2016年7月6日水曜日

セトウツミ



<あらすじ>
高校二年生の内海想(池松壮亮)と瀬戸小吉(菅田将暉)は、
放課後をいつも河原でダラダラと喋りながら一緒に過ごす。
性格は真逆のような内海と瀬戸だが、
くだらない言葉遊びで盛り上がったり、
好きな女の子に送るメールの文面で真剣に悩んだり、
ときにはちょっと深いことも語り合ったり…
(公式HPより)

大森立嗣監督最新作。
菅田将暉×池松壮亮ということで見てきました。
漫才を映画にぶち込んだような、
新しい形の映画だなーと思いました。
思春期の何でもない時間の尊さは
大人になってから気付くよなぁとシミジミ。
レディースデイで主演2人のファンと思われる人達の
温かい雰囲気の中で見れたのは良かったです。

※ここから盛大にネタバレして書きます。

川を主観でクルージングするようなショットと共に
クレジットが紹介されて映画が始まります。
本作は7話で構成されており、
基本的に瀬戸と内海が川沿いで座って、
ひたすらダベっているのを眺めるという
変わった形になっています。
なんせ、主演2人のの演技が最高最高!
彼らに実在感がなければ、
ご破算となってしまうタイプの映画ですし、
ただただ2人を眺めているのが楽しい気持ちになりました。
僕は大阪出身なので関西弁なのも耳なじみが良かったです。
映画での笑いとコント、演劇での笑いは異なるなー
というのを先日見たふきげんな過去で感じたんですが、
本作を見ると間合いが大事なんだなーと心底思いました。
2人のかけ合いは漫才と同じ形と言っていいと思います。
ただ、漫才の間合いは基本的に限りなく詰めていく訳ですが、
本作では、漫才の間合いをそのまま持ってくることはせずに、
空けるところと詰めるところの緩急が抜群。
あと映画ならではのカットを割れるという特性を使って、
引きで撮るところと2人それぞれの側から撮ったりと、
視点を変更できる効果も有効だったと思います。
とくに瀬戸の家族が登場するシーンは、
どのシーンもその効果の恩恵にありました。
おじいさんなんて、「もう絶対そうやん!」
って分かってるけれど、初めはボヤかしてからのキター!
なのは分かってても笑ってしまいました。
(お母さんのカレー初日っていうキラーフレーズも大好き)
漫才も初めのツカミが重要ですが、
その点で言っても本作の1話目は抜群で、
個人的には一番オモシロいエピソードでした。
感動と笑いが同居しているというか、
とにかく「神妙な面持ち」ってフレーズのハメ方が最高!
感情の瀬戸と理論の内海で、
あーでもこーでもないと話している姿は、
くだらない駄話が好きな僕にとってはたまりませんでした。
あとは2人が川沿いでなぜダベることになったのか?を
描いたエピソードが結構グッときまして。
初め瀬戸はサッカー部だったんだけど、
粗相をやらかしてしまい退部させられます。
もともと学校でも友達を作らず、
塾へ行くまでの時間潰しとして
川沿いで音楽聞きながら本を読んでいた内海。
瀬戸の何の遠慮、邪心のなさに、
内海が瀬戸を受け入れていくのが良かったなー
2人で放課後会うようになって、
内海が跡形来るところのスローモーションが
とてもエモーショナルで軽くウルでした。
終盤の瀬戸の猫のエピソードは喜劇と悲劇の対比が抜群。
その手前の猫の死にかけたエピソードのフリが効いているし、
瀬戸の本音の部分が見えるようで見えないあたりが、
感情の置き場がグラついて楽しかったです。
続編を連ドラでやって欲しい!!

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