2025年7月12日土曜日

SF LIVE IN TOKYO



 Zion.Tが主宰のレーベルSTANDARD FRIENDS(以下SF)のライブが開催されたので行ってきた。レーベルメンバーのうち、今回ライブを行ったのはWonstein、sokodomo、GIRIBOY、Zion.Tである。自分にとって、このメンバーは韓国ヒップホップが好きになったきっかけであるSMTM9ゆかりのメンバーなので、個人的にはかなり感慨深いものがあった。あれから5年経つが、まだ韓国ヒップホップを聞き続けており、その原点となる存在のラッパーたちのライブを見ることができて本当に嬉しかった。会場は渋谷にあるWOMBで正直この規模で見れることに驚いた。前回のPaloaltoのライブもありえない距離感だったけど、このメンツでこの会場で見れる機会は今後なかなかないかもしれない。

 一番手はWonsteinで、いきなり「Freak」で登場して歓喜…!この曲はSMTM9のZion.T&GIRIBOYチームの楽曲であり、自分が一番最初に韓国ヒップホップの想定外のスタイルとレベルに驚いた曲だ。

Wonsteinのラップを生で聞けただけで満足というレベル。おなじくSMTM9の楽曲で「Infrared Camera」も披露していた。彼はシンギングラップというより、完全に歌に振ったときに魅力が炸裂していて、アカペラの歌声が素晴らしかった。まだフルアルバムがリリースされていないので、SFのトーンでどんなアルバムが出るのか今から楽しみだ。

 次はsokodomo。ちょうどアルバムリリースタイミングでのライブであり、この日のMVPだった。そもそも今回出たアルバムが本当にかっこいい。騙されたと思って一曲目だけでも聞いてほしい。キラーチューンがこれでもかと詰め込まれており、最近一番聞いている。

韓国のラッパーはインストオンリーでラップするストロングスタイルが多いが、sokodomoはボーカル入りのトラック、というか音源そのものを流して、その上で歌い、ラップするスタイルだった。まだリリースされたばかりというのも影響しているかもしれない。しかし、その分のエネルギーをステージ上で爆発させていて、とにかく盛り上がりがハンパじゃなかった。 彼はSMTM10で、Zion.T&slomのチームに参加して大きくキャリアが変わったラッパーだ。もともとイロモノキャラだったところから、音楽にフォーカスしたことで才能が爆発した。MCではその片鱗を見せていて、それがまたチャーミングで魅力的だった。あと今回の全アーティストのバックDJを務めていたのが、sokodomoの新作でも客演しているValoというアーティスト。公演終了後にインスタみると、SFのアーティストの作品にコンポーザーで参加しつつ、ソロでも活動しているようで、彼の存在を知れたことは大きな収穫であった。

 三番目はGIRIBOY。日本で何度か単独公演を開催しているのを見逃していて、今回やっと見ることができた。ビートも自分で作り、ラップも歌もこなすマルチタレントであり、その魅力をふんだんに味わえる大人なステージングだった。比較的ポップな曲が多い中でたまに見せるラップのデリバリーの安定感とKREVAがよく言うビートの後ろのポケットにどれだけ乗れるかというところで圧巻のスキルを魅せていた。

 そして、最後はZion.T御大。彼のステージが日本で、しかもこの規模で見れるのかという驚きがあり、このために今日来たといっても過言ではない。それだけ期待していたわけだが、自分の考える「ライブの良さ」について改めて考えさせられるステージだった。その最大の要因は彼のボーカリゼーションにある。WOMBはクラブなので、インストの音量が相当大きい中で彼は声を張り上げることなく自分のボリュームを貫いていた。その姿勢に、彼のカリスマ性を感じた。つまり、観客のライブに対する能動性が引き立てられるのだ。ライブにおいて声がデカいことが正義、正解とされがちな中で、このスタイルを貫き通すことができるから「Zion.TはZion.T」なのだと感じた。 過去曲もふんだんにやってくれて、特に「No Make Up」「Complex」といった定番はもちろん、Primary名義の「Question Mark」を聞けて死ぬかと思った…!そして最新アルバムからは「Stranger」「V」など。特に「V」はMV含め渋谷系オマージュの曲であり、それを渋谷で聞けたことも趣深かった。

 すべてのステージが終わり四人が登場、曲名を失念したのだけど1曲披露したのちに、 sokodomo「MERRY‑GO‑ROUND」のイントロがかかって会場は大盛り上がり。客演参加のWonstein、Zion.Tも揃った完パケで聞ける機会はそうそうないので、かなり嬉しかった。ちょっとポップすぎて、そこまで好きな曲ではなかったのだけど、圧倒的な祝祭感、アンセム感があって皆で歌いながら聞くのは最高な体験だった。

 

これで大団円かと思っていたが、会場からアンコールが発生、SFサイドは想定しなかったようで、急遽sokodomoが「LIE LIE」をおかわりで披露。客演参加のGIRIBOYがいたので歌うかと思いきや、なぜかZion.Tが歌っていた。個人的には「Credit」エンディングで良かったのでは?と思った。

 とにかく日本に来てくれたことに感謝しかないし、充実した時間を過ごすことができた。SFのスタイルの音楽は日本でも絶対人気が出ると思うので、もっと認知が上がって次はさらに大きなステージで皆のライブがみたい。先日チケットが全然取れなかったSUMIN,slomとまとめてお願いします。あと毎回韓国のラッパーのライブ行くたびにMCの内容がわからないのが辛いので、いい加減、韓国語を学んでいきたい。

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