A2
ということでAから続けて見ました。
Aの撮影から数年後にオウム真理教へ
森達也監督が再度密着したドキュメンタリー。
これが撮影されたのは1999年で公開が2001年。
2010年代に入って顕著となった、
他人に対して不寛容な社会の萌芽がここにあると感じました。
前作のAでは教団内部にフォーカスを当てて、
どういった考えを持っているのか描いていました。
一方の本作は外側の人、オウムと対峙する
一般の人たちにフォーカスを当てています。
具体的には彼らが共同生活を営むアジトを構えたところへ、
自治体、地域住民が退去させようと押し掛けてくる。
Aでも見られたんですが善意、正義を掲げる暴力って、
ホント狂信的で怖いなーと思いました。
いつ自分にどんな理由で同じような暴力が
降りかかるか分からないのに、
他人に対して大義を胸に抱えて遠慮なく暴力性を発揮する。
この当時はオウムが絶対悪として
社会的に認知されていましたし、
彼らがアジトを構えたら何をするか分からない、
その前例がサリンだった訳ですから、
心情的に拒絶するのは当然理解できる話です。
ここから10年近くたった今、
その範囲が人種や性的嗜好まで拡張してしまって
ヘイトが溢れる社会になってしまっている現状を
まるで予言するかのような作品になっていました。
森監督は映画よりもたくさんの著書があるので、
少しずつ読みたいなーと思っています。
あと本作の完全版を劇場で見逃したので、
どこか機会があれば駆けつけたい所存です。
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