2026年10月14日水曜日

東京で漕ぐ 東京を想う

東京で漕ぐ 東京を想う/10 years later

 先日、予感(もうすぐ閉店…涙)を訪れた際、common houseの店主であるミツルさんとたまたまお会いした。最近、表紙絵に惹かれてか、娘がしきりにこのzineを棚から取り出していたこともあって読んだ。自転車というパーソナルな乗り物と、エッセイの相性の良さを実感する一冊だった。

 世田谷にある本屋「common house」を営む2人が制作したZINEで、自転車にまつわるエピソードや、自転車を通じて考えたことが率直に綴られている。2人の文章が交互に登場し、その目の付け所がそれぞれ異なるので小気味よく読み進められる。

 自転車は基本的に一人乗りだからこそ、一人称のエッセイと相性がいい。内容は自転車の話に限らないが、自転車と重ねて書かれることで、親密さや書き手らしさが増していた。

 自転車のカウンターカルチャーとしての側面にも改めて気付かされた。身近な「世間」である電車から距離を置く方法としての自転車。そこから見えてくる自転車の持つ自由さ。自転車に乗る人なら誰しも味わったことがある「漕げば、どこまでもいける」という感触がみずみずしく蘇ってくる。

 編集後記トークでも触れられているとおり、このZINEを読むと「私と自転車」の話をしたくなる。というわけで私の話を勝手にすると、このZINEを読んでから、自転車に関する放置していた作業を2つ達成した。

 1つは、電動自転車の前方のチャイルドシートの取り外し。業者でしか外せないと勝手に思いこんでいたが、まったくそんなことはなく10分程度で外すことができた。一気に視界が開けていい感じだし、おむつに代表されるように、何かを減らすことは子どもが成長している証なのだなと思うなど。

 もう1つは、ピストバイクのパンク。前輪がパンクしていたのだが、電動自転車があれば事足りるので放置していた。しかし、このZINEをきっかけに自転車への愛が盛り上がって、意を決して自分でパンク修理した。自分の手で修理すると愛着が増すもので、もう15年オーバーでボロボロだが、まだまだ乗っていきたい気持ちになった。次はハンドルを交換するつもり。

 なかなかお店まで自転車で行くことは距離的に難しいけれど、駅前からシェアサイクルで世田谷の空気を浴びながら、またお店に伺いたい。

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