ここらで軽く小説でも挟もうと思って読みました。
伊藤たかみという人の作品で、
タイトル作で芥川賞を受賞しています。
3つの話が収録されていましたが、
どれも夫婦を描いた作品でオモシロかったです。
タイトル作を読んで思い出したのは、
現在話題沸騰中のカルテットも手掛けている、
坂元裕二が手掛けた最高の離婚というドラマ。
主人公の職業が自動販売機の管理だし、
離婚にまつわる話だし、っていうだけなんですが…
夫婦間の生々しい離婚に至るまでの過程が、
克明に刻まれていて胸が痛くなりました。
あともう1つ思い出したのはラ・ラ・ランド。
ラ・ラ・ランドでは恋を追うのではなく、
夢を追うことを肯定していた訳ですが、
本作では同じ様に恋愛(結婚)と夢を追うことを
並行して描いているんですが、
夢を追うことの残酷さにフォーカスしていました。
僕が震えたのは、奥さんがアナウンサーの教材を
ある日突然買ってきてアナウンスの練習を始める描写。
もはや軽いホラーの領域なんですが、
自分の存在意義を確かめることって必要だし、
他人事とは思えないなーと。
自分の存在意義を確かめることって必要だし、
他人事とは思えないなーと。
津村記久子さんが解説を担当しているんですが、
主人公の職業からの語り口がめちゃ素晴らしかった!
グッときたラインを引用しておきます。
仕事も結婚生活も、それがどれだけ世間に対して、
不可視的で、不成功なものに終わったとしても、
携わる人々は常に本気であり、
誰にもそれを否定する権利はないのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿