僕の「西加奈子」 観というのは180度変わり、
積極的に過去作を読んでいます。
サラバ!を読んだのは友人の勧めがあったからなんですが、
その友人から前から本作もプッシュされていたので、
文庫になったこともあり読みました。
(てかサラバ!読んでいない人はマジで読んだ方がいいです。)
人は見た目が9割という価値観に対する、
西加奈子なりの解釈といった感じで楽しかったです。
そもそも人の見た目と中身の話をする際に、
ふくわらいを物語の軸に持ってくるセンスに脱帽…
美人や男前というのは、
然るべき場所に然るべきパーツが存在することで、
形成されるという当たり前のことを書いているんですが、
本作を読むと異様に人の顔のことが気になり始めてしまう。
(電車乗っている時に人の顔を凝視してしまい、
不審がられるという事故を2,3回起こしてしまった。。)
一体何がその人をその人たらしめているのか?
ということを本作では探っています。
とにかくキャラクターが強烈で、
盲目の人、プロレスラー、作家の奥さん、美人編集者など、
それぞれ見た目と中身にGAPを持ちながらも、
立場が異なることで、立体的に見た目と中身ってなんぞや?
と読んでいる間中、ずっと考えさせられました。
西加奈子さんらしいなと思ったのは、
「見た目じゃない!中身なのよ!」
という逆の安易な結論にはいかないところ。
見た目/中身全部込みでテメエなんだと
優し〜く諭してくれるのが心地よかったです。
終盤にかけてのドライブのかかり具合が最高最高!
主人公の鳴木戸とプロレスラー守口のタイマン勝負から、
鳴木戸が守口の試合を見に行ったところまでの、
エモーショナルの高まり具合がハンパじゃなかったです。
次は最新作のiを読みたいなぁ。
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