2025年7月3日木曜日

ゆとぴや・びぶりおてか 小さな本屋の読書日記

ゆとぴや・びぶりおてか 小さな本屋の読書日記

 ゆとぴやぶっくすの店主の方による読書日記。埼玉にある数少ない個人書店の一つであり、よくお店に行っている。今回、ZINE PALというイベントで、自分のZINEをお店に期間限定で置かせていただいているのだが、店主の方の読書日記ということで、ZINEを納品するタイミングでゲットした。本屋の方がどんな本を読んでいるか、好きなのか、意外に知らないわけだが、この日記ではジャンル問わず、読んだ本の記録がどさっと載っていてオモシロかった。自分の読んでいる本のジャンルがいかに狭いか、「本」と一言にいっても様々なものがあることを改めて思い知った。

 人がどういう順番で何を読んだか、そんな読書日記は本好きとしては読むのが楽しい。忖度なくシンプルに思ったことがズバッと書かれていて読みやすかった。いつからか本の感想を大仰に書いてしまいがちで、それは最近ますます加速しているのだが、このくらいフランクな語り口、かつ端的に芯をくって書いてあるほうがわかりやすくていい。冗長であることの良し悪しを考えさせてくれるきっかけになった。

 読んだことがある本の感想は共感や違いを見つけて楽しめるし、なかでも一番助かったことは「知っているけど、なんか読むのは気乗りしないな〜」と思う本の感想だった。たとえば、川上未映子の『夏物語』は一時あまりにも本屋で押し出しされ過ぎて辟易としていたけど、今回日記を読んで、読もうと決意した。『テスカトリポカ』も同じく。

 読んだことのない本も、優しい語り口でブレイクダウンしてくれているので「読んでみようかな?」と思わされるものが多かった。具体的には『羆嵐』、金井美恵子の作品各種など。紹介されている本からの関連本マッピングもとても参考になる。AIにはできない精度のレコメンド領域がまだまだあることがわかる読書日記。

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