2015年11月26日木曜日

ヒップホップはアメリカを変えたか?―もうひとつのカルチュラル・スタディーズ


ヒップホップに関する本を読みたいなーと思い、
手に取ったのが本書。
特徴は社会との結びつきにフォーカスしている点。
その論点はヒップホップの勃興と共に語られがちですが、
勃興時の話も含めつつ、出版された2005年までを
解説してくれているのがありがたくオモシロかったです。
白人と黒人の逆差別と、
そこから生まれたエミネムというラッパー、
プロデューサーのドレが起こした奇跡の話が
実は知らないことだらけで、読んでて楽しかったですね。
ヒップホップについて語っているのが前半で、
ヒップホップが与えた社会的インパクトについて
語られているのが後半なんですが、興味深いこと山の如し。
政治参画という点では大きく寄与しているけれど、
女性差別を助長してしまったという負の側面もあったり。
アメリカでは人種差別が現在進行形の問題であることが
露呈した2015年現在ですが、
そこをtake overし、move the crowdできるのが
ヒップホップなのかもなーと思ったりしました。
日本で起こった先日の安保デモとも通じる部分が
非常に大きい部分もあるので、
社会へのカウンターとして機能する
ヒップホップを理解する本としては最適だと思います。

0 件のコメント: