先かの議論であり、政府や制度の変化が先か、市民側の意識の変化が先か。本著は後者を意図していてそこには異論がない。なぜなら政府や社会制度は本来は市民が決めるものだから。結局は選挙で意思を示さないといけないように感じた。

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